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Drive us crazy  作者: 神代 鶫
未来への物語
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舞台は始まりの地へ

 クローン達との戦いは終わり、シスター達は負傷した研究員達の手当を行っていた。セレスは、敵がいなくなったことを確認し、干渉するのをやめると、大きく息を吐いて、腕を伸ばす。


「あー、疲れた」

「お疲れ様です」


 何故か、正座した状態で待っていたロニーの傍まで来ると、面倒くさそうな顔をした。


「悪魔が、名前を覚えるほどの人間には見えないけど……ま、いいか。おまえ、グラン――――、カミーユに連れてこられたのか、自分の意志でここに来たのか、どっちだ?」

「俺は、マザーのクローンが保管されていた研究室の配属だったんですけど……あ! もちろん、みんな、知らなかったんですよ。いきなり警報音みたいなのが鳴って、マザーが現れたんです! えっと、それで、じゃんけんに負けて護送の付き添いになっちゃっただけで……」


 呆れ顔のセレスの視線に耐えられなくなったロニーは、あたふたする。


 ――――じゃんけんって、なんだそれ。


 というツッコミを心の中でしつつ、ロニーは研究に深く携わってないことを理解した。


「そ、その……帰りたかったんですけど、ここから出ると死ぬっていうし……仕方なく残っていたんですけど、雑用しかやらせてもらえなくて……」

「ふーん。それで、どうする? ここは、避難が終わったら、爆破するって聞いてるけどさ。シスター達に保護してもらうか?」

「え、セレスさんはどうするんですか?」


 悪魔にセレスの指示に従えと言われているロニーは、完全に指示待ちしている。


「……そいつは、こっちで預かる」


 姿見鏡から聞こえた声。そこから顔を出したのはフィレールだった。セレスは初対面だが、フィレールが魔王と呼ばれる暗殺者であることは知っている。


「そうか。なら、任せた」

「か、か、鏡から人……っ⁉」

「……あー、面倒くさいな。マザーがお呼びだ。ついて来るか来ないかどっちだ?」


 マザーという言葉に勢いよく立ち上がったロニーは、足が痺れて絨毯の上に崩れ落ちた。


「……んじゃ、任せたよ」


 セレスは手を振って部屋から出ていった。フィレールは、ため息をつくと、痺れて動けないロニーを担ぎ上げて、マザーの元へと連れて行くため、鏡の中へと消えていったのだった――――。


 部屋を出たセレスは、シスター達と現状の確認をする。クローンはすべて倒した。逃げたカミーユが悪魔やクローンを連れ出した形跡はないが、逃げるときに持っていた革のトランクケースに、薬や精霊石が入っていることは確かだ。


 それと、シスター、セレスは気が付いていた。カミーユを追って――――悪魔が移動したことを。


「ここの処理を終え次第、ジャクリーヌに向かいます。あの量、シスターシャンティと枢機卿カーディナルが加わったとしても危険です。セレス様、先に、ジャクリーヌに向かってください。こちらは私達だけで大丈夫です」

「……わかった。先に行くよ」


 シスター達に後は任せて、ジャクリーヌに向かうために外に出る。空を飛んで移動する方が早いと判断し、空へと舞い上がるとジャクリーヌへ向かう。恐らく、カミーユはティアの力を使って、よからぬことをするだろう。そうなった場合、誰かが気が付くはずだ。自分は確実な方法で、ジャクリーヌへ向かうのがベストだと判断した。


(仮に、ジャクリーヌで成功体とやらを捕まえたとして……研究所は使えないし、あの研究所ほど設備が整った研究所は存在するのか?)


 遠くに見えたジャクリーヌから、煙が上がっていた。ペンデュラムピアスが輝き、共鳴する。


「あー、ネオンか?」

『ええ。久しぶりね、セレス。あなたがこちらに向かっている理由は、この騒ぎかしら?』

「ああ。悪魔が、暴れてるんだろ?」


 セレスの言葉通り、カミーユを追いかけていった悪魔が、ジャクリーヌの街中で、シスター達と戦闘になっていた。


「カミーユは?」

『いえ、どこかに姿を晦ましたみたい』


 舌打ちをすると、ネオンの部屋に出るから、繋いでくれとお願いした。共鳴の光が強くなり、開いた道を通過して、ネオンの部屋の床に足をつける。


「邪魔するよ」


 さっきと同じように、セレスは瞳を閉じると、複数の魔法陣が展開させた。ペンデュラムピアスが輝きだして、流れが複雑なジャクリーヌの地を流れる力へ干渉していく。


「……悪魔の数が多いな。まだ、援軍は来てないのか」


 シスターシャンティと枢機卿カーディナルの姿は見えない。穢れと浄化を繰り返す街中は混乱しているのが分かった。セレスは援護するために悪魔達に干渉すると、動きを鈍らせる。――――やがて、セレスの干渉はジャクリーヌ全体に広がっていった。


「ネオン。あたしは、他のことにまで手が回らない。フォローできるか?」

「ええ、もちろん」


 セレスの力のおかげで、ネオンもいつもより動きやすくなっていた。まずは、チョコチーナにこの状況を伝える。そうすれば、リリベットからエスメラルダに連絡が行くだろう。問題はカミーユだ。どこに隠れているのだろうか。


 ――――見つけたわ。


 動きやすくなっているのは、エクレールも同じこと。セレスが干渉した時点で、彼女は動いていた。カミーユの対応は任せてという彼女の声に、ネオンはお願いするわと返したのだった。


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