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Drive us crazy  作者: 神代 鶫
「始まりの物語」
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晴れのち台風

紅茶に砂糖大量に入れる友人がいたなぁって思い出した今日この頃。

私はストレート派です。

 美術館から少し離れた路地にある喫茶店で、コーヒーを飲む。目の前のモニカが、熱く語っているヴァルキュリアの必要性を聞かされているダリアは、正直なところ引いていた。


わしが作った契約武器を扱えるのは魔力オドが高い人間のみなんじゃ」

「でも、オレは魔力マナとの相性が悪い。魔法は使えないぜ?」


 自身が持つ魔力オドと自然界の魔力マナ。魔法を使うためには相性が良くなければならない。ダリアがルイゼを助けるために使ったのは魔法ではなく、自身の魔力オドを集めて地面へと押し出しただけである。


「使えなくても問題ない。武器が魔力マナに干渉して魔法を使うことが出来るからな」

「へえ、便利なんだな」

「うむ。最高傑作と言っても過言ではないぞ!」


 胸を張って言うモニカの目はキラキラと輝いていた。

 扉が開き、ベルが鳴る。力説し続けるモニカの後姿を見つけると、後ろから抱き着いた。


「モニカちゃん、みーっけ!」


 ストロベリーブロンドのロングヘアの女性に抱き着かれ、モニカが若干苦しそうだ。


「ぐ……アプリコットじゃな……」

「正解! もう、探したんだよ。聖女教会の人達が乗り込んで来て大変だったんだから」


 モニカから離れると、隣に座った。ダリアと目が合い、きょとんとするが、すぐに人懐っこい笑顔を浮かべる。


「こんにちは。モニカちゃんのお友達?」

「いや、友達じゃなくて……拉致されたというか……」

「モニカちゃん、悪いことしちゃダメじゃない!」


 何だろう。マーガレットに似ている気がする。そう思った瞬間、嫌な予感した。


「ああ、もう。わかったわかった! アプリコット。彼女はダリア。ヴァルキュリアのメンバーにならないかと勧誘中だ。で、聖女教会がどうしたというのじゃ?」


 話がややこしくなる前に、モニカはアプリコットの要件に話しを戻す。聖女教会のシスターが、モニカが作った契約武器が邪道で、神に反していると文句を言いに来たと説明し、モニカが飲んでいたコーヒーを勝手に飲んで、その甘さに舌を出す。


「甘いー……じゃりじゃりする……。モニカちゃん、砂糖何個入れたの?」

「あるだけ全部じゃ」


 角砂糖が入っていた入れ物は空っぽになっており、コーヒーの底には溶け切れていない砂糖が沈んでいる。アプリコットはダリアが差し出した水を飲みほした。


「もう、糖分採り過ぎだよ……ただの茶色い砂糖水……」

「このじゃりじゃりが美味しいのに……。まあよい。それよりも、乗り込んできたのはた()()だのシスターだろうて。上の連中は、納得しておったからの。そもそも、我々は悪魔と戦うわけでは無いし、浄化も出来ぬ。まったく困ったものじゃ」

「聖女教会と対立してんのか?」

「向こうが勝手に敵視しておるんじゃ」


 そりゃまた、面倒なことだな。と、ダリアはコーヒーを口に含んだ。ふと、窓の外へ視線を動かして、コーヒーを吹き出しそうになる。


「っ!」


 何とか堪えたダリアの隣に移動したアプリコットが、大丈夫かとハンカチを差し出してくれた。シミになるからと断ると、テーブルに置いてある紙のナプキンを手渡してくれた。


 ――――嫌な予感は的中した。


 窓の外を歩いていた人物が、ダリアに気が付くと、ダッシュで店内へと入ってくる。


「ダリアー!」


 他の客が突然のことに驚き、ダリアは最悪だと呟いた。慌てて追いかけてきたセシリアが、暴走するマーガレットの首根っこを掴む。


「シスターマーガレット。あなたは、シスターである前に淑女としての自覚がないようですね?」


 声が怖い。微笑んでいるのに殺気を感じる。さすがのマーガレットも短い悲鳴をあげると怯え始めた。


「なんじゃ、セシリア。こりゃまた、お転婆なシスターじゃな」

「モニカ博士。お見苦しいところをお見せして申し訳ありません」


 いつものセシリアの声のトーンに戻ったが、マーガレットを掴む手は緩まない。マーガレットもセシリアを怒らせたくないのか、大人しくしていた。


「先ほどは、若いシスターがご迷惑をおかけしたそうで、誠に申し訳ありません」

「気にするな。わしも、契約武器で悪魔を倒すことが出来るとは思わなかったからの」


 聖女教会と対立している理由がそれだ。悪魔に天罰覿面。神の裁きと共に穢れを祓い、浄化するのが聖女教会の役目。モニカが、ファタモルガナを倒すために作った契約武器で、悪魔を倒すことに気がついたのは最近の事。、しかし、浄化はできない。これはモニカ自身も予想していなかったことだ。そのことにセシリア達は理解しているが、一部のシスターは納得していない。


「ねえねえ、ダリア聞いてよ。夜は9時に就寝。朝4時に起こされるんだよ」


 シスターは全員そうなのだが、フリーのシスターとして行動していたマーガレットにとっては苦痛でしかない。そういや、起こすまで爆睡してたなー、こいつ。などと思いつつ、マーガレットの発言に笑顔で殺気を放つセシリアが怖くて引きつり笑いを浮かべる。


「早く、他の街に行こうよ。ここに居たら、わたし死んじゃう」

「死なねーだろ。他の街行きたきゃ1人でどーぞ。オレは、この街に残るからな」


 がーんと効果音を言いながら床に崩れ落ちたマーガレットは、ショックでワナワナと震えだした。


「モニカ。ヴァルキュリアの話、受けるよ。どうすればいい?」

「なんと! そうかそうか、いや有り難い! さっそく、我々の本拠地に移動しよう」


 ヴァルキュリアのメンバーになれば、当分マーガレットと離れられると判断したダリアは、大歓迎よと喜ぶアプリコットに手を引かれて、会計を済ませて店を後にするモニカの後に続く。

 マーガレットが大きな声で名前を呼んでいるが、振り返ることはなかった。


(脱、マーガレットっ!)


 解放された幸せを噛みしめる。この選択により、ジャクリーヌが背負う罪と罰を自分も背負うことになることに、まだ気が付かないのであった――――。


「魔法科学」

 魔法と科学を合わせた素晴らしい発明。昔は、すぐに壊れてた。(美術館に展示されてる発掘装置は毎日メンテしてたらしいよ)子供の頃に才能を開花させたモニカによって、魔法科学は進化を遂げている。

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