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Drive us crazy  作者: 神代 鶫
「彼女達の物語」
31/60

残酷なのは人

ご無沙汰しております。

少し、話を修正しました。


パソコンが、いきなりご臨終してしまい、コロナのせいで、欲しいパソコンは何ヶ月も先だったり……


ちょっと、がんばってスマホで更新していきます。

誤字脱字増えるかもしれません……

「やったぁぁぁぁぁぁっ!」


 歓喜の声が聖女教会に響き渡る。ジャンプをして喜ぶマーガレットの頭に、聖書の角が突き刺さった。短い悲鳴をあげて、床に倒れこむ。


「シスターマーガレット。いい加減、学習しなさい」


 聖書を振り下ろしたのは、カトリーヌだ。モニカの所に行く前に処分を伝えたのだが、想像通りの反応であったため、冷静に対処する。


「ふぐぅ……っ! 久しぶりの聖書攻撃……っ!」


 マーガレットを指導していた時から、暴走しそうになる度に、聖書で殴っていた。頭を押さえ、涙目で痛みに耐えるマーガレットを、セシリアとメヌエットが冷ややかな目で見ていた。


「マーガレットって、救いようのないおバカさんだよね。自分から火の中に飛び込んでるっていうか、火に入れた栗って感じ」

「どういう意味ですか!?」


 跳ね起きたマーガレットがメヌエットに詰め寄っている間に、カトリーヌはセシリアと共にモニカ博士の元へ向かうために部屋を出た。

 外まで聞こえるマーガレットの声に、深々とため息をつく。


「……シスターカトリーヌ、大変でしたでしょう?」

「ええ。本当に、大変でした……。何も成長してないとは……モニカ博士に会った後、ダリアさんとエスメラルダさんにも会って謝罪しないといけませんね」


 宮殿の門のところでキャラメルが待っていた。彼女の案内で応接間に通される。そこにはすでにモニカが待っており、2人はモニカの向かいに座った。モニカにレダからの手紙と報告書を差し出す。受け取り、手紙から目を通したモニカは、目を見開き、身体を震わせていた。


「なんということじゃ……。光翼人こうよくじんを実験に使うなど、あってはならぬぞ。これは、本当か?」

「報告書の方を見ていただけますか? レダ様はそれを見て、そう思われたようです」


 手紙をテーブルに置き、報告書のページをめくっていく。魔力を調べ、まとめたものが記されており、モニカは左手を顎に当てて唸った。


「ううむ……なるほど、確かにこれは人の物でも精霊でもあるまい。神の力というのは納得できる。光翼人こうよくじんについては、わしも調べておった。この下に眠る遺跡について知るには避けては通れぬ道じゃ。キャラメル、エスメラルダとミスティを呼んできてもらえるか? 長くなりそうだ。お茶も用意してもらえると助かる」

「はいっ!」


 後ろで控えていたキャラメルに声をかけると、元気よく返事をして出ていった。


「これについては、わしより詳しい者に聞いた方がよいだろう」

「ヴァルキュリアの中に、詳しい方がいるのですね。助かります。あと、この後でいいのですがダリアさんに面会したいのですが……お願いできますでしょうか?」

「ああ、かまわんよ。……ああ、シスターマーガレットのことか? 大変じゃな」


 3人は、顔を見合わせて苦笑いを浮かべた。

 しばらくして、エスメラルダとミスティが入って来た。挨拶をしたところで、カトリーヌは改めてエスメラルダに頭を下げて謝罪した。ダリアから、カトリーヌがマーガレットの教育係であったことを聞いていたエスメラルダは、そんなに謝らないでくださいと、声をかける。当時から苦労していたことは想像の範疇であり、この件はもう本人から謝罪を受けているため、終わったことだ。

 ソファーに座り直したところで、モニカは報告書をエスメラルダに渡すと、ここに来てもらった事情を説明した。呼ばれた意味を理解した2人は、報告書に目を通す。


「なるほどなぁ。相性がいい子供を被験体として登録。別である理由はこれかな。クローンを生産して実験を行えば、失敗しても本体は残っているから、クローンをまた作ればいいもの。聖女教会って、こんなことまでやってるんですね」

「ええ。家族を失った子供に救いの手を差し出すふりをして、実験体にするなど、許される事ではありません。我々、聖女教会は、子供達の保護と施設の破壊を行っているのです。ですが、最近は施設にたどり着けないように術がかけられていたりするものですから、こうやって発見が遅れてしまった施設がでてきてしまうのです」


 カトリーヌの話を聞きながら、横から報告書を覗き込んでいたミスティの表情が曇った。


「これ……私がいた施設……」

「え?」

「私が壊した施設です」

「それは、本当か!?」


 エスメラルダは、報告書の残っていた魔力についてのページを一通り読んで、1つの考えを口にする。


「だとすると、この残っていた魔力って、ミスティの力ってことよね? ミスティの中にいる魂の正体って、まさか……」


 ――――光翼人こうよくじん。その事実に、沈黙が部屋を支配する。沈黙を破ったのはエクレールだった。


「恐ろしいこと考えたわね」


 エスメラルダから現れたエクレールに、少し驚いたカトリーヌは、マーガレットが悪魔と間違えてしまったのが、これだと改めて理解し、どうして間違えるのかと呆れてため息をつく。隣のセシリアが、カトリーヌの心情を理解して苦笑した。


「ミスティの中の魂が光翼人こうよくじんなら納得だわ。マスターの考えは当たっていた」

「精霊を殺して精霊石に変え、人の身体に融合させる意味もわからないけれど、光翼人こうよくじんの魂って……この研究の目的ってなに? 戦争でも始めるの?」


 そう、重要なことは未だに分かっていない。まずは、聖女教会が持っている情報と、モニカ達が持っている情報の交換を始めることにするのだった――――。


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