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Drive us crazy  作者: 神代 鶫
「彼女達の物語」
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悪魔祓い

「キャラメル」


 ふわふわのクロムイエローの髪。長さは肩くらいまで。コスモス色の瞳。16歳。

 よく、変な歌を歌っている。「はわわわ」「あやや」など、変な口癖と語尾が「〜」が特徴だが、戦闘モードになると雰囲気は一変する。

 貴族に仕える一族の娘で、オールマイティーに育てられていたが、仕える貴族が無くなり、モニカに拾われた。

 親しくない人は、彼女の背後に立ってはいけない。

 服の下に武器を隠し持っていて、武器の重さだけで人を潰せるという噂。

 聖なる光に苦しむ悪魔は、足止めをされていたはずの悪魔祓いがここにいることに、怒りで震える。


「あの、人形め……我を騙したナ……!」


 エリナに憑りついていることが出来なくなって来た悪魔は、徐々にその姿を現していく。


「――――なるほど、そういうことですか」


 倒れてしまった部下たちを、後方へとまとめて放り投げたソレイユが姿を現した。何故か、彼女は穢れにやられていない。


「ソレイユさん、なんで大丈夫なの? なんで? なんで?」

「うるさい、黙れ、腐れシスター」

「ヒッ!」


 本性を現したソレイユに、マーガレットは怯えだした。


「いいか? 同じことは二度と言わない。よく聞け? 今すぐ悪魔を倒せ。シスターとして少しは役に立て。出来なければ永遠の休息だ……」

「はわわわわ……、や、やりますやります! 今すぐ悪魔、倒しますー!!」


 ショットガンを取り出したマーガレットは、


「わたしのために、死んでくださーい!」


と、叫びながら撃ちまくる。悪魔は急いでエリナから離れるが、弾丸は均等に散らばり、着弾した。


『ギャアァァァァァッ!』

 

 離れたところで、結界から外には出られない悪魔は、撃ち落されて地面をのたうち回る。


『許サヌ……全員、殺シテヤル!』


 悪魔の目が輝き、たくさんの悪魔が現れた。


『キキキキキッ!』


 低級悪魔だとすぐにわかったマーガレットは、すぐに射撃を開始するが、数が多すぎて捌ききれない。


「……これはまた、多すぎですね。こうなることを予測していたということですか」


 次々と現れる悪魔に、ソレイユは剣を抜いた。聖なる光に包まれたその剣で、散らばろうとしている悪魔達を斬り捨てる。

 悪魔は、倒れているエリナの魂を奪うために手を伸ばす。しかし、触れる前に発火した。


『ギャアァァァァァッ!』


 聖なる炎が悪魔の腕を燃やしていく。身体に燃え広がる前に、慌ててその腕を斬り落とした。


「あなたと、オフェリアさんの関係は?」

『アレハタダノ人形ダ。我ト関係ナド無イ』


 軋む音。地面に刺さった十字架のナイフが、抜け落ちる寸前になっており、マーガレットは左手を下げた。


「なら、その人と関係があるということですね。それが、代償ですか」

『……ナルホド。頭悪イ割ニ、勘ガ鋭イヨウダナ』

「あ! 今、バカにしましたね!?」


 結界がひび割れて、粉々に砕け散る。悪魔は、笑いながら力を増幅していく。腕が再生し、エリナを鷲掴みにした。


「うう……っ。……わたしは……?」


 意識を取り戻したエリナは、辺りを見渡す。自身を捕えている悪魔に気が付くと顔が青ざめていき、悲鳴をあげた。


「あ、ああ……バケモノ……!」

『ハハハハハッ! バケモノ? 貴様ニ言ワレタクナイナ。人ヲ殺シタバケモノノクセニ』


 悪魔の言葉に激しく動揺したエリナは、「違う」と何回も言いながら、悪魔の手から逃げだそうともがく。


『何ガ、違ウト言ウノダ? 何人モ殺シタダロ。アア、1人殺シ損ネタナ』


 ピタリと動きを止めたエリナは、目を見開いていた。殺し損ねた。


――――殺し損ねた?


 会話を遮るように銃声音が響き、エリナを捕えている腕に着弾したが、先程とは違い、ダメージを与えることが出来ない。


『無駄ダ。貴様ニ我ヲ倒スコトナド出来ヌ』

「ふふん。それはどーでしょう?」

「――――違う! 私はあの時、確かに落ちたのを確認した!」

「へ?」

「馬車の車輪が外れて、崖に転落した! 遺体は見つからなかったけれど、他の人間はみんな即死だったのよ? 生き残るわけがない! 死んでくれなきゃ困るのよっ!」


 突然、告白し始めたエリナに、ソレイユは溜息をついた。


「その話は、あとでじっくりと聞かせてもらいます。シスターマーガレット、彼女を早急に保護してください」


 保護してくださいと言いながら、ソレイユの目は笑っていなかった。保護出来なかったら、ヤバイ。マーガレットは瞬時に理解し、下ろしていた左手の袖から、銀で出来た15センチほどの細長い両刃のナイフを取り出すと、悪魔に向かって投げる。エリナを捕えている腕に刺さるが、悪魔は笑っていた。


『無駄ダト、言ッテイルダロウ?』


 その余裕の表情は、一瞬にして苦痛に変わる。


『グアァァァァァッ!?』


 腕が焼け焦げていく痛みは、先程と比べ物にならない。エリナは放り投げられたが、ソレイユが地面に衝突する前に受け止めた。

 悲鳴をあげながら地面を転がる悪魔に追い打ちをかけるように、同じナイフを5本取り出し、地面に刺して結界を張る。十字架のナイフよりも強力な結界が張られ、悪魔は逃げられなくなった。


「おしまいです」


 リボルバーを構えたマーガレットは、その弾丸で悪魔の身体を撃ち抜いた。断末魔をあげて、悪魔は消えていく。そして、穢れもゆっくりと消えていった。


「任務完了ですっ!」


 勝利のポーズを決めて満足げなマーガレットは、リボルバーをホルスターに収めて振り返る。ソレイユは地面に座り込んだまま震えているエリナを拘束すると、立ち上がらせた。抵抗するように暴れだすエリナを睨みつける。


「放せーっ!」

「黙りなさい。おまえは、バニティ伯爵のところの侍女ですね? 洗いざらい吐いてもらいます。ああ、言いたくなければそれでも結構です。その場合はバニティ伯爵を呼び出すだけですから」


 その言葉に顔が青ざめたエリナはがっくりと項垂れて、申し訳ありませんと連呼し始めた。ソレイユは溜息をつくと、マーガレットへ視線を動かす。


「ご苦労様でした」

「え、あ、はい」


 エリナを連れて去っていったソレイユを手を振り見送ったマーガレットは、街の外で待つセシリアの元に行く前に、穢れにやられた人達のケアをするために歩き出したのだった――――。

 

「対悪魔武器」

 色々なタイプが存在し、使いやすい物を使っている。十字架のナイフなど結界を張るための武器は全員に支給されている。銃の弾丸は、人に当たると痛い程度で、ケガはしない。

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