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Drive us crazy  作者: 神代 鶫
「彼女達の物語」
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マーガレットタイム

「モニカ」


 コーヒーブラウンの髪の毛のショートカットヘアに、クロムオレンジの瞳。

 古代、科学、魔法を研究している博士で、有名人。懐中時計や、銃。聖女教会が使う悪魔を倒すための銃も、モニカが協力して作った物である。

 甘党と言う訳ではなく、コーヒーや紅茶に角砂糖をたくさん入れて、底のジャリジャリを楽しむのが好き。常にブドウ糖を持ち歩いているという噂。

 子供の頃から頭が良く、記憶力も良い。勉強と実験ばかりで弱そうに見えるが、それらに耐えれる体作りは怠らず、危険な場所に行くこともあるため、学校で基礎的なことを学び、実践的なことを傭兵達から学んでいる。

 タモラ侯爵の別荘に、マーガレットは足を踏み入れた。高そうな絨毯についた赤黒い染み。壁にも血痕は飛び散っており、凄惨な事件であることは一目瞭然であったが、マーガレットは臆することなく現場を調べていく。


「……うーん、悪魔の仕業っぽくないけどなぁ……。あのー、本当に犯人は消えちゃったんですか?」


 近くに待機していた騎士に話しかけると、騎士は頷いた。その時の事を説明すると、マーガレットはうーんと唸り始めた。


「人の負の感情を利用したとか? だとしてもなぁ……犯人は娘さんでしたっけ? ど~考えても感動の再会になると思うんだけど……、どう思います?」

「いえ、私に聞かれても……」


 戸惑う騎士など気にせず、マーガレットは独り言なのか騎士に話しかけてるのか、よくわからないが大きな声で喋っていた。

 騎士は思う。――――このシスター、大丈夫なのかと。


「穢れも感じられないしなぁ……ただの殺人? えー、でもわたしの将来がかかってるのに、悪魔の仕業じゃなかったらわたしクビ? いや~!!」


 叫んだマーガレットに、騎士はこの場から逃げたいとちょっと本気で思っていた。


「あ! そっか。悪魔の仕業ってことにしちゃえばいいのか。わたしってば、あったまいーぃ。……あ」


 騎士と目が合う。しばしの沈黙の後、「テヘッ」と語尾に星でもついていそうな言い方で誤魔化した。


「――――騒々しいですね」


 凛とした声に、騎士の背筋が伸びたと思ったら、敬礼している。マーガレットは、それをぼけーっと見ていた。

 現れたのは、綺麗な真紅の鎧を身に着けた女性「ソレイユ」。ジャクリーヌの第3騎士団の隊長である彼女は、控えていた騎士を下がらせた。


「聖女教会に協力要請を出しましたが……もう少し、有能なシスターが来ると思っていました。まさか、嘘をつくようなシスターが来るとは……」

「嫌ですよ~。 言ってみただけに決まってるじゃないですか。そんなことしたら、永久追放されちゃいます!」


 マーガレットは、ソレイユを上の立場の人だと理解すると、オフェリアがいなくなった場所へ案内して欲しいとお願いした。ソレイユはため息交じりでついてきなさいと言い、マーガレットをそこへ案内する。


「ここです。ここで、姿を消しました」

「ここか~。うーん……ここにも穢れ無しか……。あれ?」


 何かが光った。マーガレットはそれが何かを確認する。赤い斑点がある石の欠片が1つ転がっていた。


「これ、ブラッドストーンだ。なんでこんなところに?」

「ヘリオトロープ……いえ、シスター達はブラッドストーンと呼んでいますね。それがあるということは……やはり、悪魔の仕業ということですか?」


 ブラッドストーンは悪魔を召喚するときに使われるものだ。欠けているということは、使用済みということを表している。マーガレットは辺りを見渡して痕跡を探した。


「んー……わたし的には、別件かなー。タモラ侯爵を殺したのは悪魔憑きの人間じゃないです。それは、絶対に断言できます。ただ、わざとらしくありません? ここにブラッドストーン落とすなんて」

「……確かにそうですね。そもそも、この辺りは調査しました。ブラッドストーンについての報告はあがっていません。このどさくさに紛れて、何か企んで者がいるかもしれませんね」


 それだけ、貴族の世界の闇は深いということか。面倒なことこの上ない。悪魔の仕業ではないとしても、そう見せかせる必要があるということは、悪魔も用意してあるかもしれない。


「……これってもしかして、もしかしなくてもチャンス!?」


 悪魔がここにいるのなら、クビにならずに済む。一筋の光明に、マーガレットは目を輝かせる。


「やったぁ~!!」


 歓喜の声を上げながら走り出したマーガレットの背中を見送ったソレイユは、舌打ちをした。

 少し離れていた場所で、ソレイユとマーガレットを見ていた騎士達が、短い悲鳴をあげる。


「……ろくでもないシスター送りつけやがって……。逆さづりにして、海に沈めるぞ、クソが……。おい、ハーツ!」

「はいっ!」


 見ていた騎士の1人が、名前を呼ばれて直立不動になった。


「アイツを監視しろ! 片時も目を離すな!」

「イエッサー!」


 ハーツという騎士は、急いでマーガレットを追いかけた。見失ったら、地獄が待っている。それだけは嫌だとマーガレットに追いついた。


「シ、シスター! 勝手に行動されては困ります!」

「え? あー、ごめんなさい。ついうっかり。あ、そうだ! 悪魔って夜の方が好きなんですよ。だから、それまで時間潰さなきゃいけないんで、どこかで休憩したいんですけどー、ここって喫茶店とかあります?」

「ジャズ喫茶ならありますが……。って、あの、ちょっ!」


 腕を掴まれたハーツはマーガレットに引っ張られるように歩き出す。


「行きましょう! ほら、早く早く!」

「シスター! 喫茶店はそちらではありません!」


 振り回されているハーツに気が付いた、最初にマーガレットを案内した騎士は心の底から同情するのだった――――。


お久しぶりです。もう、10月ですね。9月の後半は仕事が忙しく更新がストップしてしまいました。10月からは通常に戻ります。よろしくお願いします。

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