私はベーコンエピが好き
学生の頃、友人たちと、好きなバンドの魅力はやはり「歌詞」だろうという話になり、みんなで歌詞を作って遊んだことがある。作詞の難しさを知りながらも、そのグループにはポエマー(送ってくるメッセージが度々ポエム過ぎてついたあだ名)がいたので、なかなかそれっぽい恋愛ソングの歌詞が提出されてゆき、そこそこ盛り上がった記憶がある。
もちろん私もその流れに乗って、彼らへの想いと友情を歌詞にして送信した。正直なところ、初めて書いたにしては良いのではないかと思っていた節がある。何名かの既読がついた後、一番付き合いの長い友人が
「なんか」
「いじめ防止のスローガンみたい」
となんとも率直な感想を寄越し、私の作詞家人生はものの数十分で、それも気を遣った数のwと共に幕を閉じたのである。
……というのを思い出し、大人になった今ならスローガンにはならないのではないかと懲りずに書いた歌詞を発見したところである。もうポエマーにも当時のメンバーのほとんどにも連絡が取れないので、恥ずかしげもなくここに共有させていただき、作詞家の心を成仏させてあげようと思う。
『衣』 作詞:Tehanu
あの日食べたカレーパン
ベーコンエピが食べたくて走らせた車
立ち寄ったコンビニで 僕はカレーパンを買った
満たせるのなら何でもいい
君もこんな気持ちだったのかな
同じ種族なのに 何が違うんだ
僕だってしょっぱいし、君を好きなんだ
ガードが固すぎたかな サクッと懐にはいれたらよかったかな
カレーパンの複雑な味も 僕に足りない味
でも、僕はベーコンエピ
そう、僕はベーコンエピ
君を包み込み、固く護るナイト
カレーパンの衣なんかより 何百倍も高い防御力があるよ
ベーコンエピがシンプルなように 僕の気持ちもシンプルで
カレーの複雑さなんかに勝てなくても
いつでもどこでも安定した味、気持ちでいるから
いつか君が食べるベーコンエピが おいしいといいな
率直な友人、そして気遣いのできる友人たちへ
本当にありがとう。




