44_【祭】のたけなわ
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【祭】十六日目~【祭】二十九日目
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――不思議なもので、折り返し地点に来てからはあっという間だった。
最初は一日一日が永遠のように長く感じられたのに、人間というのは恐ろしいほどに環境に適応する生き物らしい。
あるいは、心が麻痺して時間の感覚がおかしくなってしまっただけなのかもしれない。
十六日目は、『採点点検、行動はキレイに』
十七日目は、『出番制、行動は交代交代』
十八日目は、『舞台演劇、拍手喝采』
十九日目は、『結界絶対、防壁を張れ』
二十日目は、『記録手帳、行動記帳』
二十一日目は、『関節封じ、棒人間』
二十二日目は、『尻取り、連鎖せよ』
二十三日目は、『名前交換、我は誰』
二十四日目は、『磔刑滑稽、十字を背負え』
二十五日目は、『首傾け、天地無用』
二十六日目は、『求愛艶舞、誘惑わくわく』
二十七日目は、『右手不浄、左手清浄』
二十八日目は、『愛撫羅撫、世界を慈しめ』
二十九日目は、『影法師、影踏み厳禁』――。
時に笑ったり、時に泣いたり。
時に苦しんだり、時に楽しんだり――。
まるで小学校の時、日が落ちるまで遊んだときのように。
まるで中学生の時、日が落ちるまで部活した時のように。
まるで高校生の時、日が落ちるまでお喋りした時のように。
【祭】の時間は、あっという間に過ぎていく。
残念な事に【祭】の失敗者は一人、また一人と増えていく。
二十九日の段階で残っているのは、わたしと平八郎さんを含めてたった六人だった。
今回は特別に難しいのかと思っていたら、成功者は毎回十人を切るそうだ。
失敗者は成功者を妬んだり羨んだりする思っていたが、案外そうでもなかった。
確かに失敗した二~三日はショックで寝込んだりヤケ酒したりするけど、その後はわたしたちの邪魔にならないように支援に回ってくれていた。
「頑張れ!」、と声援を受ける日も多かった。
そうしたこともあってか、わたしは順調に【守り事】を守っていけた。
いつの日からかは分からない。
わたしは、この一ニ三五村が嫌いじゃなくなっていた。――いや、好きになっていた。
あれだけイヤだった【祭】も、終わってしまうのがなんだか寂しく感じるようになっていた。
わたしは、わたしは――【どろどろ様】に会えるのが楽しみになっていた。
そうしてついに、最終日である三十日目を迎えることとなった――。




