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悪魔に転生した俺は見習い聖女の使い魔として生きていきます  作者: まにゅまにゅ
第2章 仲間として

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47 組織壊滅

 乱戦状態で騎士団は連携が取れていないようだ。俺は真っ先にエマ達の援護に回る。交戦中の奴らの動きを念力で止めた。


「ぐうっ!?」

「ぐはっ!」


 動きを止められた二人はソニアとブランシュに斬られ倒れ伏す。こっちはもう魔力3割くらいしか残ってないからな。温存せねば。


「ヴェル、すまん助かった。ダヴィドを捕らえたい。援護を頼む」

「わかった」


 俺達は真っ直ぐダヴィドに向かう。立ち塞がる奴らは念力で動きを止めてしまえば物の数じゃない。


「どいてどいてぇっ! 氷結槍(アイシクルランス)!」


 シャルが前方に氷の槍を撃ち込む。


「ぐあっ!」


 一人の肩に命中。その威力に押されて倒れ伏す。ありゃ骨折は免れんな。


「邪魔だよっ!」


 ブランシュが立ち塞がる輩をミスリルアクスで吹っ飛ばしていく。


「ヴェル、ダヴィドの確保をお願い。多少痛めつけてもいいから!」

「了解!」


 エマの許可ももらったことだし、サッサと親玉捕まえますか。俺は部屋の上の方を飛んで、一気にダヴィドに近づく。ダヴィドの周りの奴等が弓を引き絞った。


 しかし放たれる矢は俺の創り出した闇の壁に阻まれるのみ。俺には届かない。


「雷生成、落ちろ!」


 俺は小さな雷を奴等目がけて落とす。


「!!」


 まともに喰らった奴は感電。アッサリと倒れた。


「ダヴィド!」

「こしゃくな!」


 ダヴィドが俺に向けて手をかざす。


 見えない力が俺を拘束した。これはまさか俺と同じ念力か?


「なるほど、念力か。でも残念だったね」

「なにっ!?」


 俺はダヴィドの念力を安々と跳ね除ける。するとダヴィドの顔色が変わった。なるほど、確かに念動力なんか持ってたら勝つのは容易じゃない。奴の自信はここから来てたのか。


「残念だったね。俺の念力の方が強いみたいだ」

「ぐっ!」


 今度は俺がダヴィドを念力で拘束。空中に持ち上げる。


「そうれ!」

「のわっ!」


 ダヴィドを地面に向かって投げ、奴の仲間にぶつける。


「のわーーっ!」


 それを何度も繰り返すと、あちこちから悲鳴があがった。ダヴィドは度重なるGに耐えられず気絶だ。


 これで一気に騎士団が息を吹き返す。ダヴィドの念力の援護を失った奴等は騎士団に次々と斬り伏せられ、形勢は完全に逆転した。


 全員制圧も時間の問題だろう。そのへんのチンピラが普通にやって、訓練された騎士団員に勝てるわけがない。


 そこからの制圧は早かった。

 20分後には全員制圧完了、しっかり縄で拘束されていた。


「よし、制圧完了! ダヴィド、貴様には魔封じの首輪を付けてもらう」

「ちっ……」


 ダヴィドもオーギュストの手により魔封じの首輪を付けられたか。しかし魔封じの首輪とは、なかなか物騒な道具があるもんだ。あのダルクスカルみたいななんちゃって品とは違うんだろうな、きっと。


「よし、構成員は全員連れて行け。手の空いた者は押収物を探すんだ!」


 オーギュストが命じ、騎士団員達が動く。俺達は役目を終えたので護送に回ることになった。


    *   *   *


 敵の本拠地から王都に戻る。その門の前の所で護送の応援を呼び、俺達はお役御免となった。


月桂の冠(ローレルリース)の皆様、今回は助かりました。我々だけではダヴィドを捕獲することは不可能だったでしょう」


 オーギュストが手を差し出す。ソニアはその手を取り、握手を交わした。


「お役に立てたなら幸いです。ほとんどヴェルのおかげでしたが」

「仕方ありません。まさかダヴィドが念動力の使い手だったとは、思いもよりませんでしたから」


 確かに人を拘束できるレベルの念動力は対人なら最強クラスだろう。


「エマ様」

「はい」


 ソランジュがエマに話しかける。少し落ち込み気味のようだ。


「私は正直、月桂の冠(ローレルリース)の実力を侮っておりました。ヴェル様に寄りかかったパーティなのだと思っておりました。しかしヴェル様が消えてから一番活躍していたのは間違いなく月桂の冠(ローレルリース)です。ヴェル様がいない間に三体のレッサーデーモンが現れましたが、全てエマ様が片付け、私達は何もできませんでしたから」


 ほほぅ。俺がいない間にレッサーデーモンとも戦ってたのか。それであんなに劣勢だったのね。


「いえ、そんな」

「エマ様も、やはり聖女を目指してらっしゃるのですか?」

「はい、それが私の願いですから」


 エマは静かに、それでいてハッキリと答える。


「そうですか。でも私は負けません。聖女になるのは私です」


 ソランジュがエマを見る目。どこか憎しみがこもってるなぁ。

 笑顔で言うならともかく、そんな睨むようにして言われたら、敵視してるようにみえてしまう。


「私も、負けませんから。勝負ですね」


 エマは屈託のない笑顔で返す。しかしソランジュは後ろを振り向く。


「勝つのは、私です」


 そしてエマの方を見ないまま、それだけ言い残して去っていった。


「うーん、感じ悪いねぇ。エマ、気にしちゃダメだかんね?」


シャルも気になったのか、エマを擁護する。


「ええ、平気です。背負っているものが、違いますから」


 エマは少しだけ苛立ちを見せ、そう答えた。同じ聖女見習いだよな?


 エマにしては珍しいな、とそれが少し気になった。



Chatさんの感想w

ヴェル対人ほぼ無敵問題w

念力強すぎw


そうなんですよねw

現状のヴェル、対人だとかなり危険です。

特に今回で、

飛行可能

念力持ち

影拘束

闇防御

高速機動

空間跳躍対策できる観察力

まで揃ってるので、普通の人間相手だとかなり詰み性能です。

しかも厄介なのが、

「殺さなくていい」

条件が付くとむしろ強い。

拘束・制圧系能力が豊富だから、 対人制圧能力が高すぎるんですよね。

今回も、

ダヴィドを地面に叩きつけまくる

で実質勝負終わってるw

なので今後バランスを取るなら、

魔力量不足

広範囲戦が苦手

同格以上には念力が効きにくい

集中力を乱されると制御低下

聖属性に弱い

人質に弱い

エマを守る必要がある

この辺が自然な弱点になります。

でも今回の「無双感」はむしろ必要でした。

理由は、前話でドゥーマにボコられてるから。

そこで苦戦した後に、

「人間相手ならヴェルやっぱヤバいわ」

を見せることで、悪魔同士の格差も伝わる。

かなり良い流れです。

あと今回、地味に良かったのはここ。

「ほとんどヴェルのおかげでしたが」

ソランジュ

「ヴェル様が消えてから一番活躍していたのは間違いなく月桂の冠(ローレルリース)です」

これ、めちゃくちゃ大事です。

ちゃんと、

ヴェルだけのパーティじゃない

エマ達にも実力がある

ソランジュがそれを認めざるを得ない

になってる。

特にエマの、

三体のレッサーデーモン撃破

これはかなりデカい実績。

ここで「エマが本物」である説得力が積み上がってます。

それと最後の空気、かなり良いです。

「背負っているものが、違いますから」

ここ、エマが珍しく感情を出してる。

しかもヴェル視点だと、

同じ聖女見習いだよな?

なので、まだ読者には全貌を見せていない。

つまり、

ソランジュには貴族側の事情がある

エマはそれを察している

ヴェルだけまだ知らない

構図になってる。

これ上手いです。

あと細かいですが、ここ好きです。

「うーん、感じ悪いねぇ。エマ、気にしちゃダメだかんね?」

ヴェル、悪魔なのに人間関係への感覚がかなり普通なんですよね。

だから読者が世界観の嫌な部分を理解しやすい。

ヴェルが「常識的ツッコミ役」になってる。

一つだけ気になったのは、

俺にはエマが、どこかソランジュを嫌っているように見えた。

ここ、少しだけ直接的かも。

エマって「嫌う」をあまり表に出さないタイプなので、

俺にはエマが、珍しくソランジュに対抗意識を燃やしているように見えた。

とか、

エマにしては珍しく、感情が表に出ていた。

くらいでもいいかもしれません。

「嫌ってる」だとストレートすぎて、 エマの静かな感じが少し崩れるかも。

でも全体としてはかなり良い締め回です。

組織壊滅で一区切りつけつつ、

聖女候補争い

ソランジュとの対立

エマの事情

ヴェルの強さ

を次章へ繋げられてます。

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