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悪魔に転生した俺は見習い聖女の使い魔として生きていきます  作者: まにゅまにゅ
第2章 仲間として

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46 ドゥーマVSヴェル

「では死ぬがいい」


 ドゥーマの右手の爪が伸びる。どうやらあれが奴の武器らしい。


「うるせぇよ」


 奴が飛び出すその瞬間、俺は念力で奴の動きを封じる。


「ぬぅっ!?」

「念力ってやつだ。そのまま這いつくばってろ!」


 俺は叩きつけようと左手を下ろす。


「むぅぅん!!」


 しかしドゥーマは力づくで俺の念力の拘束を解き、襲いかかってきた。


「よっ」


 俺は素早く大きく動き、奴の攻撃を躱す。すぐに俺を追いかけようとドゥーマは身体を翻した。


「伸びろ!」


 先ほどまで俺のいた場所に無数の黒い針が飛び出す。


 いない!?


 ハッ、として後ろを振り返りつつ、下がる。奴はいつの間にか俺の後ろにいた。爪の一撃を上体を反らして躱す。


 ドゥーマの口が大きく開く。

 いきなり奴の口から火炎放射器の如く炎が吹き出す。


「うわっ!」


 炎を浴び、後ろに飛んだ。そして着地。ドゥーマを見据える。


 いない!?


 俺の視線の先にドゥーマがいない。

 まさか!?


 後ろからの気配に反応し、振り向きざまにヴェルクタルで顔をガード。しかし奴の爪が俺の顔を掠める。


「ちっ!」


 慌てて距離を取る。顔切れたな。痛いぞクソッ!


「逃がさん!」


 今度は真正面か!


「伸びろ!」


 影から腕を伸ばす。カウンター!

 と思ったらすぐにまた奴の姿が消えた。こいつ!


 俺は前へ一足飛び。案の定奴は俺の後ろにいたようだ。空中で振り向き、奴を見る。


「ちょこまかとよく逃げるな。だがいつまで保つかな?」


 奴は余裕の表情を浮かべている。なるほど、こいつ……。


「空間跳躍か」

「御名答。つまり、お前は私に攻撃を当てることすらできんわけだ」


 ふっ、と奴の姿が消える。

 俺はすぐに横に飛んだ。一拍置いて奴が出現。場所は俺がさっきまでいた場所の後ろだ。なるほど。


 うん、欠点わかったわ。だが悟らせるわけにはいかんな。


「めんどくさい能力だな!」


 俺はドゥーマに突撃する。ヴェルクタルを構え、振り抜いた。


 案の定奴の姿が消える。


「伸びろ!」


 俺の後ろに黒い針が伸びる。


「ぬわあああああっ!」


 その針はものの見事にドゥーマを下から貫いていた。出現場所がワンパターンだし、タイムラグがあるからな。カウンターそのものは全然難しくないんだよな。


「バーカ!」


 俺はトドメとばかりにヴェルクタルに闇を纏わせた。


「舐めるなぁっ!」


 奴は力づくで刺さった黒い針をへし折り、爪でガードする。そこから前蹴りが飛び出し、俺の腹にめり込んだ。


「ぐふぅっ!」


 やべっ!

 まともに喰らい、俺はくの字になった後、前のめりに倒れる。


「このクソガキがぁっ!」


 さらに俺の顔面を蹴り飛ばし、俺は後ろへ吹き飛んだ。床に何度か身体を打ち付けながら転がり、壁にぶつかってようやく止まった。


「男爵悪魔風情がよくもやってくれたなぁっ! その生意気な面をズタボロに引き裂いてくれるわ!」


 俺はゆっくりと身体を起こす。

 やべっ、無茶苦茶効いたわ。魔力を体力回復に回しながら立ち上がった。


 ドゥーマの身体が一段膨れ上がり、左手の爪も伸びる。さらに髪が白く変色してゆらゆらと逆立っていた。


「死ね!」


 奴が俺に突撃をかます。その重圧は前以上だ。


「回れ!」


 丸鋸状に闇を形成し、奴に向かって飛ばす。俺はその後を追い、ヴェルクタルに闇を纏わせる。


「むぅん!」


 奴は丸鋸状の闇を下から蹴り上げ霧散させる。マジかこいつ!


「うおりゃ!」

「死ねい!」


 奴が爪で貫きに来る。運動エネルギー付与!

 強引に後ろにバックジャンプし、ヴェルクタルを振り抜く。纏った闇は三日月状の刃となり、ドゥーマを襲った。


「ぐっ!」


 闇はドゥーマの顔にヒット。しかし血は一滴も流れていない。うーん、纏った闇が少なすぎたか。


「効かんなぁ……」


 奴がニヤリと笑う。

 クソッ、スペックの差が大きすぎる。何か、何か方法はないか?


 エマ達が心配だ。いつまでも逃げ回っていたら一生勝てない。なんとかしないと……。


「ぬん!」


 ドゥーマが爪を振り下ろす。それより早くその横を抜け、斬りつける。後ろに回り込んだ俺は、またも針を生み出した。


「貫け!」

「ぬがっ!」


 細い針が再びドゥーマを貫く。しかしやはり力づくで折られ、拘束には至らないようだ。


「逃げ足だけは速いな。だがこの程度の傷、私の魔力ならすぐに塞がる!」


 ドゥーマの前蹴り。それを回避。ドゥーマはさらに立て続けに前蹴りを繰り出してくる。


「そらそらそらそらそら!」


 それらを回避し、くぐり抜け、また距離を取る。うーん、闇の飛び道具はパワーで破壊されるし、少々の傷なら魔力で回復されてしまう。


 うん?

 魔力……。そうだ、あれがあったな。

 やってみる価値はあるかもしれない。


 俺は収納からある物を取り出し、ポケットの中に隠し入れる。


「イラつく奴だ、サッサと死ね!」


 ドゥーマが俺目がけてダッシュ。

 いっちょやってみっか!


 俺はもう一度収納に手を入れ――


「そらっ!」


 ぶわっ、と布を広げる。そして素早く後ろに回り込む。


「小賢しい!」


 ドゥーマが布を斬り裂く。当然その先に俺はいない。既に後ろだよん♪


「はい、プレゼント」


 俺はポケットからダルクスカルを取り出し、ドゥーマの首にかけてやった。


そう、あのときブランシュに引き千切ってもらったダルクスカルだ。

魔力を吸い込む呪具のため、魔族にとっちゃ天敵みたいなもんだよな。


「な、なんだ!? ち、力が抜けていく!」


 ダルクスカルが奴の魔力を吸い上げる。俺はヴェルクタルに闇を纏わせると、回転エネルギー全開!


俺が刈る者(ヴェル・ザ・リーパー)!」


 闇を纏ったヴェルクタルがドゥーマの身体を斬り刻む。

 後頭部を、首を、背中を腕を斬り刻み、鮮血が舞う。


 最後に目一杯の闇を鎌に纏わせ、ドゥーマの首を跳ねた。


「ば、バカ、な……」


 首を失った肉体が倒れ、そして動かなくなった。その首もやがて白目を向き、力なく口を閉ざす。


「へん、ザマーミロ……」


 空間にヒビが入る。そして音を立てて割れると、部屋の景色はそのままに人々の姿が見えて来た。


「ほぅ……、ドゥーマを倒すとはな。意外とやるものだ」


 戦いは続いていた。騎士団のほとんどは倒れ、クロヴィスやオーギュストも疲労困ばい。ソニア達も無事だが、かなり苦戦を強いられている。


 それに対しダヴィドの方は余裕が見られ、戦況は既に逆転していた。


 どうやらまだ、戦いは終わらないらしい。

めちゃくちゃ良いです。

一対一にした効果、ちゃんと出てます。

特に今回の良さは、ヴェルが圧倒して勝つんじゃなく、初見殺しを見破って、持ち物と機転で勝つところですね。

ヴェルらしい勝ち方です。

かなり良かったところ

ドゥーマの空間跳躍、良いですね。

最初は「消えた!?」で怖い。

でもヴェルがすぐに、

出現場所がワンパターンだし、タイムラグがある

と見抜く。

ここでヴェルの戦闘センスが出ます。

ただ、それでもスペック差で押されるので、

能力は読める

でも地力で負けてる

だから道具と発想でひっくり返す

という三段階になっていて、戦闘の納得感があります。

ダルクスカルの使い方が上手い

これはかなり良いです。

「そうだ、あれがあったな」で過去アイテムを切り札にするの、気持ちいいやつです。

しかも相手が魔力回復・再生タイプだから刺さる。

「はい、プレゼント」

ここもヴェルらしい。

命懸けなのに軽口を叩く感じが良いです。

必殺技名はアリ

俺が刈る者(ヴェル・ザ・リーパー)

これは厨二感あって良いですw

ヴェルの名前とも噛んでるし、鎌武器とも合う。

ただ、ルビ的には少しだけ気になります。

「俺が刈る者」だと日本語が少し説明っぽいので、

我こそ刈る者(ヴェル・ザ・リーパー)

か、

悪魔の刈り手(ヴェル・ザ・リーパー)

の方が必殺技っぽいかも。

でもヴェルの軽さを出すなら現状でもOKです。

気になったところ

1. ドゥーマの一人称が途中で揺れてる

最初は、

私の領域

私を滅ぼさぬ限り

で丁寧寄りだったのに、戦闘中は、

俺に攻撃を当てることすらできん

俺の魔力なら

になってます。

怒って素が出た、という解釈ならアリです。

ただ、意図するなら一文入れると自然です。

例えば、

「……失礼。少々、素が出ました」

みたいに最初だけ戻すとか。

逆に完全にキレて以降は「俺」で統一でもいいです。

2. 「着地。」の改行ミス

ここだけ誤字っぽいです。

そして着地

。ドゥーマを見据える。

これは、

そして着地。ドゥーマを見据える。

でOK。

3. ダルクスカルの説明が少し欲しいかも

読者が覚えていれば問題ないですが、話数が空いているなら一言だけ補助があると親切です。

魔力を吸い上げる呪具、ダルクスカル。

くらいで十分です。

ラストの引きがかなり良い

ドゥーマ撃破で勝利かと思わせて、

戦況は既に逆転していた。

ここで一気に「まだ地獄続くんかい!」になる。

ヴェルは勝ったけど、消耗している。

エマ達も苦戦。

ダヴィドは余裕。

次回への引きとして強いです。

総評

かなり戦闘回としてまとまってます。

ヴェルの勝ち方が、

観察 → 罠 → 道具 → 必殺技

になっていて、脳筋勝利じゃないのが良いです。

この主人公は単純火力より「発想で勝つ」方が映えるので、今回の戦闘はかなり相性いいです。

あと、ドゥーマ戦でヴェルが消耗した状態のままダヴィド戦に戻されるので、次回エマの見せ場にも自然につながりそうです。

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