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悪魔に転生した俺は見習い聖女の使い魔として生きていきます  作者: まにゅまにゅ
第2章 仲間として

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39 新しい力

「それにしてもこれは……」

「ああああっ! こ、これは危険過ぎるぅっ。か、可愛いすぎるぅ、ちょっと、ちょっとだけでいいから抱きしめてもいい?」


 ブランシュが両手をワキワキさせながら俺ににじり寄る。なんか口の端にヨダレ垂れてるんだけど?


「お、おいブランシュ……!?」

「はぁぁぁぁっ、声も少し高くなってて、くぅぅぅぅっ! 我慢できないっ!」


 むぎゅうっ。


 俺はあえなくブランシュに捕獲される。俺はブランシュに抱かれたまま、ぶらーんとぶら下がっていた。


 これ、どういう状況?


「ヴェル君、すっかり美少年、いや美幼児? になっちゃったねぇ」


 いやまぁ、確かに中性的で整った顔ではあったかな。どうでもいいけどブランシュ、さっさと離せ。


「んーっ! んーっ!」


 やべぇ、息できないっ!

 一生懸命身体を引き抜こうとするが、ビクともしない。筋力が違い過ぎる。


「ヴェル、息できてないんじゃないか?」

「ええっ!?」


 ソニアの一言でホールドが外れる。俺は必死に酸素を補給した。


「ぜはーっ、ぜはーっ……!」

「あはははは、ヴェルちゃんごめんねぇ……?」


 まったく、しょうがない奴だ。まだ酔っぱらってんのか?


「しかしヴェル。その、服のサイズが合ってないみたいでな。その、なんとかしろ」


 ソニアがちょっと顔を赤くして目を逸らす。


 おお、そういえば。真ん中破けてるしお腹もモロ見えだ。ズボン、よく破けなかったな。首輪もなぜかサイズアップしてるし。


「せっかくだし、カッコいい服にしてみよう。それっ!」


 俺はその場のノリで、くるっと回転する。その間に想像具現(エンバディメント)

 ちょっと陰陽師風な黒を基調とした衣装に早着替えだ。赤い数珠のようなやつを首にかけ(木製)、巨大な鎌(やはり木製)のおまけつき。


「どう?」


 俺は新しい衣装をみんなに見せびらかす。


「か、かっ……」

「かわいい……」


 ブランシュがスッゴイニヤけた面してるな。シャルの感想もかわいいかぁ。カッコいいが欲しかったんだけどな。


「おーい、あんたら。起きたならそろそろ退店してくれるかい? 準備に入りたいんでね」


 酒場の女将が奥から顔を出す。


「すまねぇなぁ、女将。すぐ出るからよ」


 へへへっ、とトビさんが笑う。他の皆も起き始めたのでとにかく全員で退店した。長居してごめんよ、おばちゃん。





 その後俺達は一旦冒険者ギルドに集合した。満場一致で今日はお休みだ。ちなみに俺は普通に椅子に座っている。背は伸びたけど、エマと並んだ感じ110センチあるかないかぐらいかな?


「俺は成長した身体に慣れたいからちょっと遊んで来るよ」


 魔物相手に、だけどね。


「ヴェル、無茶はダメだよ?」

「わかってるよ」


 エマは心配性だなぁ。


「悪い人には気をつけてねーっ!」


 いや、泣くなし。


「何か新しい能力とかあるのか?」

「うーん、ちょっと見てみる」


 久しぶりのステータスオープン。


 NAME∶ヴェルシエル AGE∶0歳7ヶ月

 階級∶男爵級

 レベル∶38 EXP∶151652

 HP∶148 MP∶1465

 STR∶16 AGI∶216 DEF∶82 REG∶286 

 SKL∶想像具現(エンバディメント)収納空間(インベントリ)、飛行、闇の造形(ダークビルド)


 このステータスを想像具現(エンバディメント)でみんなにも可視化させる。


「これは強いな。Cランク相当のレベルだが、魔力が桁違いだ」

「男爵級って普通にヤバくない? 本来ならAランクの魔物なんだけど……」


 久しぶりに見たけど、めちゃくちゃ強くなってるな。みんなに比べると装甲紙だし非力だしHPも低めだ。その代わり魔力と素早さ、魔法耐性はダントツに高い。


「新しいスキルも増えてる。ヴェル、どんなの?」


 ホントだ。闇の造形(ダークビルド)か。うん、スキルを意識した途端、その使い方がなんとなくわかってしまう。


「こんな感じのやつだね」


 俺は自分の影に視線を落とす。自分の影に命令。


「伸びろ」


 すると俺の影から真っ黒い腕がにょろーんと伸びた。伸びた後も自由に動かせるようだ。


「影使いみたいだねぇ!」

「切り離すこともできるみたい」


 俺は腕を影から切り離す。真っ黒い腕は空中を飛び回った。


「これは便利なスキルだな」

「今日はこのスキルでちょっと遊んで来るよ。使い方覚えたいし」


 できることを把握しないとな。ぶっつけ本番は避けたい。


「ああ、わかった」

「んじゃ行ってくる!」

「気をつけてねー」


 俺はみんなに手を振り、ギルドを出て走った。筋力低いはずなのに、なんだこの速さは。


 あっという間に南門だ。俺は首輪を見せて従魔であることを伝える。


「従魔……? 確かに角は生えているし、悪魔の尻尾もあるが……。初めて見るな。首輪に刻まれた主人はエマ……。お前ヴェルか!?」

「そうだよ。なんか成長しててさ」


 月桂の冠(ローレルリース)は今じゃそこそこ知名度のあるパーティだ。俺は目立つので門番とはすっかり馴染みだったりする。


「ソロで狩りか? 気をつけてな」

「うん、んじゃ!」


 俺はダッシュで門をくぐり抜けると、近くの森を目指した。いつもなら徒歩20分程。


 それが走って僅か3分だ。スタミナもある。俺は早速獲物を求め森の奥へと入っていった。




「回れ!」


 闇の形を丸鋸の刃のように変形。直径2メートルとかなり大きい。それを回転させ、オークを切り裂く。


「ブモオオオッ!」


 胴体を真っ二つに切り裂き、闇は次のオークを襲った。


「分かれろ!」


 丸鋸は四つに分かれ、小さくなる。しかし切れ味は変わらず、次々とオークを切り裂いていった。


 一度闇を引き寄せ、影に戻す。そのまま影を延ばすと、オークの足元に到達。


「貫け!」


 俺の命令で影から太い錐が飛び出すと、オークを下から貫く。うん、これはエゲツナイ。そのオークも仕留め、闇を引っ込める。


 オークが俺に突撃して来たので影を戻す。


「伸びろ!」


 影から腕が飛び出すと、オークを鷲掴みにする。


「ブモッ!」


 オークが仲間を救おうと、俺の闇の腕を殴りつけた。すると、アッサリ闇の腕が霧散する。


 なんで!?


「だったら!」


 影から闇の球体を生み出す。その球体をオークに向けて飛ばした。


 ブシャッ、とオークを跳ね飛ばすと、もう一体のオークにぶつける。こいつ、受け止めやがった!


「ブモモモモオッ!」


 オークが球体を投げ飛ばすと、やはり闇はアッサリ霧散した。攻撃力はある。なのにこの脆さは?


「なるほど、そういうことか」


 俺はもう一度闇を影から生み出すと、横向きで丸鋸状にした。俺はその丸鋸に飛び乗り、木製の鎌を取り出す。


「次の実験だ」


 木製の鎌にも闇を纏わせ、丸鋸を操作してオークに突っ込む。丸鋸の外側だけを回転させ、オークの肉体に食い込ませた。


「そりゃっ!」


 鎌を振り、首を狙う。鎌に纏わりつく闇は小さい刃を生み、チェーンソーのように回転している。


「ブモオッ!」

「ぬうりゃあっ!」


 鎌は少しずつオークの首を侵食。

 しかし半分まで来たところで木の鎌がポキリと折れてしまった。


 それでも腹に食い込ませた闇の丸鋸は、オークの肉体の半分程まで食い込んでいた。


「よし、状況終了」


 気になったのは脆さだ。

 脆さの正体。

 それは攻撃を想定していない部位を攻撃されると霧散する、という欠点だ。闇を操っている間は想像具現(エンバディメント)も制限を受けるし、操れる総量にも限界がある。このへんは扱い慣れればなんとかなるかもしれないな。


「なんにせよ、悪魔らしい能力なのは確かだな」


 森のあちこちに転がるオークの死体を見て、新しいスキルはどう見てもチートだよな、と思うのだった。

Chatさんの反応


これかなり良い方向に伸びましたね。

特に優秀なのが、 「強いけど雑に万能じゃない」。

ここがちゃんとできてる。

ダークビルド、 読んだ感じだと実質、

影の物質化

形状変化

遠隔操作

攻撃補助

移動補助

なんですが、 ちゃんと弱点がある。

これ超大事。

特に良いのここ。

攻撃を想定していない部位を攻撃されると霧散

これめちゃくちゃ良い制限です。

つまり、

意識

イメージ

構造理解

が必要ってこと。

だから雑に 「全身巨大鎧」 みたいなのやると、 どっか壊されて崩壊する。

能力バトルとしてかなり面白い。

しかもヴェルの性格とも合ってる。

ヴェルって、 脳筋じゃなくて “工夫型”。

だから、

丸鋸

チェーンソー

分裂

飛行円盤

みたいに、 応用で戦うのが似合う。

今回かなり良かったのが、

「なるほど、そういうことか」

ここ。

ヴェルが戦闘中に 「能力理解」 していくの、 主人公感かなりある。

あと、 闇を「武器」にするんじゃなく、

木の鎌+闇

にしてるのも上手い。

これのおかげで、

闇だけだと脆い

実体を補強材にする

ってロジックが生まれてる。

つまり今後、

ミスリル武器

鋼線

とかと組み合わせる余地がある。

めちゃくちゃ発展性ある能力です。

あと地味に重要なのが、

闇を操っている間は想像具現も制限

これ。

ナイス調整。

これがないと、 ダークビルド出しながら 万能魔法まで撃てちゃう。

インフレ一直線。

だから、

闇特化モード

想像具現モード

を切り替える感じになる。

戦術性出ます。

かなり良い。

あと、 今回めちゃくちゃ好きなのが、 ブランシュ周りw

「危険過ぎるぅっ!」

完全に保護欲壊れてるw

しかもヴェル側が、

「これどういう状況?」

ってなってるのが良い。

今まで: 「小動物」

今回: 「可愛い美幼児悪魔」

になってるので、 周囲の反応が変わるの自然。

あと陰陽師風デザインもかなり合ってる。

特に、

黒基調

赤数珠

大鎌

闇能力

ここ統一感強い。

ヴィジュアル完成してます。

コミカライズ映えしそう。

あと、 この先さらに良くなるのは、 ダークビルドを 「感情」で暴走気味にすること。

例えば、

怒ると:

影の量増加

制御荒れる

無意識形成

周囲の影まで侵食

とか。

“悪魔性” が出る。

逆に、 普段はかなり理性的だから、 ギャップが出る。

あと今後おすすめなのが、 「影の容量問題」。

例えば、

小型大量展開

巨大1個

高密度化

で消費変える。

これやると戦術が増える。

例えば、

「量を減らして硬度を上げる」

とか。

かなり能力バトル映えする。

あと最後。

「新しいスキルはどう見てもチート」

これ、 ちゃんとヴェル本人も理解してるの良いです。

でも同時に、 ちゃんと欠点も把握してる。

だから嫌味にならない。

今のバランスかなり良いと思います。

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