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悪魔に転生した俺は見習い聖女の使い魔として生きていきます  作者: まにゅまにゅ
第2章 仲間として

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34 手詰まり

「お兄さん達こんにちは~」


 俺とブランシュでマチューに薬を卸していた奴らに接触する。


「あん? なんだてめーら」

「まぁまぁ兄貴。なかなか上玉じゃないっすかぁ」


 片方が下卑た顔でブランシュを見つめる。一番視線が集まってるのは胸のようだ。


「へっへっへっ、ねぇちゃんいけねぇなぁ、もしかしてこれが欲しいのかい?」


 男はニヤニヤしながら薬包紙を取り出す。


「うん、間違いないみたいね。やっちゃおうか♪」

「やらいでか」


 ブランシュと俺はニヤーッと黒い笑みを浮かべると、奴らの捕縛に入った。




「て、てめぇら、俺達に逆らったらどうなるかわかってんのか!?」

「そ、そうだぞ! お、俺達は泣く子も黙る闇組織『シャイターン』のメンバーだぞ!?」


 俺とブランシュにあっさり縛り上げられたまま、二人は必死に虚勢を張る。


「ほほう、どうなるか教えてもらおうじゃねぇか、なぁ?」


 そこへトビさんを始め、冒険者達が登場。冒険者って結構強面多いんだよな。屈強だし。


「ひっ……!」


 そんな連中に囲まれ、二人はキッチリアジトの場所を吐かされる。「もう許して……」と半泣きだったがシランガナ。





「よぉし、んじゃ乗り込むぞ! なるべくなら捕縛だが、自分の身の安全を第一にな。死んだら酒が不味くなる。死ぬんじゃねぇぞオメェら!」

「「「オーーーッ!」」」


 と、そのアジトだとかいう古い教会の前で全員が叫ぶ。包囲は完了。後は突入あるのみだ。


 トビさんダンカンさんを先頭に教会の扉を荒々しく開ける。


「何もんだてめぇら!」


 ご丁寧に武装したチンピラが十人程いた。ちゃんと集まってくれているようでなにより。


「ゴミ掃除に決まってんだろうがあっ!」


 トビさんが叫ぶと同時に飛び上がると、アックスを高く掲げた。


「当たると痛いよぉ? 氷結矢(フリーズアロー)!」


 シャルが冷気を帯びた矢を複数放ち奴らを牽制。その射線上にいる奴の動きを俺が念力で止める。


「う、うわあああっ!」


 カキキキキーン!


 冷気の矢が腹に当たると、そこを中心に肉体が凍りつく。凍傷は確実だな。


「オラッ!」


 トビさんの一撃で床が爆ぜ、木の板が散乱する。さらに斧を振り回すと、チンピラをまとめて吹き飛ばした。まともに喰らった奴は、鎧がひしゃげ潰れている。肋逝ったな。


「下衆どもが!」


 ソニアと剣を交えるチンピラ。しかし実力の差は歴然。あっさり剣を弾き飛ばされ、股間を蹴り上げられて悶絶だ。


 見てる俺も痛くなってきたわ。


 まぁ、ベテラン冒険者なんて戦闘のプロだからな。チンピラごときが敵う相手じゃないってことだ。


 5分も経たずに制圧完了。

 どうやらここはアジトの1つであって、本拠地ではないようだ。


「おい、貴様らのボスはどこだ?」


 トビさんがチンピラの髪を引っ張り上げ、尋問する。


「は、話せるか! 話したら俺らが殺されちまう」


 チンピラがビビりまくってるな。ボスが相当怖いらしい。


「話さなかったら俺がお前を殺す。選べ。いい返事を期待するぞ?」


 トビさんが斧を振り上げた。


「十数える内に話せ。いくぞ? いーち、にい……」


 トビさんが数を数える度、チンピラは首を振って恐怖に震える。


「さーん、はーち!」

「か、数飛んでますっ!」


 トビさんが数を間違えると、チンピラは思わず指摘した。


「あ? わりぃわりぃ。数え間違えちまったわ。うっかり次の数字が十にならなきゃいいなぁ? じゃあ、特別に最初からやり直してやろう」


 しかしトビさんに顔を近づけられ、直に脅しを食う羽目に。そして再びトビさんが斧を高く掲げると、遂にチンピラは観念した。


「話す! 話します! だからお願いやめてぇぇっ!」


 チンピラは完全にトビさんに呑まれるとアッサリ白状を誓う。


「よーし案内しろ。おい、お前ら何人かでこいつら引き渡して来い。謝礼金もらってきな」


 トビさんはなるべく低いランクの冒険者に命じると、奴らを連れて行かせる。そして残ったメンバーで本拠地へ突入することとなった。


 だが連れて来られた先が問題だった。


「おい、本当にここなんだろうな?」

「本当です! ここが俺らのボスの本拠地なんです!」


 俺らが連れて来られた先。

 そこはどう見ても貴族様の邸宅であった。


「なるほどなぁ。カリスト男爵っていやぁロクデナシの腹黒貴族とは聞いていたが……」

「突入して証拠を見つけられなかったら死罪か。せめてこいつの言っていることが本当かどうか、判別できるといいんだがな」


 確かにこれはリスクが高すぎる。


「チッ、気に入らねぇがここは引くしかねぇようだな」

「うーん、そうだねぇ。もっと証拠が必要だねぇ。教会に残ったメンバーから何か証拠が押収できていればいいけど」


 トビさんが言うようにここは一旦引くしかなさそうだ。


「でもこのままじゃ終わらない。まだ手はある」


 もし、力を借りられるのであれば。

 確実な決定打を生む方法が1つだけあるのだ。


「何かあるの? ヴェル」

「うん、エマ。問題は力を借りる以前に会えるかどうかなんだけど」

「え、それってまさか……」


 俺の一言でそれが誰かエマにはわかっただろう。王族の能力情報なんて本来は機密事項だろうが、ここにいる皆は口が硬い。


「うん、セラフィーナ王女殿下の鑑定なら製作者の情報も手に入る。それに賭けるのが現実的だと思う」


 王女は違法薬物組織を壊滅させたがっている。会うことさえできれば力を借りられるかもしれない。


「だから、俺一人で王都まで行ってくるよ」

Chatさんの感想


これ、かなり「物語が一段階上に行った」感じありますね。

単なる“街のチンピラ退治”で終わらず、

教会アジト

貴族邸宅

証拠不足

権力

王族協力

まで繋がったので、 世界の裏側が見え始めてる。

しかも今回かなり良いのが、 「勢いだけでは解決できない」 ってちゃんと描いてること。

ここ大事。

冒険者達は圧勝なんですよ。

チンピラ瞬殺

教会制圧

尋問成功

ここまでは“力”で行ける。

でも。

「突入して証拠を見つけられなかったら死罪か」

ここで急に現実が来る。

つまり、 相手が“貴族”になった瞬間、 ルールが変わる。

これが世界観としてかなり良い。

しかもヴェルも、 「じゃあ突撃だ!」じゃなく、

セラフィーナ王女の鑑定に賭ける

って結論に至る。

ここ、ヴェル成長してますね。

初期ヴェルなら、 たぶん感情で突っ込んでた。

でも今は、

証拠

権力

立場

正当性

を考えてる。

王都編経験した成果がちゃんと出てる。

あと今回、 トビさん達が本当に良い。

特にここ。

「死んだら酒が不味くなる。死ぬんじゃねぇぞオメェら!」

めちゃくちゃ冒険者っぽい。

“綺麗事じゃない優しさ” なんですよ。

「仲間を大事にする」 を、 酒の味で表現してる。

こういう台詞、 世界に生活感出ます。

あと好きなのここ。

「いーち、にい……」 「さーん、はーち!」

笑ったw

しかもこれ、 ただのギャグじゃなく、 トビさんの怖さ出てる。

本当に怖い相手って、 “理屈が通じない感じ” あるんですよね。

チンピラからしたら、 「次マジで十来るかも」 って恐怖になる。

地味に尋問シーンとして上手い。

あと今回かなり効いてるのが、 ブランシュ。

「うん、間違いないみたいね。やっちゃおうか♪」

この子、 戦闘時だけ急に治安悪くなるの好きですw

しかも今、 パーティ全員が 「ヴェル側の倫理観」 に寄ってきてる。

つまり、 エマを泣かせた奴は許さない。

この共通認識が出来てる。

だからパーティの一体感が強い。

あと今回、 「薬物組織壊滅編」として構成かなり上手いです。

流れが綺麗。

マチュー発覚 ↓

売人捕獲 ↓

アジト制圧 ↓

貴族に繋がる ↓

証拠不足 ↓

王女再登場

これ、 どんどん段階上がってる。

しかもセラフィーナ再登場が自然。

“便利キャラ再利用” じゃなくて、

鑑定能力

違法薬物捜査

ヴェルとの縁

全部既に撒いてある。

だから伏線回収として機能してる。

あとラストも良い。

「だから、俺一人で王都まで行ってくるよ」

これ、 ちゃんと“不穏”。

しかも今の流れだと、 読者側も分かるんですよ。

「絶対一人じゃ済まねぇ」

ってw

たぶん、

セラフィーナ

貴族

薬物組織

暗殺

裏社会

全部また絡む。

ここから“王都闇ルート編”に入りそうな空気が出てる。

かなり連載感あります。

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