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悪魔に転生した俺は見習い聖女の使い魔として生きていきます  作者: まにゅまにゅ
第2章 仲間として

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22/48

22 軽蔑

「悪いけど却下!」


 俺は問答無用で山賊二人を念力で持ち上げる。


「うわわわわっ!?」

「そりゃ!」


 俺は山賊二人を回転させ、周りの山賊にぶつける。


「のわーーっ!?」

「ぎゃふっ!?」


 山賊たちが悲鳴をあげると、ソニア達が動く。


「総員容赦するな、かかれ!」


 ソニアの号令で皆が動く。俺は馬車の幌の上に乗ると、近づく奴から念力で持ち上げて投げつける。


「ちっ、やるしかねぇ! いくぞ」


 ロジェ達も動く。


「きゃあっ!」


 山賊がエマの手を掴んだ。

 俺の中で何かがキレる。


「エマに触れるな!」


 ゴキン!


「ぎゃああっ!」


 念力で山賊の脚があらぬ方向に曲がり、倒れる。


「てめぇら動くな! 動いた奴から脚の骨を折る」


 俺は声を張り上げた。脚の折れた山賊を目にした奴は躊躇するが、ロジェ達の方は全然だ。


「むぅん!」


 大男のナゼールは斧を振り回し山賊どもを蹴散らしていく。ロジェもなんだかんだで山賊には遅れを取っていない。しかし数の暴力に押されているようだ。


「ちっ!」


 ロジェが山賊に蹴りをかます。しかしその蹴りを受け止められてしまった。


「ばーか!」


 山賊がニヤリと笑う。


「むん!」


 ゴキン!


 その山賊の腕があり得ない方向に曲がる。いやこれ強いわ。10秒もあれば関節を折れるみたいね。


 しかし数が多い。エマとシャルは近寄られたらアウトだ。だからこそエマは防壁(プロテクション)で山賊の攻める方向を制限させ、シャルが近寄らせないよう魔法で攻撃をしている。


氷結烈砲(アイスバースト)!」


 シャルが殺意高めに魔法を放つ。その射線上にいた山賊は軒並み凍りついた。あんなん喰らったら低体温症を引き起こしてお陀仏だな。


 女性陣は自分を守るためにも必死だ。烏合の衆とはいえ、リーダーはそれなりに格があるはず。そいつを捕まえれば、奴らもおとなしくなるかもしれない。


「ちっ、おめえら撤退だ!」


 そう叫ぶ山賊が一人。こいつがリーダーか!


「逃がすか!」


 俺はそいつを念力で持ち上げる。


「な、なんだぁっ!?」

「お前ら全員動くな! 動けばこいつの首の骨をへし折る」


 俺は大声で言い放つ。これなら聞く気になるだろう。


「お、お頭ぁっ!」

「まずは脚だ」


 俺は容赦なくお頭の脚を折る。ゴギン、と鈍い音がした。


「ギャアアアアッ!」

「次は首を折る。全員武器を捨てて投降しろ。逃げた奴も殺す」


 俺は冷たく言い放つ。これでも見た目は悪魔だからな。脅しくらいにはなるだろう。


「あ、悪魔かよ……!」


 全員が武器を捨てる。向こうはまだ半分近く生き残っていた。死なずに済んだのだから、俺に感謝してほしいところだ。


「よし、全員後ろ手に縛り上げろ」


 ソニアが命じる。俺は縄を取り出すと、ソニアに投げた。

 縄、足りるかな?


「必ず小指同士を合わせて縛れ。かなり抜けにくくなるはずだ」


 ロジェ達も縛り上げるのを手伝い、生き残ったのは17人。うち8人が骨折、死にかけが2人。この2人はもうダメだろうな。


「でもこれどうする? 負傷者運ぶのって結構大変なんだけど」


 脚の骨折ってるからね。到底歩ける状態じゃあない。


「仕方ない、頭目だけ連れて行く。後は放置して街の兵士に連絡だな」

「置いてくのかよ!」


 ソニアの提案に山賊達から非難の声が上がる。気持ちはわかるけど、実際どうしようもないからね。


「次の街まで4時間だ。運が良ければ今日中に迎えが来るだろう」


 ソニアが冷たく言い放つ。


「魔物が来たらどうすんだよ!」

「何人かは餌だな。来ないことを祈ってやろう」


 実際連れて行く方法がない。歩ける奴は引っ張って行けばいいが、怪我人全員馬車に乗せるの無理だし。


「なら歩ける奴は連れて行く。ただし、全員二列に並んで首に縄をかけるからな。遅れず付いて来い」

「頼むぅ、俺達も連れて行ってくれぇ……」


 ソニアが妥協案を示すと、怪我人たちが必死に訴える。


「ふぅ、仕方ないな。ヴェル」

「はーい」


 俺はリアカーを取り出すと、一人一人そこへ乗せる。七人か。結構ギリギリだ。これ、俺が運ぶんだけど保つかな?


「言っておくが、魔物が来ても優先的に守ることはしない。私達はあくまで依頼人の護衛だからな」


 ソニアがピシャリと言い放つ。

 これで機嫌を損ねたら、本気で置いていかれる。それがわかっているのだろう。


「はい……」


 盗賊達は仕方なく頷くしかなかった。


 その一方でロジェはバッの悪そうな顔をしている。最初に降参を申し出たのだ。無理もないだろう。


「ロジェ。なぜ降参を口にした?」


 ビクッ、とロジェが身体を震わせる。


「降参すれば私達がどうなっていたか、わかるよな?」


 ソニア、めっちゃ怒ってる。無理もないよな。見捨てようとしたんだから。


「……悪かった。別にいいだろ? 勝ったんだし……」


 ロジェは目を合わせずに俯く。その言葉に力はない。


「見下げ果てたものだ。こんな男に言い寄られていたかと思うと虫唾が走る」


 ソニアはそれだけ言い捨てると、パトリスさんの方に向かった。


 一方でナゼールはエマに治癒魔法をかけてもらっている。


「そ、その、ありがとう」

「いいんですよ。頑張りましたね」


 エマがニッコリと微笑む。ナゼールは完全に鼻の下が伸びていた。

 なんかムカつく!


「エマー、俺も頑張ったよね?」

「うん、ヴェルは凄く頑張ったね。ありがとう」


 エマが俺の頭を撫でる。

 俺はナゼールに向かい、勝ち誇ったように笑ってみせた。

Chatさんの反応


これ、かなり良い回です。

特に、

「ヴェルが本気で怒った」

のが効いてる。

今までのヴェルって、

コメディ

発明

工夫

優しさ

寄りだったんですが、

今回、

「敵には容赦しない」

が出た。

しかも理由が、

「エマに触れるな!」

これ。

めちゃくちゃ強い。

ここで読者は、

ヴェルにとってエマが“地雷”

だと理解する。

かなり大事。

しかもいいのが、

殺してない。

脚を折る。

関節を潰す。

脅す。

これは、

“悪魔らしい暴力”

なんですよ。

でも、

一線は越えてない。

ここがヴェルらしい。

あと今回かなり好きなの、

「悪魔かよ……!」

の反応。

これ良い。

読者もたぶん、

「いや怖ぇよ!?」

って思ってるから。

特に、

「次は首を折る」

ここ。

ヴェル、 完全に冷徹モード入ってる。

でも読者が嫌悪しにくいのは、

“エマを守るため”

だから。

このバランス上手いです。

あと、

シャルの殺意高い問題

ちょっと笑った。

氷結烈砲アイスバースト!」

軒並み凍りついた

いや普通に怖い。

でもここ、

「女性陣は自分を守るためにも必死」

が入ってるから成立してる。

これ大事。

単なる残虐じゃなく、

「女冒険者が山賊に捕まる恐怖」

が背景にある。

だから読者も納得できる。

あと今回かなり良いの、

ソニアの怒り。

「見下げ果てたものだ」

これ重い。

しかも、

“静かに怒ってる”

のがいい。

ここで怒鳴らないのがソニア。

本気で軽蔑してる。

だから、

「虫唾が走る」

が刺さる。

ロジェかなり効いたと思う。

しかもロジェ、

言い返せてない。

ここ重要。

もしここで、

「でも人数差が!」

とか言い訳すると、

本当に小物になる。

でも、

「悪かった」

って言ってる。

つまり本人も、

「自分がダサかった」

わかってる。

だからまだ救いがある。

あとナゼール。

こいつ良い味出してます。

エマに治療されて、

鼻の下伸びてる

これ人間味ある。

しかも、

「戦いではちゃんと頑張った」

から嫌味にならない。

だからヴェルの、

「なんかムカつく!」

が可愛い嫉妬になる。

ここで空気が少し和らぐ。

良い緩急。

あと今回うまいの、

「山賊をどう扱うか」

がちゃんと現実的。

普通この手の作品って、

全員殺す

全員捕縛

になりがち。

でも今回は、

「運べない」

問題がある。

これリアル。

しかもソニア、

完全に冷たいわけじゃない。

歩ける奴は連れていく

リアカー出す

妥協してる。

でも、

「優先は依頼人」

は絶対曲げない。

これが冒険者感ある。

あと地味に好きなの、

ヴェルの念力運用。

もう完全に、

“関節破壊特化”

になってる。

怖い。

でも理にかなってる。

特に、

「10秒もあれば関節を折れるみたいね」

ここ。

ヴェル自身が、

「うわこれ強」

って理解してる。

このちょっと引いてる感じ好き。

あとここかなり大事。

「悪魔になりたくない」

テーマ。

エマ:

「ヴェルが変わってしまうのが嫌」

ヴェル:

「俺は俺だ」

今回: 実際かなり危うい。

つまり、

“悪魔としての力”

と、

“人間としての心”

の境界がテーマになり始めてる。

かなり良い流れです。

あと最後。

俺はナゼールに向かい、勝ち誇ったように笑ってみせた。

ここ好き。

めっちゃ好き。

ヴェル、

精神年齢ちょいガキ

なんですよね。

エマ絡むと特に。

だから可愛い。

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