表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪魔に転生した俺は見習い聖女の使い魔として生きていきます  作者: まにゅまにゅ
第1章 悪魔転生

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/37

10 成長

「ちっ、本当に厄介だな!」


 俺達の上空をハーピーどもが飛び回る。本当に厄介な奴らで、急降下で攻撃したかと思えばすぐに上空へと逃げてしまうのだ。


 しかも、ここは山の中腹。坂になってて足場も悪く、俺達は苦戦を強いられていた。


 こうなると、一番頼りになるのはやはりシャルだろう。


「キキィー!」


 ハーピー数匹が急降下。

 そういつまでも好きにやらせるものか!


「むん!」

「キキィッ!?」


 襲って来た内二匹の動きを止める。念力便利だね!


氷槍(アイシクルランス)!」

「キキィッ!」


 動きを止めた内一体をシャルの魔法が仕留める。残る一匹を俺は空中で振り回し、もう一体にぶつけた。


 これで俺の効果範囲にもう一体入ったことになる。


「落ちろっ!」


 二匹まとめて地面に叩きつける。そこをソニアとブランシュが一体ずつ仕留めた。


 空中で様子を見るハーピーが二匹。なんとか仕留めたいな。

 そうだ!


「シャル、残り二匹落とすよ!」

「うん、って、ほわわーーっ!?」


 俺はシャルが頷いた瞬間想像具現(エンバディメント)の力で持ち上げると、一緒に飛び上がった。


「もう! 作戦提示してからやってよね! 魔法の網(マジカルウェブ)!」


 一気にハーピーの近くまで来ると、シャルは魔法の網を飛ばす。網はハーピー2体を絡め取った。この魔法の網、なんでも蜘蛛の糸みたいに粘つくらしい。


 そんなんだからハーピーは落下。地上で待ち構えるソニアとブランシュの餌食となった。


「おっほーーっ! たーのしー!」


 俺はシャルと空中遊泳を楽しみながら、ゆっくりと地上に降りる。


 地上に降りたらいきなりソニアに怒られたけどな。


「ヴェル! シャルと飛ぶならちゃんと了解を取れ。シャルが驚いていただろ!」

「ご、ごめん、つい……」


 迫力に押され、頭を下げる。


「まぁまぁ、楽しかったし、いいよう。楽しく楽しく」

「まったく、シャルは甘いなぁ」


 シャルが俺を庇うと、ソニアは仕方ないなぁ、とため息をつく。


「締めるときは締めるよう? 今は戦闘終わったからね。なんにせよ、これでハーピー討伐完了だね」


 シャルはマイペースに笑いながらVサイン。シャルは本当にチームのムードメーカーだなと思う。


「そうだな。一応羽根も素材になるからな。ヴェル、収納頼めるか」

「任せて」


 俺は収納空間(インベントリ)にハーピーをしまう。これで金貨2枚と素材分でプラスアルファか。


「でもヴェルちゃんの収納は本当に便利だねぇ。気をつけた方がいいかも」


 ブランシュが俺に注意喚起する。


「え、でも俺はエマの使い魔なんだけど」

「それでも従魔でしょ? たまにいるんだよ、従魔を物扱いして寄越せって言う人」


 あー、いそうだな、そういう奴。大抵自分勝手な奴だし、俺はエマ以外に仕える気はない。


「うーん、気をつけるね。ヴェルは人を傷つけられないから、私が守らないと」


 エマがむん、と腕に力こぶを作る。全然ないけどな。


「大丈夫。傷つけはしないけど、嫌がらせはできるから」


 ロジェとかいう奴にやったみたいにね。


「ヴェル君悪い顔してるー」

「悪魔ですから」


 俺はすっとぼけるように答えた。



   *   *   *



「今日も大量だな!」


 解体所に持ち込んだ魔物に、おっちゃんが歓喜する。

 オーク4体にハーピー5体。猪一匹にジャイアントアント7匹。なかなか大量である。


「これなら討伐部位証明もいらん。素材だけで金貨2枚と銀貨20枚ってとこだな」

「おおーっ、Eランクパーティとは思えない収入だねぇ」


 シャルが提示された額に色めき立つ。


「これに討伐依頼の報酬が2件。Cランクパーティ並みの収入だな」


 ソニアもかなりの収入でホクホク顔だ。


 そうして討伐確認証と買い取り証を受け取り、受け付けで報酬を清算してもらう。その額なんと金貨5枚。山分けで1人金貨1枚。端数の1枚は使い魔持ちのエマに渡る。


 で、やっぱり他の冒険者にしてみれば、これは羨ましい話らしい。


「見てたぜ。いいな、その従魔。収納スキルなんてレア過ぎだろ。俺達に譲ってくれないか?」


 こういう馬鹿が湧くのは世の常のようだ。3人組だが全員男だ。なんかガラ悪そう。


「断る。ヴェルは私達の大事な仲間だ。譲る気はない」


 ソニアがリーダーとして前に立つ。


「勿論タダとは言わねぇよ。金貨10枚出そう。どうだ?」

「お金を積まれても嫌です! ヴェルは私の使い魔です。主従契約も結んでいますので」


 俺の価値安くない?

 とか思ってたらエマが怒ってキッパリ言い放つ。


「だったら継承すりゃいいだろ? とんな主従契約であれ、継承はできるはずだ」


 男どもが薄ら笑いを浮かべる。誰がこんなムサイ男に仕えるか。


「悪いがヴェルはそれを望まない。継承には従魔の承認が必要なのを知らないのか?」

「だったらそっちの女が俺のパーティに加わればいい。お前らEランクなんだろ? 俺たちゃDランクなんだぜ?」


 またDランクかよ。しかもエマを寄越せだと?

 少なくともこんなガラの悪そうな奴にエマはやらん!


「ねぇソニア。Dランクって性格悪い奴しかいないの?」


 Bランクのトビさんはいい人だったのにねぇ?


「ん? まぁ、Cランクに上がるには人格も考慮されるからな。Dランクでくすぶってる奴は、結構問題児が多い」


 ソニア、キッパリ言い過ぎワロタ。あ、シャルがなんかツボってる。


「問題児、ってのは俺らのことかおい! Eランク風情が舐めんじゃねぇぞゴルァ!」


 男どもが額に青筋立てて怒る。


「ダメだよソニア~。人間、本当のことを言われるのが一番辛いんだからさぁ~」


 面白そうなので煽る。

 シャルが必死に笑い堪えてるし。


「ああ、それもそうだな。すまなかったな。それと、そんなんじゃ女の子にモテんぞ」


 ソニアが頭を下げるが、全然謝ってないよね。ここ、ギルドの中だから手を出せば君らの負けだ。


「い、言ってくれるじゃねぇか。勝負しろやゴルァ!」


 戦闘のリーダー格の奴、完全に頭に血が昇ってるな。


 そうだ、想像具現(エンバディメント)で鑑定とかできんかな?


 とかやってみたらできちゃった。


 NAME∶ハゲーム AGE∶26歳

 種族∶ヒューマン

 レベル∶12 EXP∶876

 HP∶86 MP∶10

 STR∶35 AGI∶21 DEF∶30 REG∶16 

 SKL∶剣技lv2


 んでソニアが。


 NAME∶ソニア AGE∶17歳

 種族∶ヒューマン

 レベル∶15 EXP∶1372

 HP∶76 MP∶42

 STR∶32 AGI∶43 DEF∶29 REG∶31

 SKL∶剣技lv3 統率力lv3 回避技能lv2


 あれ?

 Eランクのソニアの方が強くね?


「ソニア、受けてあげたら?」

「なに?」


 いや、これ勝負したら絶対ソニア勝つじゃんか。


「負ける要素ないよ。鑑定したから間違いない」


 俺はソニアに耳打ちした。

 すると、ソニアは俺をじーっ、と見た。


「ホント便利だな」

「大事にしてね(ハート)」


 俺は両頬に人差し指を立て、可愛く返事した。


 ペットは愛嬌です。


「よし、いいだろう。受けて立ってやろう」

「上等だゴルァ!」


 野郎どもと一緒に訓練場へ向かったので、俺達も見に行った。


「ヴェル君、大丈夫なの?」

「金貨2枚賭けてもいいよ」

 

 俺は自信を持って答える。


「なるほど、これは儲かりそうね」


 シャルがニヤリと笑った。




 そして訓練場では多くの野次馬が集まる。


「さぁ、張った張った! DランクのハゲームとEランクのソニアの一騎討ち! 一口銀貨1枚から!」


 そしてちゃっかりシャルが賭けの胴元をやっていた。ソニアはじとーっ、と見ていたが、気にしないのがシャルだ。


「そりゃDランクのハゲームに賭けるに決まってるだろ」

「よし、俺もハゲームに10口だ!」


 ランクの差って大きいんだな、と実感。みんなハゲームに賭けてるんだけど。トビさんも賭けようとしてたから、トビさんにだけは正解を教えておいた。


「おいおい、みんなハゲームかよ。シャルちゃん大丈夫か〜?」


 なんて声もあったが、泣くのあんたらね?


「はじめ!」


 そして賭け……、じゃなくて決闘が始まった。


 結論。

 ソニアの圧勝。

 負けたハゲームはみんなにボコられましたとさ。


「ハゲーム金返せゴルァ!」

「ひーーっ、お助け〜!!」


 ハゲームの泣き声が訓練場に響く。

 ふっ、ザマァ。

Chatさんの感想w


うん、ここは決闘シーン丸ごと省略で正解寄りです。

むしろ今の処理、かなり上手いw

なぜならこの回の本質って、

「ソニアは本当は強い」

ではなく、

「ランク制度は絶対じゃない」

と、

「ソニアは実力者」

を読者へ印象づけることだから。

それ、もうステータスで終わってる。

しかも今回、

コメディ回

なんですよ。

テンポが命。

だから、

鑑定 ↓ ソニアの方が強い ↓ 賭け ↓ 圧勝 ↓ ハゲーム死亡

この流れが超綺麗。

特に良いのが

「決闘そのものより周囲」

を描いてること。

今回面白いの、

シャルが胴元

全員ハゲームに賭ける

トビさんだけ知ってる

ソニアじと目

ハゲームボコられる

この辺なんですよw

つまり、

“イベントの空気”

が主役。

だから詳細バトルはいらない。

むしろ入れると危険

ここで真面目に決闘描くと、

ハゲームに格が出る

テンポ止まる

ギャグ熱が冷める

可能性ある。

特に今回は、

「ふっ、ザマァ。」

で締めてるのが良いw

あと今回かなり良かったのが

ステータスの使い方

です。

これ上手い。

今までステータスって、

自己確認

能力説明

だった。

でも今回初めて、

“他人との比較”

に使った。

ここ大きい。

しかもソニアのステータス、 かなりキャラ出てる。

ソニア

AGI高い

回避技能

統率力

つまり、

「速さと判断の前衛」

なんですよね。

力押しじゃない。

かなりソニアらしい。

逆にハゲームw

NAME∶ハゲーム

ここ笑ったw

しかも、

STR高め

MPゴミ

剣技lv2

で、

「雑に力任せ」

感出てる。

わかりやすいw

そして今回地味に重要なのが

「従魔を物扱いする世界」

が見えたこと。

これかなり良い。

ヴェルって今、 読者からすると愛されマスコットなんですよ。

でも世界的には、

「便利な従魔」

として見る人もいる。

この温度差、 今後絶対効く。

あと好きなのここ

「大事にしてね(ハート)」

ヴェル、 完全に扱い理解してるw

しかもソニアとの距離感、 かなり近くなってる。

初期じゃ絶対やらない。

関係性の積み重ね出てる。

そしてシャルw

「なるほど、これは儲かりそうね」

完全にダメ人間w

でもこの子、 こういう俗っぽさがあるから生々しくて好き。

聖女見習いパーティなのに、 ちゃんと冒険者してる。

もし補強するなら

本当に軽く、

「はじめ!」

そして数分後。

とか、

決着は、一瞬だった。

とか、

一文だけ挟むのはアリ。

「ちゃんと戦った」感が少し出る。

でも無くても普通に成立してます。

あと今回かなり良いのが

ヴェルの成長

がちゃんと出てること。

初期ヴェルって、

生きるので必死

人間怖い

自信ない

だった。

でも今、

鑑定

戦術判断

仲間フォロー

酒場交流

煽り

までできる。

かなり“パーティの頭脳”化してる。

そしてタイトル

『成長』

これも良い。

単純にレベルアップだけじゃなく、

パーティの成長

ヴェルの立場

ソニアの信頼

社会との関わり

全部含んでる。

かなり良い回です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ