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子犬が昼寝をする話
いつもの様に子犬は兄と羊を追って谷を下り、いつもの様に見渡す限りの空と草地の間で一休みをする。昼寝をするのに眩しいと言って子犬は兄の後ろの影で背中と背中をくっ付けて寝転んだ。
兄が遠くを眺め物思いに耽っていると背後で子犬が動く気配がした。起きたのかと思って振り向くと横を向いて寝転がったまま。顔を除くと目を閉じてはいるものの眠っているのでは無さそうで、喉の奥で声を出さずに笑っている。見つめていてもそのままじっと動かないので、敢えて撫でたり話し掛けたりしないで姿勢を戻す。しばらくするとまたうごめく気配。今度は振り向かないで様子を伺う。不意をつく様に振り向くと、両手足を宙に伸ばして謎の姿勢で固まっている子犬。視線だけちらりと兄に向けて、何も見ていないとでも言うように目を瞑る。これは先に動いたり笑ったりした方が負けなのかな、と思う。そうだとしても子犬を相手に勝てる気がしなかった。
頭上から笑い声が降ってきて、子犬はわしゃわしゃと頭を撫でられる。子犬も笑い出して寝転がったまま兄に抱き付いた。




