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伸びの長さ
羊たちの様子を見ながら兄と子犬はひと休みの時間。草地に座る兄の膝を枕にして子犬は大の字になって寝転がる。兄は子犬のよく跳ねる赤い髪を指で梳き、頰を撫でる。気持ち良さげに伸び伸びと手足を広げる子犬を見て、兄はもっと長くなるかと思ってお腹を撫でてみる。子犬はくすぐったくて声を立てて笑い出す。
「なに?」
「お前がどのくらい長く伸びるかと思って」
子犬は何それ、と笑う。笑いながらその試みに付き合って撫でられてみるけれど、くすぐったくて伸びていられない。猫みたいには伸びないよ、と兄の腕にじゃれ付いて捕まえる。右手が動かせなくなったので左手で子犬の髪を撫でながら、直接撫でている時は長くなるのにな、と不思議そうに言う。一瞬何の事かと子犬は首を傾げて、素肌に触れられている時の事だと気付いて顔を赤くする。いつもされている事だけど、夢中だから自分がどんな姿かなんて気付いていない。けれど素肌の感覚を思い出してしまい鼓動が早くなる。その時と違うから、と涙目になって抗議する。純粋に思った事を口にしてしまっただけで困らせるつもりは無かった、と言うのは言い訳に過ぎない。悪かったと子犬に謝る。謝りながらも笑っている兄を子犬はむくれた顔で見上げて、 落ち着くまでこうしていて、と腕を抱えて横向きに丸くなる。




