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よく食べる話
子犬はよく食べる。兄はそれを見て、よく寝てよく食べて大きくなるといいなと思う。
「これもお食べ」
自分の分を差し出すが子犬は戸惑う。確かにまだまだ食べられる。でもそれを食べたら兄の分が減ってしまう。
「君も人一倍食べるくせに」
背後からやって来た幼馴染が呆れた様に言って、兄の頭に差入れの入った籠をどさりと置いた。
「悪いな」
そう言いながら悪びれもせず籠を受け取る。兄の両親が生きていた頃からの付き合いの幼馴染は、何くれとなく子犬の世話も焼いた。
「おかわりいっぱいあるよ。遠慮せずお食べ」
「うん、ありがとう」
素直にお礼を言ってにこにことおかわりを頰張る子犬に幼馴染も笑顔になる。
「良いんだよ。うんと食べてお兄ちゃんより大きくおなり」
兄も楽しそうに頷く。
子犬は自分よりずっと背が高い兄を見上げ、なれるだろうか、と思った。




