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閑話1 星のかなたに

内容的には2章から3章の間位の話です

 「凄いです!星があんなに見えるなんて!」


カチヤが興奮してるのが判るほど目の前の光景はすばらしいものだった。


ルアン王国郊外にあるロケット打ち上げ施設に隣接したRAXA(ルアン宇宙航空開発機構)の

衛星コントロール室に俺たちはいた。


今回はテレーゼやカチヤたちを連れてきているのでグリーゼとして来ている。

カチヤが星の話を聞いて是非見たいと言っていたからだ、

里に残ってもらう彼女にせめて見せてやりたいと思ったのだ。


「新婚旅行だねぇ。」と美月に言われてしまったが。


映し出しているのは、渦巻き状の星の集まり、星雲だ。

見覚えのあるこの渦巻きはアンドロメダ星雲だな。


異世界だけど、星の世界では共通の物があるということは、

ここは同じ銀河の別の星である可能性が高くなったということだ。

星座などが違って見えるのはかなり離れた場所なんだろうが、

遙か遠くのアンドロメダが同じに見えるという事は銀河は一緒ということだろう。


「でもこんな凄い物があるなんて。」


テレーゼも感心しきりだ、まあ、こちらの世界はなぜか天文学の発達が遅れていたので、

彼女たちには見るものすべて珍しいのだろう。

星雲を映し出しているのは衛星軌道上に打ち上げた宇宙望遠鏡である。

向こうの世界でヨウコが向こうの物を参考にして開発させたものを

こちらの魔法仕様に改造して打ち上げたのだ。

さすがに大きいので一台では打ち上げられず、二台に分割して宇宙でドッキングさせて完成した。

光学部分はあちらの世界の方が進んでいるらしく同じものは当分作れそうに無いようだ。


すでに、ロケットは十四号機まで打ち上げが済んでおり、導きの星もひとまずそろっていたので、

今後はこのような観測衛星や、通信、気象衛星なども順次打ち上げられていく。

向こうから持ってきたロケットだが使い捨て仕様ではなく、二段目までは再利用可能なので、

回収して工場でメンテナンス中である。

切り離した後残った魔力で落下速度と着陸場所を調節して回収し何度も繰り返して使うわけだ。

それが出来るのもこちらの魔法の力のおかげである。

発達した魔法は高度な科学と区別がつかないというところか。


望遠鏡はとりあえず遠くの共通の星雲や星を観測していって、位置関係を調べる予定だ。

「北天の蒼星」がシリウスというのもほぼ確定らしい。


神ならばその辺ははっきりわかってるんじゃないかといわれそうだが、

師匠はその辺は教えてくれなかったし、修行もそこまで行ってなかったので知らないのである。


ヨウコに聞いたが位置関係に関して考えて作ってたわけでは無いようだ、

近くの良く似た環境の恒星の周りにコピーした世界(星)を配置したらしい。

移動は転移でしていたので判らないと言っていた、

同一銀河の中だけというのは判明したからいいか。


画像を切り替えていくと、画面いっぱいに青い星が映った、

白い雲が大陸を覆い、海は蒼く輝いている、

これはもしかして・・・


「これがウエルネスト(改)の地球だな。」


ヨウコが説明する、こうして見るとなかなか綺麗な星だ、俺たちの地球よりも綺麗かも。


「これが私たちの住んでる星?」


「青いんですね。」


そう、向こうでも初めて見た人はそう言ってたね。


「もうすぐ、衛星写真とGPSを組み合わせたマップシステムが出来るからもっと便利になるよ。」


ヨウコがドヤ顔で言う、つまりグーグ○マップウエルネスト(改)版が出来るわけか。


ファンタジーな世界でも全く容赦ない女神に俺は感心するやら呆れるやらするのであった。



誤字・脱字などありましたらお知らせください。


次回投稿は7月24日19時の予定です

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