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魔法で式神召喚したら魔法少女がやってきた    作者: ソルト
第二章 異世界 流浪編
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閑話9  カチヤの想い 中編

 カチヤは里長の屋敷に着いた、屋敷前には里の者たちが集まっている、

従士長は彼らに西門に集まるように指示し、誘導するように従士たちに命じていた。

特に老人や子供・女性は魔動車に載せて先に行かせる様に指示していた。


「手伝います!」

そう言って、怪我人の手当てを始める、ヨハンは全身傷を受けており、

血止めや消毒をされていた、カチヤは治癒魔法をかけてやる。


「すまない・・・従士長、魔獣の数が半端ではありません、それとなぜか妙に統制が取れています。」


「なに?どういうことだ?」


「本来なら群れる事の無い魔獣同士が同じ方向にひたすら向っているのです、

まるで誰かに操られるかのように。」


「そのような事はかつて無かった事だな。」


「はい、ありえない事ですが自分はこの眼で見ました、後見たことの無い巨大な魔獣もいます。」


「・・・・・・」


従士長が報告を受け考え込んでいると、従士見習いのカールが駆け込んできた。


「ハァハァ、じゅ従士長、グリーゼ殿よりの伝言です、柵での防衛は不可能!西の門より逃げられたしです。」


「なんだって!」


カチヤはこの言葉を聞いて不吉な予感がした、このような事グリーゼが言って来る事は信じられなかった。


「従士長、グリーゼの言う事は正しい!直ちに避難を!」


ヨハンもこのグリーゼの伝言の意味を悟っていた、グリーゼは自らを囮にして魔獣を引き付け、

その間に里の人を逃がそうと言うのだ。


「判った、直ちにそうしよう。」


従士長は、直ちに指示を出すために門に向った。

カチヤは呆然としていた、自分はどうすればいいのだろうか?

目の前で応急手当を受けたヨハンが起き上がろうとしていた。


「ヨハンさん、まだ動いては!」


「行かせてくれ、グリーゼを援護しなくては、あいつを死なせるわけには行かない。」


「待ってください!」


「カール!カチヤを連れて西門へ行け!命令だ!」


「りょ了解!」


カールはヨハンの声に飛び上がると、カチヤの手をとり西門へ走り出した。

引っ張られながらカチヤは立ち上がり弓を担いで広場に向っていくヨハンを見ていた。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


西門に着くと魔道車が続々と出て行っていた、

荷物を運ぶトラック型の荷台には老人や女子供が鈴なりになっている。

カールはカチヤを従士長のところに連れて行った、


「カチヤ、あのトラックに!さあ!」


手を引かれトラックの荷台に載せられる、


「グリーゼ様は大丈夫なんですか?」


カチヤは従士長に声をかけるが、「あいつなら心配ない、早く行くんだ。」と言われ、

黙るしかなかった。


 トラックは止まることなく関所にたどり着いた、関所の兵士も魔獣出現に臨戦態勢である。

そのままトラックは止まらずに王都まで避難する事になった。

途中の里で水や食料の補給を受けながら数時間かけてやっと王都の傍までたどり着いた。


そこには動員された国軍が待機している場所で、彼らはそこで介抱された。

長旅でみな疲れていたのだ。


そこに、後から出発した里長たちが到着する。

どうやら、避難した者たちは落伍することなく逃げられたらしい。

軍は関所まで向う事になりここで別れた。


その後、里の者たちは王都の郊外にある軍の演習場に連れて行かれた。

ここには軍が駐屯するための兵舎などがあり、難民キャンプとして使うつもりらしい。

里人たちは軍の協力の下キャンプの整備を行っていった。

カチヤも手伝いに追われて何日か過ぎた。


あれから、里の情報は全く入ってこない、

みんな、残った従士たちのことが気になったが、

軍も関所から先に進んでいないとの事で情報は無いようだ。

魔獣が関所に来るのを警戒しているらしい。


みんな不安になりじれてきたところに、関所から連絡があった。

魔導通信によるものだったが、里より生存者が戻ってきたとの事だった。

戻ってきたのは二人で、テレーゼとグリーゼだという。


その通信内容を軍から受けた里長や従士長は複雑な顔をした。

グリーゼは判るがなぜテレーゼが一緒なのか?

彼らは真相が判らないので公表は控える事にした。


その日の夕方、キャンプの門に二人がやってきた、

門番の一人カールは日が落ちかけて赤く染まった空を背負ってきた二人に眼を疑った。

「グリーゼさん、姫・・・」


他の門番も気が付き大声を上げた、

「グリーゼ殿!姫様!ご無事でしたか! はやく、皆を呼ぶのだ!」

その声に里人は飛び出していった。

カチヤは、姉の所で幼い姪をあやしながら心は別のことを考えていた。

そこに義兄が駆け込んできた、「テレーゼ殿とグリーゼが帰ってきた!」

集まっていたものたちは一斉に立ち上がり外に出て行った、

カチヤも姪を抱いて、外に出た。


そこには、確かに居た、グリーゼとテレーゼが、

カチヤにはなぜテレーゼが一緒なのか判らなかった。

里の皆はその事に気が付かないのか?


二人は里長の所に向って歩いている、カチヤの立っている場所の前を通る。

テレーゼがカチヤに気が付き声をかける、「カチヤ、無事だったのね。」

「ええ、テレーゼ姉さまもご無事で・・・」

そのやり取りをグリーゼが見ていたが、カチヤに一礼しただけで通り過ぎてしまった。

そこで、カチヤの女としての勘が彼女に告げた、「彼はグリーゼでは無い。」

しかし、見たところはグリーゼにしか見えない。

彼女は途方に暮れるのだった。


誤字・脱字などありましたらお知らせください。


次回投稿は7月9日18時の予定です

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