第32話 夜の繁華街〜絶景の瑠璃色〜
話の内容が思い出せない方へ…
こちらを振り返って見ては…?
*特にこちら。
*ティモシーの事件→第23、24話
*倉庫爆破→第30、31話
*SUPERFEEL戦→第25〜30話
「いやぁ、それにしても綺麗だね。」
「本当だわ。とても綺麗ね。」
部屋に入ったラオンとニアは、正面の窓から見えるグレイシャーの夜景に心打たれた。
その頃、アストロはそんな2人を見て微笑んでいた。
もちろん、アストロは長い間この国に住んでいたから、この国の夜景は見慣れている。だから、2人のように驚きはしない。
でも、こうして見ると、そんなアストロもやっぱり綺麗だと感じていた。
グレイシャーの夜景は、その景色を見慣れている人に美しさを再確認させる程、眩い輝きを放っていた。
そうして夜景を見つめてから、しばらく経った頃…
何かを思い出したようにラオンが喋った。
「そういえば、ここの温泉ってすごい体にいいんだよね?」
「あぁ… そういえばそうかも。近所でも噂になってたし。」
突発的なラオンの発言にアストロは曖昧に返した。
過去にアストロはそんな噂を耳にしたことがあった。
あそこの温泉はとても体に良いという噂を。
しかし、アストロはティモシーの事件のショックから、過去の記憶が薄れているので…
曖昧にしか答えられなかった。
そこで、ニアも話に参加した。
「じゃあ、温泉に入ろう。そうすれば今日の疲れも取れるわ。
そして集合場所は、下にある食堂でどう?」
ラオンとアストロは、互いに顔を見合わせてからニアの意見に頷いた。
そうして、ラオン達は温泉に入る準備を進めた。
時は戻って… コールマンと和解した後に遡る。
ラオン達とコールマンを含むルナ・マフィアが和解した後、大忙しだった。
まず、騒ぎを聞きつけた人々が集まって、西誄網周辺は大騒ぎになった。
数分後に魔法消防士と警察官が駆けつけてきて、消火できたが…
倉庫の方は原型を留めておらず、焼け焦げた壁といろんなパイプが剥き出しになっていた。
警察官に事情を説明すると、コールマンとラオン達どちらにも責任があると言い、どちらが訴えられてもおかしくないと言い返されたが…
ラオンが父のロジャーに電話し、提示された賠償金を全額払ったことで解決した。
この倉庫がある工場を運営していたO.T.J.Groupは
『賠償金なんて本当は要りません。むしろ払いたいくらいです。これは事故でしたが、いい宣伝になりました。ラオンさん。コールマンさん。是非、アンバサダーになっていただきたい。これで我が社もアンバサダーマーケティングに手を出し、消費者に身近に感じてもらえるぞ。』
と倉庫が火事になっても、逆に喜んでいたそうだ。
ルナ・マフィアが悪党組織であるにもかかわらず…
だから今、O.T.J.Groupは、ラオン達のパーティのスポンサーになっている。
そのせいで、ラオン達が緑幻洞に着くまでに、情報は全世界に広まって…
その結果、魔王討伐を掲げているラオン達のチームが超人気になり…
魔王の味方や刺客が襲いかかってくるのだが…
それはまた別のお話。
まぁとにかく、倉庫事件はこれで解決した。
次に問題に上がったのは、ティモシーのことだった。
ティモシー・F・ホワイトは、ルナ・マフィアが誘拐していた。
その事件は、アストロが経験した最悪の出来事の一つである。
誘拐はすべてルナ・マフィアの計画。
目的はニアを誘拐した時と同じように、魔術では補えない超能力を手に入れるためだ…
アストロが真っ先にコールマンに質問した。
「ティモシーの件は… 彼女は生きてるの?
私はずっと不安だったんだよ…?」
「おそらく生きているはずだ。
しかし… 今どこに居るのかは分からないんだ…」
コールマンは不明瞭な情報しか持っていないため、そう曖昧に答えた。
それでも、アストロはそれだけで十分だった。
“生きている、どこかで“ その情報だけで旅を続ける活力になった。
アストロは一粒の涙を流した。
そんな様子を見てコールマンは続ける。
「彼女は俺らの目を盗んで脱走した。
それから行方不明になったが…
警察に捜査届が出されていないということは、きっと無事に地元に帰れたのだろう。でも、この国にはいないようだ。
引っ越してどこかへ行ったに違いない…」
「ありがとう、コールマン。旅しながら探してみるよ。」
泣きながら下を向くアストロの代わりに、ラオンがそう話して、この問題も解決した。
最後、ラオン達は薬草所に行った。
これはコンビニと同じような建物になっていて、薬草を売っている。
ここに来たのには訳がある。
それはニアとアストロの負傷を治すためだ。
数ある薬草の中で“エリクサー“という薬草がある。
この薬草は回復魔法で消費し、大体、1枚で傷1箇所は治せると言われている。
値段も安く、庶民からも愛されている草である。
ラオン達はというと…
・アストロ=腹-コールマンからのパンチ
右腕-SUPERFEELの能力
片脚-SUPERFEELの能力
・ニア=両脚-SUPERFEELの能力
・ラオン=負傷はなし
という結果だったので、合計すると4箇所怪我したことになる。
だからラオンは、エリクサーを4枚買って、薬草所から出た。
そうして、買ったエリクサーを早速使用し、ニアとアストロの傷を回復させたところで、緑幻洞に入ったという訳だ…
「よし! じゃあ行こうか? 全員、準備終わったみたいだし…」
「私について来て。何回かここ来たことあるんだ。」
温泉に入る準備を整えたラオンとニアは、以前この場所に来たことがあるというアストロに、ウキウキしながら後を追った。
久しぶりです。
今年もクリぼっちの僕です。
そろそろローズ中心の話が書けそうです!
ではまた。




