第29話 SUPERFEEL(スーパー・フィール). Ⅱ
話の内容が思い出せない方へ…
こちらを振り返って見ては…?
*特にこちら。
*フォーサイト→第26話参照
*倉庫→第28話参照
アストロとラオン、ニアの3人は、それぞれ乗っていた馬車から降りて、戦闘体制を整えていた。
それもその筈だ。さっき、この倉庫のドア付近で爆音がしたから。
普通は、大企業の工場なら、きっと近所のことを考慮している。ならば、爆音は近所迷惑になるから… そんな音が鳴るような行動はしないはずだ。
だとしたら… もう考えられるのは、コールマンの仕業という事しかなかった。
コールマンはニアを狙っている。それは紛れもない事実だ。
奴は本気で狙っているらしいから…
被害を考えずに行動するだろうという予想は、何となく考えついていたのだ。
倉庫内に緊張が走り、空気が張り詰めている。
アストロも寝起きだったが、それを察したために眠気が吹き飛んだ。
そして、ラオンとニアに囁く。
「ねぇ… 対戦は私に任せてくれない。
何となく、自信があるんだ…
ラオンはニアから絶対離れないで。お願い!」
『バゴォォォォンッッ!!』
その瞬間。ラオン達が恐れていたことが起こる。
爆音と共にその扉の前に立っていたのは、コールマン。
ラオン達は戦闘体制を整えていたので、対応はできていたが…
アストロが囁いたことには同意できなかった。
“対戦は私に任せてくれ…“
アストロを犠牲にはできないし、1人での戦闘は心配だ。
そんな考えが頭をよぎっていたので、同意し難かったのだ。
しかし、時は刻一刻と迫ってきている。
コールマンは歩みを止めずに、ラオン達のいる扉の反対側は向かう。
[アストロ1人での対戦は…
でも、ニアは守らなきゃいけないし…]
ラオンは、危険が迫っているのを知っていたが… まだ、戸惑っていた。
そこで、痺れを切らしたアストロが行動し始める。
それを見たラオンは咄嗟に動こうとするが、ニアから離れるなと言われたため、大人しくニアと一緒にいることにした。
その頃、ニアは恐怖に怯えていた。だから、ラオンが優しく見つめて話しかけた。
「安心して。僕から離れないで… 動かなければ、大丈夫だから。」
そんなラオンの言葉のお陰で、ニアは小さく頷く。
けれどコールマンは、そんなことを気にした様子もなく…
次の瞬間。先陣を切ったアストロに向かってダッシュした。
それが、戦闘開始の合図であった。
アストロは、まず最初に"フォーサイト"を使って、4秒後の未来を確認した。
そして、その景色や出来事を鮮明に記憶し、コールマンを睨みつける。
[ここで、襲い掛かるのは間違いだ。逃げるようにしなきゃな…
さっきは、それで負傷した。落ち着いて行動するのが1番だ…
きっと、こいつの能力は…]
アストロは、そう冷静に分析して、寝起きとは思えないほどジャンプをした。
そして、天井に張り巡らされているパイプに掴まり、コールマンの打撃を避けた。
だが、攻撃を避けられたコールマンはというと… 彼もまた冷静だった。
なぜかは分からない。打撃なんて避けられても良かったのかもしれない…
「攻撃を避けるなんてナンセンスだな… 臆病物の腰抜けがぁ…」
なんて言い放ち、アストロに背を向けて… ラオン達の方へと歩き出す。
日は傾き、倉庫の窓からは夕陽が差し込む。
そしてその光が、コールマンとラオン達を照らし、地面に影が浮かび上がった。
そこには恐怖に怯えているが、ラオンの言葉に忠実で、その場から動かないニアと…
恐怖や焦りの感情を無にしているラオンと、余裕そうなコールマンがいた。
未だアストロは、パイプの上にいる。
2人に距離を詰めるコールマンを、アストロは静かに睨みつけるが…
ラオンは全く逃げようとしなかった。ニアも同様に。
そこで、アストロは何かに気づき… また、冷静に分析した…
[ニアが動かないのは、ラオンの言ったことを忠実に守っているからだと思う。
なんだかんだで、ニアはラオンを信頼してる。
だからきっと…
“ラオンは何か考えがある“と思っているから、そういう行動ができるのだと思う。
だがラオン。君にはその“考え”がないんだろうな。若干の焦りが見える。
そして、ラオンも気づいているな。コールマンの能力に。
だから動けないんだ。感情に手を回すので精一杯だから…]
分析した結果… アストロは、今の状況がマズいということに気がついた。
しかし、パイプの上にいるため… コールマンを止めるのに時間がかかってしまう。
だが、アストロは諦めずに考え続けた。寝ぼけていた脳みそをフル回転させて。
「もう、お前らに勝ち目はない。大人しくニアを渡せ…」
コールマンは、ラオン達に向かって冷酷に言い放った。
しかし、ラオンは動けないので、首を振って反抗する。
その瞬間、不敵な笑みを浮かべたコールマンが、ラオンに向かって殴りかかる。
でも、ラオンは動けない。感情を外に出してしまうから…
打たれるしかないのか… そんな絶望的な状況だった時に、アストロは思い付いた。
この状況を断ち切る方法を…
そして、すぐに実行した。その先のことは考えていないようにも思えた。
だが、ラオン達を助けるためならと… その一心で行動したのだ。
アストロは乗っていたパイプから、コールマンの頭上周辺のパイプへと移っていく。
そして、次の瞬間。アストロは思いっきりパイプを蹴り、真下に落下させた。
そう。アストロが思い付いたこととは、パイプを落下させ、不注意で油断しているコールマンを潰すという作戦だったのだ。
だからアストロは迷いなく、パイプを蹴って破壊し、落下させたのだ。
落下したパイプは、コールマンだけに命中したため… ラオン達は無傷ですむ。
しかし、コールマンには命中したので… 下半身がパイプに潰されていた。
流石にこれには、ラオン達も勝ちを確信せざるを得なかった。
けれど、まだ能力は続いているので、感情を押し殺しながら、身動きの取れぬコールマンに近づいた。
これからは、敵がたくさん出てくるので…
このように、敵の能力を説明していくことになると思います…
能力名ーSUPERFEEL
能力者ーコールマン•ジェノサイド
ーー能力ーー
喜怒哀楽や苦しみ、焦り、愛情などの感情に支配されている時に、動かされた部分を傷つけることが出来る能力。
だから、何らかの感情をむき出しにしたり、その状況下に置かれていたりすると、自分が動かした体の部位が負傷してしまう。
範囲は決まっているが、範囲内の人間全員がその能力を受けるわけではなく… 対象を決めると、範囲内にいる"その対象"だけに能力の効果が現れるようになる。
ーー評価ーー
存続力 6 パワー 4 創造性 4 総合 A
ーー引き金ーー
感情に支配される。感情を外に出す。その状態で、体の部位のどこかを動かす。




