第16話 Azure Blue World
話の内容が思い出せない方へ…
こちらの話を振り返ってみては…?
*主にこちら。
*ニアの過去→第8,9,10話参照
*ニアのツンデレ発覚→第15話?参照(多分…)
リデーズ橋は約1kmほどある巨大な橋だ。
下は湖が広がっていて、点々と船などが浮かんでいる。
この湖には、かなり“青い“ことで有名で、観光客が多いからか、
今日は船がいつもより多かった。
橋自体は、金属で造られているが、随分と年季が入っている為か意外と揺れる。
そんな中、ラオンは、
[後で、この橋、造り直すように言っておこう。]
と、この国から旅立つまで、自国のことについて考えていた。
これが王子の鑑なのか…
しかし、ニアの方は、少しだけ震えていた。
そこで、気を利かしたラオンは、ニアに言った。
「怖い…? 結構、この橋揺れるしね。」
「怖いわけないじゃん…!ぜ、全然、平気だし…」
ラオンはそう聞いて、確信した。
ニアは絶対怖がっている。そして絶対ツンデレだと。
ラオンは、歩きながら頭を掻く。
[素直になってくれないかなぁ…
ツンデレも好きだけどさ…
因みに、僕は、9:1がツンデレの黄金比だと思ってます。
まぁ、とにかく置いておいて…
なんか、気まずいんですがそれは…]
そんなことを悩みながらニアと一緒に歩いていた。
残り500m、半分と言ったところか…
そこで、ラオンは気まずさから逃げるように口を開いた。
「残り500mだって…
そういえばさ、ニアが大切にしてるものって何?
なんか話すことなかったから、聞いただけだけど…」
「大事にしてるもの…?
命と家族かしら…? やっぱりあんなこと過去に経験したら…
命を大事にしたくなるわよ…」
ニアの痛々しい発言に、ラオンは地雷を踏んじゃったか?と焦っていた。
そんな時、今度はニアが質問した。
「ラオンは、何を大事にしているの?」
そこで、ニアの地雷を踏んでいないことに安堵しつつ、答えた。
「僕が大事にしてるのは…
時間と希望だね… 命も大事だけど…
僕は、命そのものに価値があるんじゃなくて…
“誰かと一緒に過ごした時間”に価値があるんだと思う。
きっと、誰かが亡くなった時に悲しんだりとか、死にたくないって思うのは、
その人ともっと一緒にいたいとか、もっと人生を過ごしたいとか、
そういう理由からだと思うんだ。
でも、それって結局、命がなくなったからじゃなくて、
時間が、なくなってしまったからでしょ。
まぁ、“相対的なもの“って言われたら、それまでだけど…
ふぅ…
あと、希望が大事なのは…
何かを信じ続ければ、それは裏切らないと思っているからだよ…
ごめん、話長くて…」
ニアは真剣に、揚げ足を取ることなく聞いていた。
そして、また沈黙が続く。
このままじゃ、だめだと思ったラオンは、
再び、ニアに話しかけた。
「えっと、ちょっと聞きたいんだけど…
なんで、ニアは僕と一緒に来てくれたの?
こんな僕のために…」
でも、ニアは黙ってしまった。
そして、しばらく沈黙が続き…
やっとニアは、質問に答えた。
「なんでだろう…
気付いたら、一緒に冒険したいって感情だったの。
本能ってやつなのかしら。
あなたと一緒に行きたかったのも事実だけど…
単に冒険がしたかったのもあるのかも…」
ラオンは、そのことを聞いて、あることを思い出す。
それは妹から言われた言葉だった。
「憧れはとめられるものじゃないんですよ…」
可愛らしい顔で言われたものだから、内容があまり理解できていなかった、
その言葉の本質が、ニアの言葉を通して分かった気がした。
[そうか… ニアをここまで突き動かしたのは、“憧れ”のお陰か…]
ラオンは、そんなことを思いながら、視線を前に向ける。
そこで、巨大な門と城下町の風景に圧倒されつつ、
後ろにいるニアの方を振り向いて言った。
「やっと着いたよ…! ここが『グレイシャー』だよ。
これで、僕たちは、スタートを切ったことになるね。」
「まぁ。そうね。少し楽しみだわ…」
そこで、ニアの方を見ていたラオンは、ニアのテンションが上がっていることに気づいて、
「素直じゃないなぁ…w」とボソッと言ったのだった。
やっと、『グレイシャー』に着いたよ…
ここまで長かった。
そして、ニアとラオンとのやりとり。
なぜか、そこに“青春”を感じるよ。
あと、短編小説を執筆しています!
この前の後書きで報告したけど…
今回のタイトルは
『Sonic Adventure』の「Azure Blue World… for Emerald Coast」
を参考にしています。




