第12話 舵をとれ
今回、前の話に出てきた専門用語があります。
・回廊巡り
→第4話参照
ニアは、またラオンに尋ねた。
「ラオン?はこれからどうするの…
てか、私はどうすればいい。」
それで、ラオンは冷静に答えた。
「うーんと、この大陸に魔王が召喚されたでしょ…
そのままにしておくと、マズいから…
*回廊巡りして、魔王を討伐しに行くよ!
いやだけどねぇ…
ニアは、どうするか自分で決めていいよ。
家に帰るもよし。ここにもう少し居てもよし。
なんでも自分の好きなようにしたらいいよ…!
もし、帰るんなら、使用人がなんとかしてくれると思うけど…」
それを、聞いたニアは一つ提案した。
「いっそのこと、私と一緒に途中まで行動しない…?
家に帰りたいんだけど、ここから1人で帰るのは怖くて…
確かに、使用人がいれば安心だけど…
あなたと一緒に、冒険してみたいの。」
ラオンは、驚いてニアを見つめた。
そして、口を開いた。
「僕と冒険って…
死ぬ可能性もあるんだよ…
それも理解して言ってるのか?
だとしたら、僕は止めないよ。
ちょうど、仲間も探してたところだし…
本当にいいのね…?」
それに、ニアは黙って頷いた。
もちろんラオンには、止める気はなかった。
そんなこんなで、ラオン達は、魔王討伐の旅をすることになったのだ。
—All For Love—
ラオン達は、旅をするにあたって、まず城の地下に向かった。
そこで、ニアに似合いそうな武器を選んで、地下から出る。
そして、次に、王室に向かった。
女王と王に、旅立ちを伝えるために…
「父さん、母さん。
このニアと一緒に、魔王討伐してくるよ。
もちろんニアは、途中までだけど…」
そこまで言うと、女王と王が口を開いた。
「ラオン。
その少女のことは、王から聞きました。
その娘を、安全に故郷に送ってあげなさい。
そして、ラオン… 絶対無事に帰ってきなさい。
これは、約束よ。」
「俺から言うことは何もない。
ただ、ラオン…
やるべきことから、目を背けるなよ。
責務は全うするのが、義務ってものだ。」
2人はそういうと、ラオンに軽くハグをした。
最後の別れにならなければ良いが…
最後に、ラオン達は玄関まで歩いた。
[無駄にでかい中庭に図書館。お世話になった、私室や王室。
その他のもの…。
全てが、良い思い出だったな。
僕は、生きて絶対戻ってくる。
それが、責務だから。]
そう考えてる間に、ラオン達は玄関にたどり着く。
そこで、ニアが何かを忘れていることに気がついた。
「ラオン!妹ちゃんに挨拶したの?」
そう言われたラオンは、慌てて戻ろうとしたが…
そこに{銀髪碧眼天然控えめ天使}が現れた。
「お兄様…!
本当に行ってしまうのですね…
ローズ、悲しいです…
けど、ニア様がついていらっしゃいますしね…!
少し安心しました。
絶対生きて帰ってきてね。」
ラオンは、妹の別れの言葉を聞いて、さらに決心した。
こりゃ、まだ死ねないと…
その気持ちのせいか、なんなのか。
ローズを持ち上げ、抱きしめた。
「お兄ちゃん、死なないからね」
そう、小声で言って、ローズを下ろした。
時間は、気づけば早朝。
明星が光に飲み込まれていく。
そんな中で、ラオン達は、玄関を出た。
ラオンは、城を振り返って一礼し…
ニアはそれを優しく見守る。
ニアは、その間、何を思ったのだろう。
魔王討伐のために命を賭けられる、ラオンの勇敢さか。
それとも、故郷を離れるラオンの心情についてか。
しかし、実際は…
[なんであんなことを言ってしまったの…!?
『あなたと一緒に、冒険してみたいの。』って告白みたいじゃん。
馬鹿ぁ…]
と、場違いなことを考えていたそうだ。
いやぁ…
ついに、魔王討伐の旅が、始まっちゃいましたね…
これから楽しくなりそうだ…
トウコウオソクナリソウ…
今回のタイトルは、
『平沢進』の「舵をとれ」
を参考にしています。




