新王
隊長の帰りを待っていると、騎士を従えて王様らしき人物がやって来た、ロイドの顔を見ると
「ロイドと言う名前からまさかと思ったが、どうしてお前がここに」
「隊長から聞いているだろう」
俺が割って入って
「あんたがロイドに頭を下げて頼めば、王都を助けてやるよ」
「貴様、王たる私に、あんたとは何事だ、無礼者」
「無礼者か、ロイドの父、前王様をだまし討ちにして、王位を手に入れた奴の息子が言うかね、そんなのがこのくにじゃあ偉いのか、実の兄を騙し討ちにする奴の息子が」
「貴様もう許さん、暴言を吐き追って、えーい、何をしている、王が侮辱されたのだぞ、この三人を捕らえよ」
王の声は聞こえているだろうが、兵士は一人も動かない、隊長の顔を見ている、隊長は首を横に振り、手で動くなのゼスチャーをしている、兵たちは頷いて、ひそひそと話をしている
「前王をだまし討ちしたとは」
「能力もないくせに、何かあると思った」
誰も命令に従わない、隊長がまえに出ると
「王様、国の為国民の為、この方たちに頼んでください」
「何を言う、お前たちの王が侮辱されたのだぞ、そんな事より早く三人を捕らえよ」
ついて来た騎士達も隊長に従って、王の言う事を聞く気配はない、見かねておれが隊長に提案する
「この馬鹿王は駄目だ、主だった貴族たちを此処に集められるか」
「今は、緊急事態です皆さん屋敷に待機開いている筈です、大丈夫来て頂きます、こういう時市民を守るのも、貴族様達の役目の筈ですから」
そう言うと部下たちに命令を出し、自分も先立って兵たちが散って行った、意外に暫く待つだけで、幾人もの貴族らしき人たちが、部下を従え集まって来た、そのなかの老齢そのなかのだが威厳のある一人の貴族が、ロイドの顔をまじまじと見ている、ロイドは苦笑しながら
「爺、久し振りだな」
そう言うと
「おお、やはりロイド様でしたか、生きておられましたか」
そう言ってロイドに抱き付いた
「爺に位は生きている事を、知らせてくだされても良いものを」
「すまん、もう、王族なんて嫌になってな、父も生きているぞ」
「何んと、生きておられる」
「でも、もうここには戻らないがな、父も俺も王族はうんざりしたんだ」
そんな話をしているが
「さて、皆さん使いの物から、大まかな事は聞いていると思うが、此処の馬鹿王は俺達の助けはいらないというが、皆さんの意見はどうだろう、国の浮沈にかかわる事だ、皆さんの代表者と話がしたい、いっておくが、使い物にならない王に替わって、貴族代表と言う事は、この国の代表と言う事になる、心して話し合い決めてほしい」
話し合うでもなくすぐに
「話し合いなど必要ない、そう言う事ならゼネル侯爵以外に適任者はいない」
「そうだゼネル侯爵」
「ゼネル様以外居ない」
そうだほかの名前が出てこない
ロイドと話していた老人が俺の前に来た
「皆の意見のようですので、不詳私がゼネル侯爵です、ロイド様から話は聞きました、どうぞバルドア王国をお助け下さい」
そう言って深々と頭を下げた、他の貴族も騎士も兵士も頭を下げている
「お前たち、何を勝手な事を、王たる私の命令が聞けないか」
馬鹿王が騒いでいるが、誰も相手にしない、ロイドがつかつかと傍によると
「ケリーいい加減にしろ」
往復ビンタを食らわせた
「俺の恨みはこれで済ませてやるが、後はゼネル侯爵に任せる」
「あれでは使い物にならない、良く今までこの国が立ち行って居たな」
「そうだ、今までもゼネル様が居たから、この国はどうにかなったが、あんな奴が王なんて、もう限界だ」
貴族たちの声だ
「ロイド様、爺はもう年です、どうかロイド様がお帰りになって、この国を」
「だから、爺、それは無いと言っただろう、其れより、栄太、魔物の事どうにかなるか」
「やって見るよ」
そう答えて、王城の一番高い屋根の上に瞬間移動する、下から
「おおーっ」
とどよめきの声がする、屋根の上に立ち周りを見回すと、魔物の海だ、ぐるりと一周すると両手を合わせ祈る
「神様、力をお貸しください」
有りっ丈の思いを込める、合わせた手に汗がにじんで来る、十分に念をため込むと、周りの魔物たちを思い浮かべる、そして
「消滅」
唱える、一瞬世界が真空状態になったように無音になる、そして間をおいて置いて辺りが急に静かになった感覚がツタわっいぇきた、魔物の鳴き声,雄叫び、足音が消えた、皆呆然として黙っている、そのうちに壁の上の兵士が叫んだ
「あれぇー、魔物が消えた、いなくなったぞ」
「そんなバカな、有り得ない」
貴族たちをはじめ、皆が壁の上に登って行く、壁の上から下を見て、そして再び呆然とする、ゼネル侯爵が慌てて壁を降りてくる、貴族や騎士兵士も津図居て降りて来た
「何んという事だ、間違いない、栄太様は神の使いだ、ありがたや、ありがたや」
そう言って地面に正座して頭を下げる、貴族騎士兵士たりもそれに倣う
「止めてくれ、俺はそんなたいそうな者じゃない、頭をあげてくれ」
「間違いありません、昔から神様は神気と言うものをおもちだそうだ、体から発っするその気にふれると魔物は、消えてしまうと言われています、一瞬にして魔物が消え去ると言う事は、神様以外考えられません」
「だから、俺は先程神様に頼んだだけだ、俺がやったんじゃないよ」
「と言う事は栄太様は神様と通じておられるのか、そんなお方なら」
まだ何か言おうとしたが
「爺、そのくらいにしておけ、栄太が困っている、助けて貰った、其れだけで良いではないか、栄太がああ言って居るんだ、栄太は俺の相棒だあまり困らせるな」
「ロイド様は、このような神にも等しいお方の相棒なのですか、なるほど其れで分かりました、バルドワの王なんてやってられませんよね、王なんてものよりずっと偉くなってしまった、分かりました、そんな方が私の後見をしてくださるなら、やりましょう、この国の事はお任せください」
「そうか、やってくれるか、では後の事は頼むぞ、落ち着いたらクロードの街に来てくれ、色々と相談する事がある
「参りますとも、ロイド様に会えるならどこにでも、えっ、クロードと言えば、あのクロードですよね都市国家として独立した、そして浮動機幹線、赤星星団と言うところが仕切っているとか、その総長がロイド様と聞きました、でしたら我が国にもお願いしたいのですが、良ろしいでしょうか」
流石、浮動機幹線の事は知っているようだが、突然の展開だ
「栄太、いいよな」
「良いよ、新王様にプレゼントだな」
「爺、良かったな、良いそうだ」
「ありがとうございます、あれが来れば国の発展は間違いない、国の隅々まで行けると聞いております」
「頑張ってくれ、他国から導入が遅れた分、俺が栄太に頼んで爺に動きやすい道具を貸してやるよ」
「それは楽しみです、私の体の事気遣っていただきありがとうございます」
「うん、他に染みにしていてくれ」
「ロイド様、ところで、この奇麗な女性の方はどなたでしょうか」
「おお、すまない、紹介が遅れたな、私の妻のシルビーだ」
「栄太様の奥様、これは失礼いたしました、今後ともよろしくお願い申し上げます」
「シルビーです、こちらこそよろしくお願いします」
シルビーが笑顔でゼネル侯爵の手を取ると
「もったいない、神様に手を触れられるとは」
「爺、普通に応対しないと損だぞ、栄太はそう言う扱いが嫌いでな、普通に接すればいいんだ」
「そんな、罰が当たります」
「しょうがないな、年寄りは頑固で、栄太勘弁してやってくれ、普通お前のやった事を見たら、人間として扱って貰えないからな」
「まあ、しょうがないが、俺は人間だぞ」
「分かっているよ」
「シルビー、帰ろうか」
「はい」
「爺、それじゃあな」
「馬車でお送りいたします」
「いや、良い、俺達は足の方が速いのだ」
「そうは言いましても、奥様もいらっしゃるし」
「お前。シルビーは俺よりずっと早く走れるぞ、本当に人間じゃないくらい早いんだ、じゃあな」
瞬間移動するわけにはいかないので、俊足で走る事にした、馬の倍くらいの速さで、瞬く間に王都は見えなくなった




