浮動機船
金があって困る国何て、考えた事もなかったが、金と言うものは使うものだ、使い方次第で生きてくる、その辺はウィンとロイドに任せておけば、大丈夫だろう、俺は最初の頃と違い、金儲けではなく、どうすればみんなが幸せになれるか、その為色々とする事が楽しくてしょうがない、今は浮動機船製造が目標だ
海への道は浮動機バスで、観光に仕事、浮動機トラックで仕事、交通量は結構多い、浮動機船が運行すれば、此処がグロージン王国の、物資の玄関口になるだろう、トンネル内は光る魔石を等間隔に配置し、曇った日の日中程の明るさはある、クロードの街は、昔の面影が無くなった、全く物の街に変貌してしまった、大都会の様相を呈してきた、王国内の有数の商会は、全て支店を持って来た、工場群は拡大する一方、観光施設も仕事で泊まる客も含め、宿泊施設が追い付かない状態だ、広場にポツンとあった駅舎も、大きな建物に替わり周りは賑やかな商店街と、貨物の取り扱い基地に変貌している、人口は二十万人を軽く超えた、交通の便は、この世界で一番だろう、浮動機のタクシー版、浮動機タクシーが何百台も走っている、浮動機関係が幾ら増えても、反重力板の反発を利用した推進力の、利用なので、地球のように公害の心配はない、空気の汚れセロだ、今の処理想の進行具合だ
いよいよ浮動機船の、一号が完成した、ジルお父さん、やってくれた、地球の船に換算したら、十万トンクラスの浮動機船を、造ってしまった、山のようだ、甲板はまるで大きなグランド、その上に上三階建てのビルが乗っている、ホテルだ、甲板の下は五メートルくらいの高さがある貨物室だ、海岸の砂の上に浮かんでいる、操船は従来の浮動機と同じだが、大きいのでハンドル操作になってしまった、大きいので蜘蛛の魔物アラクネの糸を、太めに撚ってワイヤーの替りに利用したが、長い距離の為重く、俺の提案でギヤを作り利用した、その為、レバーの動きでは足りず、ハンドルになってしまったが、大きいので小回り効かなくてもいいので、楽に操作できる
王様を招待し、乗船して貰い、貴族の殆ども随行して来たが全員乗っても、ごくわずかな部分を埋めるだけだ、初めて海に出る、動き出すと
「うをー」
と歓声とも驚きとも取れない声が上がった
「本当に、こんな大きな物が動くのだ、凄いね」
「まだ大きくできますが、この位が限度でしょう」
「これを、戦争に利用されたら、大変だね」
「ええ、乗せようと思えば、千五百人は楽に運びますからね、其処に飛行艇や、浮動馬部隊などを加えれば、今の大陸の国、全部相手にしても勝てるでしょうね」
「恐ろしい事だね」
「でも、それが戦争の抑止力になって、戦争する事が無ければ」
「そうだね、負ける事が分かっていて、戦争をする馬鹿はいないからね」
「そうなんです」
海岸にそって進んでいたが、やがて沖に向かって走り始めた、その時
どんっ、と音がして少し浮動機船が揺れた、何事かと急いで操舵室に行くと
「クラーケンが当たったようですが、問題ありません」
と言う事だった、ついて来た王様に
「だそうです」
「驚いたな、海の魔物も、この大きさでは歯が立たないか、海での大敵だった、船は魔物に沈められるが、この浮動機船だと魔物も問題ないとなると、船はもう役に立たないな、しかもこの速さは、船の何倍もの速さだね」
、「ええ、海は邪魔物が無いので、幾らでも早く走れるのです」
「陸で革命、海で革命、何処まで世の中を変えるのかね」
「誰もが幸せと思える、そんな世界にしたいですからね」
この事によって、幸せになる人が少しでも増えると良いな、そんな事を考えているうち、浜に戻るため方向を変えた
浜場に帰ると見物人から、一斉に拍手が起こった、それがどういう意味の、拍手なのかか分からなかったが、ウィンが王様を探してやって来た
「王様は本当に栄太が気に入っているんですね」
「栄太殿と居ると、飽きないね、ウィンたちは幸せだ、近くに居られて」
「幸せより、苦労の方が多いですよ、こいつの傍にいると」
「またはじまった、早くお客様たちの接待に行けよ」
「うるさい、今行くよ」
「相変わらずだね、君たちは」
「変わりようがありませんよ、ウィンみたいな奴との付き合いじゃ」
「はっはつはつ」
王様は大笑いしながら、ウィンと共に行ってしまった
「栄太さんは行かないの」
いつの間にかシルビーが後ろにいた
「俺は、ああいう事嫌いだから、お世辞の言い合いの様な場所、具合悪くなるから」
「船の中でも見学しましょうか」
「ああ、良いね行こう」
プラットホームのように、甲板と同じ高さまでのホームに、階段を使って上る、甲板に乗り込むと船員が寄って来た
「中を見せて貰うよ」
「どうぞどうぞ、御案内しましょうか」
操舵室に船員室、大きなキッチン、、一階だけ見て回った後、操舵室に向かう、先程操船していた男性が居た
「目的地まで、どうやって行くか、方法は」
「私は船乗りをしてましたので」
「ああ、其れなら問題ないか」
「ええ、、魔物の心配もありませんし、大きいだけで、この浮動機船の方がずっと楽です」
「そうか、詳しい地図が欲しいと思わないか」
「それは、あれば欲しいですよ、でも絵の様な地図では、余り当てになりませんし、今大陸中で一番上等な地図でも、余り当てにはなりません」
異空間から地図を出すと
「はっ」
と驚いて目を見張り、地図を見ている、広げると
「これは、大陸は、こんな形をしているのですか、各国の境界線まで、大陸の港が全部、これは、誰が作ったのですか、こんな正確な地図があるなんて」
、驚いている
「これをあげよう、この船に装備すると良い、其れとこれがセットだ」
二センチくらいの魔石の円盤、ポンとなげると、地図に吸い付いた
「これを剥がして、お前さんが適当に投げてみて」
男性が剥がして投げる、先程と同じ位置にくっついた、不思議そうな顔をする
「その魔石が、この船の位置だよ、この船と同期させてある」
「ま、まさか、そんな事が、本当ですか」
「大丈夫、星を計測しなくても、船の移動に伴って、この魔石は移動する、地図上のその位置が、船の位置なんだ」
「本当なら、素晴らしい、凄い事ですが」
「何度やっても同じ場所に、くっつくと言う事は、船は今そこにいるからだ、地図をよく見て、確認してみな」
「ここがクロードの街、この道を通ってトンネルがここ、そして、凄いです、本当にこの場所を指している、きりが深かったり曇った夜は、進む方向が分からなくなるが、これが有れば、凄い、ありがとうございます、これなら操船できれば、誰でもどこにでも行ける、本当に凄い」
大喜びしている、良かった、価値が分かってくれて
「それじゃあ、俺達はこれで」
「本当に貰っても」
「この船の装備品として、ちゃんと活用してください」
「それは勿論です、社長にも報告しておきます、栄太様」
「おや、良く知っているねえ、俺の名前」
「赤星の関係者で、栄太様の顔を知らなければ、会長に即首にされますよ、赤星星団の本当の持ち主は、栄太様何ですから」
「ロイドはそんな事を言ってるのか、嘘だぞそんな事は」
「本人に直接聞くと、必ず嘘だというが、それは信じるな、とも言われております、本当にそう言うのですね」
「くー、ロイドの奴」
「まあ、どうでも良いけど、これからも頑張ってください」
「頑張ります、ありがとうございました」
シルビーがくすくす笑って居る
「栄太さんのお友達は、みんな欲が無いのね、良い事は全部栄太さんのせいにするし、友達って素敵ね」
「そうじゃないよ、最終責任は俺にあると、みんなに言ってるようなもんだ」
「そう、ひねくれない、素直に、本当は良い友達ばっかりだと思って居るんでしょう」
「まあな、あいつらのお陰で、いまの俺が有るんだから」
「だったら、良いじゃない、責任云々じゃなく、友達に何かあったら、何はさておき助けるんでしょう、形はどうあれ、同じこと、貴方とウィンさん、ロイドさん、グレンさん、みんな一心同体、みたいなものでしょう、誰か一人がけがをしたら、四人全員が痛がるんだから、私が見ていても羨ましくなる」
「シルビーはあんな奴らと、比べ物にならないくらい大事なんだからな」
「ハイハイ、分かってます、でもいざ何かあったら、私と同じくらい心配するでしょうね」
所詮シルビーにはかなわない、全部読まれてる
お読みいただきありがとうございました




