海
最近ウィン、ロイド、俺達は悩んでいる、グロードの街、グロージンぷ国に進めて来た事を、大陸中に広めるには、何処の国から始めるか、どの程度、何れにしても赤星星団では,手が足りなくなって来た、とはいえ赤星星団員は三千人を超えている、が国内で手いっぱいだ、外国に展開となると、この人数の何倍必要だろうか
国外に広めるにしても、売る事はしない、あくまでも貸し出す、リースとして広める、赤星星団の手を離れ、軍用化するのは避けたい、売ってしまえば自由に改良、必ず軍用化してしまう、リースだと契約に反したら回収できるからだ
国王とも相談した、大陸の国は全部、導入を希望しているようだ、但し、国を決めるのに口は出さない、全て俺たちに任せる、許認可は決まれば出す、と言う事だった、こうしてみると今の時点で、計画が良い方向に向かって居る事が分かる、どの国もグロージン王国に敵対できない、グランバル皇国、ガルドン帝国も今となっては例外ではない、敵対し導入できなけれできなければ、その国は発展が遅れる事は事実なのだ、戦争を仕掛けている状況ではない、かと言って、今更頼みずらいはず、どう出て来るのかは見ものだ
この両国より、ロイドの仇バルドワ王国は、悩んでいるだろうと思う、他国から取り残されるのは、目に見えているのだから、国民の為にと、ロイドに会いに来るのだろうか
結局シルトニア国から始める事になった、当然と言えば当然の話だ、赤星星団が表向きも、事実上も進める事業、その星団の総長ロイドの妻ミリアの、親が国王なのだ
「悪いな、俺の個人的なつながりで」
恐縮するロビンに俺が
「何を言って居る、一番の友好国から始めるのは、当たり前の事だろう」
こんなに控え目なやつだったかな、疑いながら言った、お互い妻が絡むと控え目になるんだ
すぐに計画は実行された、まず各国に順次幹線を作る、それを繋いで、格王都の交通を確立する計画だ
二番目にジャハマ聖教国が始まった、各国ともに準備していたので、始まれば侵攻は早い、配置する浮動機の関係は製造済み、運転者の育成も準備でき、後は配置するだけだ
配置に当たって大量の浮動機を、運ばなければならない、其処で運送方法を考えた、地球では大量の自動車を、船で運んでいた、その手は使えないか、グロードの近くの森を抜けると、山脈があるそして山脈を越えると海があった、飛行艇で作った地図では、距離は百キロとなかった、海に大きな船の様な、浮動艇を作りそれで大量に運ぶ、幸いなことにどの国も、海に面した地域がある、浮動機船を造れば大量輸送が可能だ、これから大量の物流に使える、何とか方法は無いものか、浮動機船を造る事は可能か、早速ジルに相談してみよう、工場に行くと、ジルは事務所にいた、構想を話すと
「私も、それは前々から考えていたから、技術的にはすぐにでも可能だけど、問題は海まで行く道が無い、回り道したら意味がないし」
そう言われて、俺が何とかならないか、兎に角現場に行って見よう
「その辺は俺が考えてみる、製造は可能なんだよね」
「可能だ、此処である程度の物を作り、海辺に組み立て工場を作り、組み立てて海に運べば、可能だ、部品の組み合わせで、どんな大きさにでも造れるよ」
「分かった、後は海まで最短の道が出来るか、調査に行って来る」
思い立つとジッとしていられない、急いで家に帰る、急に思い立った事なので、流石にお出迎えの列はなかった、どうしてか、勝ったような気がした、ガルトが急ぎ足でやって来た、俺はニヤリとしてやった
「お早いお帰りで、どうかされましたか」
「うん、急用ができた、又暫く旅に出る」
そう言うと
「かしこまりました、用意いたします」
「シルビーは」
「中庭でございます」
シルビーは暇なとき、いつも体を鍛えている、神力についていける、体力をつけるのだそうだ、俺も最近は暇な、時にやっている、体力が上がれば、神力の効力が上がるのは確かだ、シルビーはガルドの言う通り中庭にいた、相変わらず可愛い、木剣で売りをしている、しばらく眺めていたが
「シルビー出かけるぞ」
こえをかけると
「はーい」
返事が返ってきた、何も聞かない、ただ黙ってついてくる、俺はシルビーが居れば、何処に行っても寂しくない、シルビーと一緒でなければ、何処にもいきたいと思わない、今やシルビーは俺の命と一緒だ、言葉に出しては、恥ずかしくて言えないが
「行きましょう」
腕を組んできた、早く現場を見てみたい、瞬間移動で山の麓まで移動した、麓から眺めると更に高い山更にに感じる、五千メートル、はあるだろう、この世界標高を測る事はないようなので、分からないが、正面に岸壁が行く手を阻んでいる、手前は森林だ、はばは可能だとは思うが、やるだけやって見よう、駄目で元々、岩壁に向かって立つ、シルビーは察して後ろに下がった、全身に気合を入れる、幅十メートル、高さ五メートル、トンネルの形をイメージする、山を貫通していく事をイメージして、両手を突き出す、ありったけの精神を集中して念を送る、目を閉じて祈るように
ズオーン、ゴッゴッゴッ、ズドーン低く鈍く荘厳な腹に響く音が暫く続いた
「凄い」
シルビーのつぶやきが聞こえた、目を開けてみる、目の前に岸壁ではなく、大きなトンネルが真っ暗い口を開けていた、自分で遣った事なのだが、本当に出来てしまった、そう感じると同時に、ぶるぶると震えが来た、立っている事が出来ない、思わず座り込んだ、腰が抜けそうだ、突然自分の力が恐ろしくなった、自分が自分ではないような、自分の中に何か別の者がいそうで怖い、怖い、眩暈がする、息が苦しい、暗い、寒い
「う~~~」
声にならない、唸るだけ、自分が壊れそう
なにか温かいものに抱きしめられた、シルビーのにおいがする、真っ暗闇の中、奈落の底に落ちている、その感覚が止まった、まわりが少し明るくなってきた、色がついて来た、呼吸が楽になって来た、息苦しさが無くなった、ホッとする思い出深呼吸をして目を開ける、シルビーが俺を抱きしめていてくれた、思わず抱き返し、そのままジッと抱きしめていた、シルビーがこんなにも愛しく、こんなにも心を落ち着かせてくれるとは、再認識させられた、抱きしめた腕を解くと
「ありがとう、もう大丈夫だ」
「良かった、急におかしくなるから、心配しちゃった」
「ごめん、なんだか自分の力が怖くなってね」
「何をいまさら言ってるの、今まで、いっぱい想像の出来ない事をして来たのに、私はもう栄太さんが何をやっても、驚かないわよ」
「そうか、シルビーは強いな」
「強くなんかない、栄太を信頼しているだけ」
「それはありがとう、シルビーが居たおかげで、助かったよ、やっぱり俺は、シルビーが居ないとだめだな」
「何時までも、そうだいいのにね」
「ああ、多分死ぬまで、そうだと思うよ」
「そうかな、でも、うれしい」
腕にしがみ付いて来た
地球の普通の人間の感覚では、こんなおおきなトンネル、俺が生きていた時代、建設機械、技術最高の者を駆使しても、五年十年は当たり前にかかる大工事の筈が、一瞬で出来てしまった、生前の常識から乖離しすぎていて、精神が持たなかった、気が狂う迄は行かなかったが、危なかった、取り敢えず良しとしておこう、喜ぶのは落ち着いてからだ、異空間から浮動機バスを出すと、トンネルの中に乗り入れる、そして一度降りる、入り口に向かって念を送る、樹木がトンネルを隠すように、向き直って進行方向にも、古めかしくなれ、念を送る、入り口は樹木が生い茂り、真っ暗になった、進行方向は、横も上もコケに覆われた、如何にも古いトンネルに変わった
「トンネルの向こうまで、いってみよう」
暗視を作動トンネルの中を進んで行く、苔むしたトンネルが続く、やがて前方に光が見え始め、出口が見え始めた、出口の先は絶壁の可能性が大だ、出口の手前で浮動機バスを降りて、歩いて出口に向かう、すると遠くに見える海まで道が出来ていた、平らな道ではない上が丸い、とても信じられない事が起こっていた、心太のようにトンネルから、押し出された土が、樹海の木々の中を、真っ直ぐに海まで届き先端は海の中に消えている、トンネルの長さの分だけ押し出されたのだろう、この非常識さ、もう考えるのは止めよう、全く都合が良過ぎる、こうなれば,もう、都合よくやるだけやってしまおう、やけくそになった感じだ、見えている丸い筒のような道、上が平らになるよう念を送る、一瞬で幅十メートルの、海まで続く平らな道が出来てしまった、早速その道を波うち際まで行って見る、波打ち際、海の青、砂浜の白、樹海の緑、潮の匂いが懐かしい、地球以来だ、、シルビーは初めて見るのだろう、感激のあまりか言葉を発しない
そして
「湖より広い、この匂いは何なの、地図つくりで空から見たのと、来てみるのとは違うね」
興奮し始めた
「海に来るのは初めてか」
「初めて、飛行艇で見たけど、来るのは初めて、グロージン王国で海に面した場所は此処だけだものね」
「そうだな、今まで海の無い国と同じだったんだな」
「考えてみると、そうね」
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