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栄太の漫遊記  作者: ベン マウント
47/61

王都幹線

調査は王城到着で終了したが、念の為、同じルートを戻る事にした、だが帰りは二人だけではなかった、十人の乗客を乗せていた、王様の頼みで途中各地に送る人達だ、通過の許可を早めるため、王様が手配するのだそうだ、ウィンとロイドだけでは時間がかかり、待ちきれないというのだ、計画が早くなるのは、別に悪い話ではないので、送る事にしたのだ、言われた場所に下ろしながら、帰りは問題なくクロードの街に帰り着いた

「そうか、これで一歩前進だな、ご苦労様、ギルド長もロイドも順調に進んでいるようだ」

留守居役の形になったグレンが、労ってくれた

「さあ、これからグレンも忙しくなるぞ」

「俺が何で」

「まだ、話してなかったか、全ルートの見回りだよ、起動馬が何百になるか分からんが、区間を分けて見回り部隊が無いと,高速運航が危険で出来ない、その要員の訓練だ、お前がその教育係の長も兼ねてやってもらう」

「聞いてないぞ」

「今言った」

と言うわけで、これからやる事が山積みだ、みんなで手分けして進めて貰う、当然王国からも人材が送り込まれる、浮動機、浮動馬などは、あくまでも赤星星団から、貸し出しと言う形になるが、運営は王国にやって貰う、後の細かい事は計画を進めながら、随時決めて行く積りだ、何もかもが初めての事ばかりだから、そうするしかないのだ

久し振りに浮動機、浮動馬の工場に来た

「シルビー」

エリートとシルビーが抱き合って居る、家にはまだかえってないが、帰って直接ここに来たので、久しぶりに会う

「ただいま帰りました」

ジルとエリーに挨拶する

「お帰りなさい、無事で何よりだ、まっ、最初から心配はしてないがね」

ジルがそう言うと

「うそ、幾ら強い二人でも、何があるか分からないと言って、心配していたじゃない」

「ばか、其れは、なんだ、言って見ただけだ」

「本当かしら」

エリーにからかわれている」

「そんな事より、栄太さん」

「息子になったんだから、栄太で良いですよ」

「そう言うわけには」

「他人行儀で嫌なんですよ」

「そうかぁ、其れなら、栄太、エリーと研究して新型を作ってみた、ちょっと来てくれ」

そう言って、工場に隣接した、格納庫の方に歩いていく、黙ってついていくと、見た目はほとんど従来と変わらない、浮動機バスがあった

「まずは乗ってみてくれ」

言われてシルビーと一緒に乗り込む、エリーも乗って来た

「俺と、エリーで考えた新型だ」

自動で開く格納庫の扉を開ける、新型と言う浮動機バスを、前進させて格納庫から出す、乗り心地も変わりない、が、何か変だ、上昇しているような気がする、上に見えていた工場の屋根が、下に、見えるようになり、そして見えなくなった

「これは,地上高が上がった」

「そう、長い間は無理だが、一定時間上昇できる」

「凄い、凄すぎる」

「相談しないで悪かったが、飛行艇用の粉を少しつかわせてもらった」

「そんな箏、良いですよ、でもどうやったんですか」

バスの横、下、を見て、両側を」

言われて窓から下を見ると、両側に短い翼のようなものがあった

「あれを、普段は収納しておいて、段差などあった時に、出して上昇させて乗り切る、段差が下の場合は衝撃なく降りられる」

「素晴らしい、多少の段差は問題ないが、大きい段差は対策しなければと思って居たのです、ありがとうございます、良かったぁ、これで、一気に問題が解決した」

「良かった、喜んで貰えて」

「喜ぶなんてもんじゃないですよ、流石です、お父さんお母さん」

「ちょっと、えっ、え~、お父さん、お母さん~」

「えっ、可笑しいですか、シルビーの親だから、良いんですよね」

「良いんだけど、なんか、栄太さんに言われると、なんか、なあ」

エリーも頷いている」

「まあ、慣れてください、これからはお父さん、お母さん、ですからね」

「分かったよ慣れるようにする、驚いて忘れるところだったが、もう一つ、考えた事があったんだ」

「良く分からないが、浮動機バスが馬車のように、すれ違う事もあるよね」

「勿論ありますね」

「その時、これとこれを考えたんだけど」

小判のようなものと、小さな円盤だった

「これは、これ同士が一定の距離に近づくと反応する、こっちは反発しあって、絶対にくっつかない」

「何んというか、俺が悩んでいたことを、知っていたんですか」

「何時か、話している時に、言ってたじゃないか、安全のためにはこの二つが必要だと、試験の結果は、俺の考える範囲では満点だったが、栄太さ、栄太の考えではどうか分からん」

「ありがとうございます、勿論これを付けた浮動バス、あるんですよね」

「うん、あるよ、二台」

「早速、見せてください」

「一台はこのバス」

浮動機を格納庫に戻らせた

「あれがもう一台だ、合図を決めれば、狭い場所は上下でも、すれ違い出来る、一台が上昇し一台が下を通ればいいわけだ」

「そうですね凄い事だ、しかもこれを張れば、絶対にぶつからない、ですね」

「そうだよ」

そうだよ、ってさりげなく言って居るけれど、凄いわ、うちのお父さん、お母さん、感激

試験は満点、言う事が無い、反応する魔石の増減によって、対向車に反応する距離が変えられる、もう一つは浮動機バスの周りと上下部分に張っておけば、磁石のプラスとプラス、マイナスとマイナスは、反発しあってくっつかない、これと同じような原理で、正面からぶつかり合っても、するりと交差してしまって、衝撃が無いのだ、もしもの時のシートベルトは必要かもしれない

これで、安全についても、問題なくなった

今使用しなくても、将来的に何台あっても、足りないから、浮動馬、浮動機関係のバス、トラックは、フル稼働で生産して貰う、副産物の飛行艇用の粉も、今ある飛行艇の大きさなら十艇分以上溜まった、そこで秘密裏に飛行艇も製作してもらうよう依頼した、工場は当初の三倍以上の大きさになっている、従業員やその家族が殆どだが、街の人口は十倍になっている、街の結界も面積は五倍になった、幾ら広く結界を張ったからと言って、俺には身体的にも精神的にも、何の消耗もない、だが結界の効力は絶大だ、完璧に侵入不可能にできる、ドラゴンでも破るのは無理だろう

いまだに不思議に思うが、俺の神力は枯渇する事は無いのだろうか、最近はチャッピーに相談する事もないが、魔法の場合は魔素とか魔力とか消耗するという、限界があるのだ、だが俺には魔力が切れて倒れるとか、具合が悪くなるとか、そう言うものがない、この力で一体、俺に何をさせようというのか、こんな底知れない力をくれて、何の使命も課題もない事の方が不安になるが、其の事にも慣れてしまった、果たして、其れで良いのだろうか、俺だけが消滅して終わるなら良いが、今まで俺が影響を及ぼした人々まで、及ばないかそれが心配だ


王都までの交通ルートが完成した、名前は王都幹線とした、勿論、王都直行便と言っても、途中に駅のようなものは作った、乗り降りできるように、通過するルートは、浮動馬に乗った見張り要因が、絶えず見回って安全を確保している、念話を変換して、声で通信できる装置も備えた、各車両、浮動馬それぞれから通信可能だ

大型は百人くらい乗れる浮動機バスを使用、これを一日何往復かさせる、可能な数を順次増やしていく

「第一便に王様が乗り、クロードまで来ることになっている、発着場所は街の中には、人口が増えて無理になった、門の近くに駅のようなものを作ってある、線路があるわけでは無いので、広場の様な所に、待合室と職員が詰める、建物があるだけの粗末な駅だ、其処から街の中は、小型の浮動バスが運行している、此処も結界で守られている、行く行くは此処が街の中心になるだろう

一番目の浮動機バスの到着を待っている、一応地ならしをして石畳を敷いてあり、プラットホームに使う台車が並んでいる、だがそれだけだ、何れ此処も賑やかな街並みに、変わる事になるだろうが、今は何だかさみしいものだ、地球の駅と感覚的に比べてしまうからだろう、だが人だけは凄い、この街の大半が来ているのだろう、広場を埋め尽くしている、、将来的にはこの場所全体に、屋根を付けて全天候型にしなければと思う

もう間もなく到着と言う連絡が入った、到着場所の最前列にウィンを始め街の顔役たちが並んでいる、逃げようとしたが、俺そもその列に強制的に並ばされた、ウィン曰く

「お前が居なくてどうする、王様は軽んじられたと思うぞ」

だそうだ、そんなこと気にする王様じゃないが、俺が居ないのは気にするかもしれない、仕方ないから並んでいる

浮動機バスが入って来た、浮いている高さにプラットホームがある、浮動機バスが止まると、両側から挟むように移動する、出口と同じ高さで、降りるは楽に乗り降りできる

王様が降りて来た、ウィンが近寄って何か言って居るいる、其れから歓迎の言葉に答えながら俺の傍まで来た

「栄太殿、ありがとう、お陰で、国の中が便利になった、今後ともよろしくお願いする」

両手で握手に答える

「俺は、大したことは、ウィンたちを褒めてやってください」

「いやいや、栄太殿が居なかったら、実現できなかった」

「其れより、王様にもっと驚くものを、差し上げますから、楽しみにしていてください」

小さな声で耳打ちする

「えっ、これ以上があるのか、信じられない」

「まあ楽しみにしていてください」

きっちり定員の百人を乗せて来たそうだ、全員が降りて、何台かの小型の浮動機バスに、分乗してギルド本部兼市役所に向かう、王様と来たのは、全員王国関係者だという事だ、俺の苦手な歓迎会が始まるようだ、出来るなら俺は遠慮したい処だが、無理な話だろう

王様の歓迎会は、大貴族と呼ばれる人たちは、殆ど来たらしい、ダラム公爵の件があるからだろう、全員が、俺の所に挨拶に来た、名前はほとんど覚えていないが

街始まって以来の盛大な、お祭りの様だ、周りに人が居なくなったので、シルビーに目で合図を送り、会場を抜け出した、暗がりから声がした

「久しぶりだな、栄太、すっかり大物になっちまって、まあ、地竜を倒すのを見た時から、わかっちゃいたがな」

「おおっ、ゴルド、本当に久しぶり、如何してた、冒険者やってたか」

「ちぇ、これだ、知らねえのかよ、グレンに言われて、浮動馬部隊に入隊しているんだぜ」

「ええー、そうか、知らなかったな、グレンはなにも言わなかったぞ」

「そうなのか、まあいいや、偉くなっちまって、俺みたいな小物、お前には関係ないものな」

「おい、何ひがんでいるんだよ、俺は、そんな大物じゃないし、大体お前は俺の家は知っているだろう、たまには遊びに来いよ、お前は俺の数少ない友達だぞ」

「そうは言うが、お前の家って、あれは家とは言わねえよ、お屋敷じゃないか、気軽に行けるかよ」

「何言ってるんだ、俺の家だよ、遠慮なく来いよ」

「そうですよ、栄太さんはウィンさんとグレンさん、ロイドさんしか、友達はいないと思って居たけど、ゴルドさんが居たなんて、是非、遊びに来てください」

「奥様か、ありがとよ、今度行かせてもらうよ」

「そうだ、今度じゃなく、今、これから来い、一度来れば慣れるだろう」

「お前、そんな急に」

「良いから来い」

シルビーは俺の意図を理解して、ゴルドの向こう側に行くと、ゴルドを挟んで連行する

「お前ら、夫婦は息が合ってるな」

「当たり前だろう、夫婦なんだから」

強制連行で家に着くと、中が何故か物々しい、騎士などが居る

「お帰りなさいませ、ご主人様、王様が今夜お泊りになるそうです」

「何でここなんだ、宿泊所は用意されている筈だぞ」

「王様がどうしてもここに泊まると、言われたそうです」

王様がここの経費を、払ってくれているのだから、断れないけど

「また、我儘を言って居るんだ」

そういっていると

「栄太殿、迷惑か」

後ろから声がした、王様だ

「迷惑じゃないけど、急すぎるでしょう、俺は慣れているけど、うちの従業員達が疲れちゃうよ、王様の相手なんて」

「王様と思うからいけない、栄太殿の友達と思えばいい」

「王様を友達と思えなんて、その方が難しいよ」

「そう言うものか」

「そう言うものですよ、兎に角お入りください」

「そんな、迷惑そうに」

「文句言わないで、入ってください、但し本当に友達扱いですからね」

「うん、それでいいですよ」

黙って聞いていたゴルドが

「やっぱり、付いてくるんじゃなかった、帰るよ」

「馬鹿言え、今日は止まって行け」

「とんでもない、王様と一緒何て、眠れないよ」

王様がゴルドに興味を示す

「栄太殿、その人は」

「俺の本物の友人、ゴルド」

「ええー、私は偽物の友人ですか」

「王様と友人に等慣れる人はいません」

「何んと悲しい事を」

ダイニングのソファに座る

「ゴルドは、例の地竜を討伐した時の仲間ですよ」

「おおっ、あの地竜の時に一緒だったのですか」

「それより、おつきの人達はだいじょうぶなの」

「栄太殿の所が一番安心なのは、皆分かっているから」

「あ~あ、可哀想に、みんな大変だよな、我儘な王様の世話は」

「いや、私は世話がかからない方だと思って居るよ」

「王様に本当の事なんか言えないよ」

「そんなものかな」

「そんなものです」

「栄太、王様にそんな口を聞いて大丈夫か、大貴族でもそこまでは」

「ゴルド殿と申されたな」

「はい、ゴルドと申します」

「栄太殿の友人と言うので、お話ししますが、実は極わずかな人間しか知らない事だが、この国は二度に渡って栄太殿に救われているのです、だから私は、栄太殿に王位を譲るから、変わってほしいと頼んだのですが断られました、ですから実際にこの国で、一番偉いのは栄太殿なのです、私は今後、栄太殿の言う事は、全て聞き入れるつもりですし、だから、友人同士仲良く行きましょう」

ゴルドは驚いたり、困ったり忙しい

「王様、冗談はそのくらいにして、休んでください」

「決して冗談で言ってませんよ」



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