領主より偉い村長
十人の騎士が馬に乗って、歩兵が三十名ほど、その先頭にジルド男爵だろう派手な鎧姿の男だ
浮動機バスを発進させる、高速で近づき停止させると、ドアを開けて飛び降りる、村長さんが鼻血を出して倒れている
「大丈夫ですか、あんた、何で戻ってきた、殺されるぞ」
「大丈夫、この程度の虫けら共なんて」
「なにお、貴様、あ、昨日の」
俺を指さして
「あいつです「、昨日の奴です」
ジルド男爵は浮動機バスの方を見ている
「ほう、良さそうな乗り物だ、私に似合いそうだ、其れは私が貰ってやろう」
「何を馬鹿が、悪徳貴族に、ゴミ一つやらねえよ」
そう言うと、表情が変わった
「貴様、私に逆らったら、どういう事になるか、教えてやりなさい」
騎士達が剣を抜く、ドスン、バタン、
「ぐえ~」
男爵たちの後ろから音がする
「私の存在を忘れているわよ」
一人の兵士を蹴とばす、兵士は前の騎士に体当たり、二人重なって倒れる
俺は手刀真空切りを使って、男爵、騎士達の鎧を切り裂く、ちょっとは切り傷を付けるがしょうがない、シルビーは歩兵たちを薙ぎ倒している、剣を使うと死んでしまうので、殴って回っている、端から倒れ気絶していく
男爵と騎士達は、切り裂かれた鎧が、体に纏わりついて動きが怪しい
「くそ、金属の鎧が、何故、どうして紙のように切れるのだ」
戦意喪失している
「お前ら、戦う気があるのか」
男爵から順に往復ビンタを食らわせていく
「貴様、良くもこの私を」
怒りに震え俺を睨んで来る
「何か文句があるか」
もう一度男爵の両頬を平手で叩く
「貴様、くそぉ」
滅茶苦茶に剣を振り回している、鎧は脱げ落ち、服だけになっている、その服を切って行く、振り回す刀が当たらないので焦っている、服もだんだんちぎれて、裸状態だ、騎士達も邪魔な鎧の切れ端を脱いで、服だけになっている、すかさず、全員を裸にして行く、懸命に剣で俺に切りかかるが、空振りするだけで、服を切り裂かれていく、見たくもない無様な男の裸、騎士達も剣を振り疲れて、立っているだけになってしまった
「お前ら、何をしに来たんだ」
全員が最後に残された、パンツが落ちないように抑えている、何とも情けない無様な姿だ、答えがない
「全員裸で、なんだって、貴族様だって、見にくい裸の親父たちの、どれが貴族様だっけ」
からかって言ってみる、すると男爵が
「貴様、こんな事をして後がどうなるか、分かっているのか」
「ああっ、分かっているよ、お前は階級剥奪、平民に落ちるのだ、覚悟するんだな」
「何をたわけた事を、私の父は侯爵だぞ、貴様ごとき平民が」
「その弛んだ腹の裸でいばってもなぁ、貴族なら何をしても良いのか」
「貴様、まだ分からないか、お前は貴族にこんな事をして、大罪を犯したのだぞ」
「分かってないのはお前だ、それじゃあ、俺も良い物を見せてやるよ」
そう言って、異空間から、王様に貰った短刀をだして、男爵に見せる
「俺は、王様の相談役だ、お前の言う事と、俺の言う事、王様はどちらを信じるかな」
まじまじと俺の持つ短刀を見ていたが
「貴様、何処でそれを」
「王様が俺にくれたんだよ、相談役になるとき」
勝手に、相談役になってしまったが、王様は返って喜ぶだろうな
「しかし、私の父は侯爵だぞ」
「公爵様でもどうだろう、こんな不詳の息子の味方をするようなら、危ないと思うよ、それじゃあダラム公爵、それじゃあって知ってるな」
「知っているよ、あの人を知らない貴族なんているわけない」
「同じこうしゃくと言ってもお前の親より格上だろう、そのダラム公爵が、この間俺と喧嘩をして、家名断絶になったぜ、お前の父はダラムより偉いのか」
「なにい、其れは本当か、ダラム公爵が、そんな事有り得ない」
急に勢いがなくなった
「本当だ、間違いないぜ、大人しく帰って調べてみろ、今日はこの位で勘弁してやるから、この先領民を虐めてみろ、お前の首は胴と離れるぞ」
「そんな話信じられないが、今日の処は帰ってやる」
「そうか、そうしろ、俺の名は栄太だ、覚えておけ」
男爵は引き上げて行った、敗残兵の様集団で、其れを見送りながら村長が
「栄太さんとやら、先程の話は本当ですか」
と聞いて来た
「ええ、本当の話です、大丈夫、もう心配ない」
「本当にそうだと良いのだが、そんなにうまい話が有る訳ないし」
呟いている、聞こえているよ、まあ、簡単に信じられる話じゃない、納得しないのは無理もない話だ
「大丈夫、暫く落ち着くまで、こちらに滞在しますから、心配しないで」
「はあ、其れなら安心ですが」
まだ半信半疑の様子だ
それから三日ほどが過ぎた、俺は暇だったので村に結界を作るため、結界石を作り、シルビーと配置して回っていた、そこへ村長が跳んできた
「栄太さん男爵が来た、偉い低姿勢で気持ちが悪い、俺に村長さんて言うんだよ、何でさん付けになるの」
村長の家に来ているらしいので、付いて行くと男爵が畏まって座っていたが、俺の顔を見るなり、土下座した
「先日は誠に申し訳ない事をいたしました、お詫び申し上げます」
「おや、偉い貴族様が、平民に頭を下げて良いのですか、しかも土下座何て、何の冗談でしょうか」
「許してください、栄太様、ダラム公爵の事は、本日王様より、通達が届きました、栄太様のおっしゃる通りでした、謝ります、どうか許してください、父にもお咎めが無いよう、どうか、どうか、なお願いいたします」
「さあ、どうしよう、出来の悪い息子をこれまでかばって来た、諫めようともせずに、そんな人間が貴族の上の方に居て良いのかな」
「心を改めます、もう決して領民を苦しめません、ですから、許してください」
「村長、如何する、許してやるか
村長に振ってみたが、村長には判断する事が大きすぎて、言葉が出ない
「都へ行こうとして、帰って来ない者たちがどうなったか、聞いてからにするか」
男爵に聞いてみる
「それは、そのう」
「どうなったか知らないか」
「はい、その三名は父の所に、逃げたら親族を殺すと脅かして、預けてあります」
「預けてあるとは」
「・・・・・」
「そのような事をするものを、お前なら許すか」
「・・・・・・」
「これで決まったな、お前の父共々、王様に委ねよう」
「そこを何とか、許してください」
床に額を知りつけている、王様に又仕事を増やしても悪いか、しょうがない、此処は俺の判断で処理するか、殺されて居なかったから、許すとするか
「すぐに三人を連れ戻せるか」
「はい、すぐに連れてきます」
「そして三家族に、相応の金を払え、其れと今後、俺は村長と時々会って、様子を聞く、村長がジルド男爵は駄目だと言ったら、それで終わりだ、勿論村長の身にに何かあっても終わり、だから村長を大事にしろよ、しょうがない、今回は村長に免じて、特別に許してやる、感謝しろよ」
「ありがとうございます、村長さんもよろしくお願いします」
村長が困惑している
「そんな、如何すれば、困ります」
「兎に角、三人を早く戻すよう、手配しなさい」
「分かりました、すぐにいたします、よろしくお願いします、其れでは」
そそくさと帰って行った
「栄太さん、あんな事、困ります」
「何言ってるんだ、ああしなければ、あんたの身が危ないだろう」
「ええ、そうですか、そうですね、まあ、そうなんですけれど」
「領主より偉い村長何て、あんただけだよ」
「それはないよ、ハあ~、嫌な事になったなー」
「じゃあ、元に戻った方が良いのかな」
「いやあ、それは困る」
「だったら頑張るしかないよ、其れと言っとくけど、俺は結構忙しいから、此処になかなか来られない、だから、俺には時々会っているように、あいつが来たら言ってくれ、そうでないと効き目が無くなるぞ、分かって居るよね」
「王様と友達では、忙しいだろうけど、たまには顔を見せてくださいよ」
「分かっているよ、出来るだけ顔は出すつもりだから」
何とか解決したから、そろそろ出発する事にする
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