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栄太の漫遊記  作者: ベン マウント
28/61

ガルトラの惨事

翌日、いよいよ作戦実行の準備に入る

何よりもシルビーの安全から、晴れてないかもしれないが、結ばれたことは事実、と言う事は俺の能力殆どコピーできる、出来るだけしておく

次は、ロイド、戦闘モードが時限付きで渡せるようだ、指輪に込めよう、念話と戦闘モード、念話は常時だが、戦闘モードはその都度、俺が念を込めなければならない、これを念話と同じに離れていても、遅れるように工夫した、もともとSS級の腕だ、一人で一個中隊を相手に、簡単に勝てる強さだそうだが、今回は、まず三人だけで始める、だから用心には用心を重ねる

紹介の裏庭に出て

「ロイド、この指輪は俺との通信と、力を一時的に渡す道具だ、いつも嵌めていてくれ」

ロイドは言われたままに指にはめる、念話で話す

『聞こえるか』

「ああ聞こえる」

声に出して言っている

『声に出したら、もし敵前で打ち合わせるとき不味いだろう』

俺も声に出して言った

慣れだな、慣れてくれ」

「了解、なんか奇妙な感じだが、慣れればだい丈夫だいだろう」

「次は戦闘モード、闘気を纏ってくれ、これも指輪から送れるようにしたから、離れ居ても作動出来るぞ

「なにぃ、俺も使う事が出来るのか、本当か、やった、おまえは、そうか、うん、良し、やったぜ」

訳の分からないことを言って、興奮している

「本当だよ、良いか、送るぞ」

「良し来い」

大袈裟な動作でかまえた

「はぁ~、周りの音がへんだ、物が、鳥が止まって浮いているぞ」

興奮して、おかしな動作で周りを見回している、俺が通常のまま手刀をお見舞いする、すると避けながら消えた、ロイドは俺の後ろにいた

「これじゃあ勝てるわけがないわ、相手が止まっているように見えものな」

「そうだ、体が異次元に置かれるから、相手に攻撃はできるが、攻撃されてもも無効になる、汚れも飛んでこない、附かないから、防具は一切必要無い、瞬時に作動するから、必要な時俺に念話しろ、稼働の念を送る、その時点から、あんたの体は安全な異次元にいどうする」

「何と言う非常識な力だ、俺には考えも及ばない力だ、もし、これが悪用されたら止めようが無いな」

「心配ない、悪い事には作動しないよ、良い事に非常識な力だが、正直、俺にもこの力の源は分っていない、恐らく神様だろう、どんな神様か、分からないが、そうとしか思えん、だから魔法と言っているが、魔法じゃない、発動するのに魔法陣も詠唱もいらない、あえて言うなら神力とでもいおうか、神の力だと思う、だから間違った使い方をしたら、恐ろしい罰が下るだろう、俺はその事を心して使っている、まあ、こんなところだ、ロイド、この事を話したのはお前だけだ、だから胸にしまっておいてくれ、お前を信じているから、一生の友として決めたから、だから、これからも、よろしく頼む、それから、今後も俺の力は魔法と言う事にしておくからな」

「信じてくれてありがとう、俺も一生の友と思っている、分かった、俺から人に話すことは、ぜったいにしない、其れと、こんな途方もない力を、ありがとう」

「うん、どういたしまして、これからは友達と言うよりも、相棒だな」

「うん、いいね、相棒」

顔を見合わせて笑う、今まで黙って聞いていたシルビーが

「私も居るんですからね、男二人で何かに酔っているように、私を無視して」

「無視なんてしてないよ、心配するなシルビーは相棒なんかよりも、ずっとずっと大事ななんだから」

「すぐにこれだ、ちぇっ、すぐにこれだ、俺の感激を返せ」

ロイドが不貞腐れた真似をするので、シルビーが嬉しそうに大笑いしている

「さて、作戦だが」

作戦会議が始まった、三人だけでこの王都を攪乱してやろう


兵士が三人市中見回りなのだろう、目の前を歩いている、その先を老婆が歩いていた、兵士が追い越そうとして老婆と接触したのだろう、フラフラとよろけていた

「邪魔だ、どけ」

老婆を突き飛ばした

「申し訳ございません、すみません」

突き飛ばされて転んだが、慌てて座り直し、土下座して謝っている

「お前のような年寄りは、何の役にも立たないんだから、俺たちの邪魔をするんじゃねえ」

そう言って立ち去ろうとした

「年寄りには優しくするもんだぜ、大体お前らが当たったから、ばあさんがよろけたんじゃないか、お前らが謝れよ」

その声に兵士たちは立ち止まる、声のした方を見ると、仮面をつけた男が立っている

「何だ貴様、公務の邪魔をしたのを、見逃してやったのだ、文句があるか」

「威張り腐って、お前ら誰の為に見回っているんだ、公務ってなんだ、市民の為じゃないのか」

「そうだ、市民の為だ、こうして我らがいるお陰で、ガルトラの街は安心して暮らせるのだ」

「安心ねぇ、その兵士が、年寄りを突き飛ばす、見ていた同僚はそれを何も言わずに見ている、この街では兵士が市民をいじめるのが、当たり前か、怖いねこの街は」

「何をごちゃごちゃ言ってる、仮面などつけおって、怪しい奴、詰め所迄来い」

「仮面をつけちゃいけない決まりでもあるのか、こんなのばかりかガルトラの兵ばかりか、くだらない屑の集まりじゃねえか、誰が行くか」

「貴様、生意気な、こうなれば、力ずくでも」

「出来たらな、ほら、三人一度に掛かっておいで」

三人が逆上した顔で剣を抜く、一斉に切りかかるが、一瞬男の姿が消えたように見えた

「くそっ、どうなってる」

カシャン、カシャン剣が石畳の上に落ちる音がしている

「ほら、どうした、剣を落としてどうする」

三人は何が起きたか分からないまま、慌てて剣をひろいあげて、仮面の男に向かおうとするが、なぜかまた剣を落としてしまう

ロイドはご機嫌だった、権力をかさに着た馬鹿たちを、甚振るのが楽しい

「剣も持っていられないのか、どうした、かかってこい」

三人とも固まっている、相手の力が自分達では、とても手に負えないことが分かった

「力ずくで連れて行くんだろう、さあ、連れに来いよ、来ないなら、こっちから行ってやろうか」

そう言って、ゆっくりと近づいていく

「よせ、来るな」

腰を抜かしたのか、石畳の上にへたり込んで、腕を上げ手の平をこちらに向け叫んでいる

「来るなだぁ、命令か、まだ命令できる立場なんだ、じゃあ」

「待て、来ないでください」

「馬鹿野郎、か弱い年寄りには威張って、不利になるとそのざまか、三人であの人に謝れ

「えっ、謝れって、、えっ、、なんで」

「まだ分からんか」

歩みよると、屈んで一人の兵士を睨めつける、いつの間にか、周りは黒山の人だかり、其処へ十人ほどの兵が人混みかかき分けて、駆けつけて来た

「どうした、何があった」

「あいつが、俺たちに手向かってきて」

一人の兵士が俺を指さしていった、それを聞いたリーダーらしき男が

「そこの男、詰め所迄来てもらおうか」

「嫌だね、こんな腐った兵士ばかりの詰め所なんか行ったら、俺迄腐っちまう」

落ち着いていたリーダー格の男の顔が急変した、額に血管が浮いている、怒りも顕わに

「この男をとらえろ」

怒鳴った、一斉に兵士達が周りを取り囲むが、そこ迄だった、ドカッ、バサツ、グエツ、いろんな音と呻き声が聞こえたと思ったら、一瞬の間に全員が石畳の上に転がっていた、その場に立っているのはロイドだけだった、何もなかったように歩き出す、群衆は唖然とした顔で見送る、路地裏の人目が無い所迄行くと、急いで物陰に入り、マスクを取り、わざわざ目立つよう着ていた、赤色のマントを裏返し、地味な灰色の面を出して着直す、そして次の獲物を探して歩きだす

「全くこの力は凄いぜ、敵だったらと思うとぞっとする」

ニヤニヤしながら呟く

一方栄太は仮面をつけて、わざわざゆっくりと歩いている、後ろから二十人ほどの兵士が、隊列を組んで進んでくる、市民は端に避けて見送っているが、栄太は除けもせず、ゆっくりと歩き続ける

「其処のもの、端に寄れ」

「嫌だね、そっちが避けて行けよ」

「貴様、ガルドンの兵士を愚弄するか」

「はい」

と答えると、面食らったように目を見開いている、我に返ると

「今何と」

「だから、はいと言ったんだ、おまえらを馬鹿にしていると」

そう言ってニヤリとする

「この者を捕らえろ」

怒鳴るように言う、一応訓練はしているようだ、見事にに囲まれた、蟻のはい出る隙間もない、普通そう表現される状態だ

「大人しくついてくるか」

「付いていけば、良い事でもあるか」

あくまでも、からかってみる

「良く、この状態で、落ち着いたものだな、此処までさせたのだ、良い事がある訳はなかろう、思い知らせてやる」

「じゃあ、行かない」

「何をいつまでもたわけた事を言っている、この囲みを破れると・」

・最後まで聞かずに

「うん、簡単だ」

一瞬、姿がブレた、目の前から消えた

囲みの外から

「どうだ、簡単だろう」

「何時の間に」

「こんなのろまなのが、揃って街を歩いて、人を威圧して歩いて、楽しいか」

「威圧などしていない」

「馬鹿か、事件も何もないのに、隊列を組んで練り歩き、街の人の生活の邪魔をして、、それで良い気になっているだけだと、どうして気がつかない、哀れだな、威光だけを振り回したい、馬鹿な王様の家臣は」

「我が国の偉大なる王様を貶める、その言葉、許せん、この男を捕らえろ、殺してもかまわん」

結局は、こうなる、地面に兵士の哀れな姿が、、いくつも転がる事になった、予定通りに

シルビーは酒場に来ていた、こういう場所は、クロードでも入ったことはないが、兵士たちの溜まり場だという酒場で、食事もできると言う事で、冒険のつもりで、また、社会勉強のつもりで来てみた、栄太の妻になった時、其れだけで体も心も、何があっても守られている、と言う感じが凄かった、怖いものなしだ、だから、こんな場所でも来られたのだ、念話でここに来ている事を伝えると

【そんな、男ばかりの、危ない、すぐに、俺も行くから】

大慌てで念話してきた

【今日は、一人ずつ行動でしょう、私が大丈夫なのは分かっているでしょう】

そう言うと

【でも何かあったら】

【何かが無いようにしてくれたんでしょう】

【そうだが】

まだ、ぐずぐず言っていたが、了解させた、栄太以外私に敵うものはいないのに、でも嬉しかった

仲は想像通り、どのテーブルも、男でほぼ埋まっていた、二人ほど女性がいたが、いかにも男勝りという雰囲気を醸し出している、念のため最初から仮面をつけた、か弱そうな女が入って来たのだ、服装はこの街の一般女性と同じだが、目立つ事この上ないだろう、テーブルを一人で占拠するのは、申し訳ないのでカウンターに座る、オーク肉のステーキを頼み、料理が来た、此処までは何事もなく済んでいる

「よう、姉ちゃん」

来ました、定番

「こっちに来て、一緒にどう」

「いえ、食事がすんだら帰りますから」

「ちょっと、良いじゃないか、うちの隊長が連れ来いって、俺の立場も考えて、そうでないと隊長に何を言われるか、頼むよ」

良いですね、紳士的に来られたら後がやりずらいけど

「貴方の立場何て、私には関係ないですから、それに、そんな下らない人が隊長」

「何だと、人がしたでにでてりゃあ、良い気になって」

いいです、良いです、本当に脚本でもあるみたい

「あっちに行って、料理がまずくなる、あんたの顔を見ていると」

凄い怒ってる

「女だって容赦出来ねえ、こいつめ

殴り掛かってきた、料理をもって身をかわす、男は力余ってカウンターに突っ伏している

カウンターの空いた部分に移動し、何食わぬ顔で食事を始める

「貴様、もう許せん」

掴みかかって来たが、又も身をかわされて、今度は床に倒れ込んだ

「うっとうしいわね、食事ができないじゃない」

涼しい顔をして別の場所で食べ始める、その時

「もうやめとけ、お前の敵う相手じゃない」

無視していると

「お嬢さん、ずいぶんと舐めた真似をしてくれるね」

「えっ、そう来たんだ、常識ある人間だったら、部下が悪い事をしたら、上司は謝るでしょう」

「女でも、この街で私たちに逆らえば、どうなるか、教えてあげよう」

「ちょっと待ってよ、逆らうって、黙って言う通りにしろって事」

「そういう事だ」

「はあ~、部下が部下なら上司も上司ね、最低最悪の軍隊だ、こんなのが戦争で役に立つの」

「言わしておけば」

突然剣を抜くと切りかかって来た、剣を持つ手をてがたなで打つ、ついでに足首も蹴った、両方骨折する程度に

「が~」

床に転がって、悲鳴とも苦痛とも言えない声をあげ、折れた個所に手を当てている

酒場中の客が唖然としている

部下たちらしき連中の、テーブルをみながら

「武器も何も持っていない、しかも女に向かって剣で切り付ける、この馬鹿の仲間はあんたたちよね、相手にならないと思うけど、かかってらっしゃい、腰抜けの集まりだから、剣を使っていいわよ、こっちは素手で相手してあげる、それとも、仲間がやられても、知らんふりするほど腐った集団かしら」

がタンガタン音がして、殆どの客が立ち上がる、こうまで言われては、関係する者は知らん振りできないだろう

「店を壊しては悪いから、表に出ましょう」

先に立って表に出る

「さぁ、かかってらっしゃい、何時でもいいわよ」

暫く躊躇しているようだったが、意を決したように一人が切りかかってくると、次々に切り付けて来た、全員もれなく片手片足を折って差し上げた、酒場の前は、転がる兵士たちで戦場のようになっていた、酒場に戻ると涼気を払いにカウンターに行く、マスターは後ずさって、恐ろしいものを見る目でみている

「貴方には何もしないから」

そう言って涼気を払うと、まだ痛みでもがいている男を一瞥して店を出た




ガルトラの街は大騒ぎ、街中にいる兵たちが何者かに負傷を負わされ、犯人を捜索に出た兵達も負傷、その日出勤していた兵で、街に出た者は全員が負傷して、街に兵が一人も居なくなった、治安兵が居なくなったが、だが犯罪を行うものは、何者かに負傷を負わされ、縛られて罪状をかいた紙を貼られ、道脇に転がっていた

翌日も兵たちは街に出ると、負傷させられ、犯人を捜しに行った兵達も、ケガをして、帰る羽目になった



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