俺、兵士と馬を見る。
駐車場に近づいて行くと、甲冑を身に纏った兵士達が馬に乗っていた。
「あ、隊長! お帰りなさいませ」
「うむ。待機ご苦労であった」
兵士達は馬から降りると、規律正しく背筋を伸ばした後、俺の父親に敬礼をした。
兵士たちの数はパッと数えて、15、6人という所だった。そしてその後、俺はこの世界の馬を見た。
「う、うわあ。で、でけえ」
まるで、カバと馬を足したような体型の馬だった。まさに重戦車とでも呼べそうなその生物は俺のいた世界の馬の身長とカバの太さを兼ね備えていて、こいつに襲われたら生きて帰るのは不可能だ、と思わせるだけの迫力があった。そして、一番驚いたことが、もう一つあった。それはその馬の背中に翼が生えているということだった。
つまりの所、この生物は俺の元いた世界でいう所の架空の生き物ペガサスみたいな存在なのだ。額に角はないが、翼が生えているという点で共通している。っていうかこの馬跳べるのか? どう考えても、この巨体で空を飛べるとは思えなかった。
「この馬、空飛べるの?」
「いや、飛べない。昔は飛べたらしいのだが、今はどうやら飛べないようだ」
「あー、やっぱりね」
飛べない鳥、鶏みたいなものか。ちっ、驚かせやがって。というか、期待させやがって。俺は少しだけがっかりした。
「兵士達は俺の父親ほどではないが、皆屈強な体をしていた。甲冑越しにだが、その鍛えられた肉体が伝わってくる。でも皆頭に兜を被っていたので、顔は見えなかった。だから父親と同じ種族なのか、それとも俺と同じ種族なのかは分からなかった。
兵士達が馬にまたがると、最後に父が俺を抱っこして自分のお腹に置いた。
「行くぞぉおおおおお!!」
「おおぉおおおお!!!」
父の掛け声に呼応するように、兵士達が叫び声を上げた。
そして、手綱を引くと、馬が走り出した。
ドスンドスンドスンドスン!!
強烈な振動音が耳朶に伝わる。
想像通り、いや想像を遥かに超える、足音だ。しかし、コンクリートは全くひび割れる様子はなかった。
コンクリートを眺めていた俺に、父が話しかけてきた。
「どうした、コンクリートばかりを見て」
「いや、このコンクリート丈夫だなって、思ったんだ」
「ああ、これか。このコンクリートはこの馬が乗っても壊れないような特別性のコンクリートだ」
「へえ、そうなんだ。気になったんだけど、この馬の種類は平均すると体重は何kgぐらいあるの?」
「この馬か、この馬の種類は平均すると十トンぐらいあるな」
「十トン!!」
「ちなみに今俺達が乗っているこの馬はサラブレッドでエリートの馬だ。体重は十五トンばかしある」
「オーマイガー!」
あまりの衝撃に俺は神に祈った。




