俺、自分の仮の名前を考える。
「では、早速先生の父親の救出に向かいたいと思う。いいな我が息子よ」
「うん。でも、俺に名前がないのがちょっとだけ不満だなあ。我が息子って、名前で呼んでほしいよ」
「そうか。では、この旅限定の名前をつけるというのはどうだ?」
「この旅限定? っていうことは仮の名前っていうこと?」
「ああ、そうだ。どんな名前がいいぞい? 希望があったら言ってみるぞい。検討してみるから」
「うーん。強そうな名前が良いなあ。ただ強いだけじゃかくて、知性もあって、若干のずるがしこさも要素として欲しいなあ。悟空とクリリンとピッコロが好きだから、ゴリリンかピッコロリンがいいかなあ」
「素敵な名前じゃないか」
お父さんが感心した様子で言った。
「ええ、素敵なチョイスね。流石私の息子だわ。で、どっちにするの? ゴリリンか、ピッコロリン」
「うーん。悩むなあ。ゴリリンだとゴリラみたいだし、ピッコロリンだとピンピンころりん、みたいな響きだしなあ。ああ、そうだ。俺フリーザも好きだから、ゴリーザにしようかなあ。でもそれだと更にゴリラ要素が強くなるし、略してゴリザにしようかな、それともゴリリンを略してゴリン?」
そこまで言った時、俺の記憶の一部がふと甦った。ゴリン、ゴリン……。五輪。そうだ、オリンピックだ、俺の最後の記憶はリオオリンピックだ。で、卓球で準決勝団体でドイツと闘って、二勝二敗の所までは覚えているんだよなあ。あと、愛ちゃんが勝てば決勝進出という所までは覚えているんだよなあ。あの後の結果はどうなったのだろうか。気になるなあ。でも俺のいるこの世界は、その時から、どのぐらい時間が経ったのかは分からないしなあ。なんせ俺死んだのだろうからなあ。輪廻するまでどのぐらいの時間がかかるのかなあ。考えれば考えるほど、どつぼにはまって行く。それとももしかしたらこの世界は俺がいた世界が滅びた後に、また一からやり直して出来た。新たな文明なのだろうか。
そう思って、俺は地球と同じがどうかを空を見て確認した。
空には衛星と思しき物がパッと見4つぐらいあって、ああ、やっぱりここは地球じゃないなと俺は再確認、再認識した次第であった。




