180.
180.
皆(妖精さん達も)でプリンをたくさん食べたあと(カイ兄ちゃんに分けてもらったりしてない副賞がまだまだある)、お腹いっぱいでダイヤと戦うこととなった。
「カルロさん、工具ありがとうございます。どこからこの石調達したんですか?」
「勝手に混ざってたんだよ。ランクも高いもんじゃねーしな」
ここからは主にカイ兄ちゃんのお仕事。
ぼくとレモ兄ちゃんは次の宝石を見てたり、ボケーっとしてたり。
「あ、そうそう。レモ兄ちゃんあのね今朝起きたらいきなりルーチェの声が聞こえなくなって姿も光になってたの!」
「うーん、俺は作業場以外はそうだから何とも言えないなぁ。ここは大騒ぎだよ?プリンの赤ちゃんの宝石の近くだとそうなのかな~?」
そっかぁ。普通は見えないものなのかぁ。声も聞こえないものでそれが普通。
「だから、そんなに狼狽えることないと思うよ?むしろ自分は成長しちゃったんだなって思うといいと思うよ?赤ちゃんは妖精さん達が見えてるみたいだし~」
「ぼくは赤ちゃんじゃないもん!」
「二コラは赤ちゃんじゃなくなったから妖精さん達が見えなくなったんだよ~」
「うん、わかった。ぼく、赤ちゃんじゃないもん!赤ちゃんのカルロ兄ちゃんは妖精さん達が見えてるのかなぁ?」
「カルロさんは体が大人に成長しきってるから見えないかも~。パン屋のオバサンも見えないっていってたんでしょ~?」
「うん」
「見えてない確率高くない?ココに入り浸ってるから見えてるけど、一歩自分の家とかにいたら見えてないかもよ?」
「そうだね」
「うわっ、この宝石まじで硬い!この工具、ダメになりそう。力業でやっととかそういうレベルだよ。濁りを活かすとか言ってらんないよ!」
「どうしたらいいかな?どこからの依頼?」
「T国~」
「無茶ぶりがすごいね。これをどうしろと?できるのはせいぜい掘りだすくらいだけど?」
「そのくらいやったら~」
「とりあえずやりました感出るか」
「カイ兄ちゃん、怪我に気を付けてね!」
カイ兄ちゃんは力業で宝石を取り出した。
カルロ兄ちゃんから預かった(?)工具はボロボロになった。
『すごーい!』
『透明キラキラ!』
「商品だから展示コーナーに持ってたらダメだからな」
いきなり持っていこうとしていた妖精さん達に釘を刺した。妖精さん達はブーたれてたけど、仕方ないじゃん。これは外交商品。
そこにやってきたセレン大使。
「これは見事なものですなぁ。国じゃあ「ガラスなんじゃ」とか言いがかりをつけてくる輩がいそうですね」
「地面に叩きつけるといいですよ。地面の方に傷が付きそうなくらい硬くて、ここまでの加工が今の俺には精一杯です。これ以上の加工はちょっと無理です。なんだか申し訳ない」
『ガラスじゃないよ!』
『硬くて透明キラキラ!』
「では、これは私が預かりT国が確かに受け取りました。お代の方はどちらに支払えばよいのでしょう?ココではないですよね?」
「俺達もそこら辺は知らないなぁ。この商会にも経理課とかあるんじゃないかなぁ?または直にルチアーナさん」
181.
「ここは商会長の俺が案内しよう!大使、こちらです」
「あ、ああ」
「この場合さぁ、その場で商会長が対応できなきゃダメなんじゃない?」
「カルロ兄ちゃん、商会長としての仕事から離れて久しいから」
『プリン職人~!』
大使はT国国王陛下に3人で頑張ったダイヤを献上した。
やはり透明な塊を見て、「ガラス玉じゃないのか?」などと言う輩がいた。
「ガラス玉だと思うならば、この床に叩きつけるといい。床の方に傷が付くと思いますが……」
「ほう、それほどまでに硬いものなのか?」
「はい。職人曰く、「これ以上の加工は無理」だということです。繊細な作業ですからね。力業でなんとかするような作業では何もできないとの判断です」
「なるほど」
力業でここまで取り出したことが逆にすごいのだが……。
「我の持つ刃すらも通らぬ。これは……。尚且つ透明。清廉ではないか!国の象徴に相応しい!…しかしなぁ。これをさらに大きくしたり、色を付けるとか、透明の中に龍の模様を掘るとかはできないのか?」
「加工はこれが限界です。これ以上は宝石そのものを損なってしまいます。あの職人たちの技術は世界でも稀有なものです」
「……ならば、このまま国宝として扱おう」
この宝石は実に面白い。宝石が“国の魂”であることは言わすもがな、その透明が“清廉”を表し、濁りは“人の心の影”。硬さは“王の意志”。宝石一つでこの国の全てを表しているようだ。
はぁ、国王陛下も納得してくれたようで一安心です。
国内にレモ殿やカイ殿のような宝石加工職人がいたらいいのですが、彼らのような天才がそう生まれるわけではありませんし、彼らは元をたどれば我が国の貧民街育ちとか……。貧民街の若者を蔑ろにし続けたツケというのでしょうか?大きな代償ですね。
T国からの無茶ぶりはどんどん酷くなっているようで、これ以上酷くなるとカルロ商会出禁になってしまうのでは?私は作業場でミュートに会ったりしたいので出禁は困りますねぇ。
「無事にT国国王陛下にお渡ししてきました。国宝にするとか言っていましたよ?」
「削り出しただけなんだけどなぁ」
「そんなこと言ってると、T国からさらなる無茶ぶりが来ますよ?」
「それは面倒だ。他の仕事にも差し障る!」
「そうだよぉ!透明ってだけで大変だったんだから!」
「削り出したらとりあえず氷みたいだったよね~」
『キラキラはT国なの?』
「T国に妖精が行ったら確保されるよ?詳しいことはルーチェが知ってるよ?」
『カイがキラキラ作ってくれるから満足~!』
『キラキラでキラキラ作る~!』
「あ、大使もプリンをどうぞ!」
カルロ殿が作ったプリンは美味しい。本当にプリン職人だと思ってしまう。
『カルロはプリン食べないの~?』
「ああ、いっぱい試食したからな」
『いっぱい食べたの?』
「ああ、す(・)がたってるやつとか……。未だに美味く作れないんだよなぁ。やっぱプリンは奥が深いなぁ」
「カルロ殿、すっかりプリン職人ですよ?」
「違うんだ!完璧主義なんだ!そしたらこうなってるんだ!」
そんなに焦らなくても……。
182.
T国から無茶ぶりキターーーーーーーー‼
それはそうと、依頼順は守りましょう。今のところ結構依頼があるから、それをまずはかたづけないとね。
「先日、図鑑と本を導入する際に3人がかなりの数を捌いたので無茶ぶりまであとわずかですよ?あ、3人の絶望指数が急上昇」
リアムからの無情な情報が言い渡された。
なんだか暗い気持ちで仕事をしようとすると
『ダメだよ!キラキラにまで気持ちが反映するんだから!』
と、妖精さんに怒られた。
「よし!絶望するのはT国からの依頼を見てからで、それまでは楽しく仕事をしよう!」
と自分を奮い立たせた。
「レモさん!この色だとどうしますか?」
「青だから海~?」
「青空はこんなに深い青じゃないもんねぇ」
「だったらこの濁りは海亀とかになるかなぁ~?」
「サンゴは?」
「あ、そっちの方がいいかも~。カイはどう思う?」
「サンゴならどうとでもできますね!」
と俺らは楽しくやっていた。
『わーい!カイのキラキラがキラキラ作った~!』
「商品だから展示コーナーに持ってたらダメ!ルチアーナさんが怒るよ」
『ルチア―ナ、怖い…』
『持ってかない!』
仕方ないので、端石を切ったやつを作ってやった。……10個近く。
「これで満足か?小さいから持ち歩けるだろ?」
『キラキラで作ったキラキラ~!』
『小さい~!』
『かわいい~!』
『大事にする~!』
「お、おう」
そこまで言うなら、もっと丁寧に作ってやれば良かったかな?とも思う。
T国からの無茶ぶり……なんでこんなに無茶を言ってくるかなぁ?
「この石を何とかしてほしいらしいです」
『スゴイ!光が当たってるわけじゃないのにキラキラ~!』
「展示コーナーに持ってたらダメだからな。いう事聞いたらこの半端な石でキラキラを作ってやるぞ?」
『展示コーナーに持ってかない!』
「カイがキラキラでキラキラをキラキラさせるんだ!」
もはや何だかわからない。“キラキラ”という伏字かもしれないと勘ぐってしまいそうだ。
「実際どうする?濁りなんて言ってしまえば石全部濁ってるけど~」
「これ、星空になんないかなぁ?」
「あ、それいいね~。カイできる~?」
「まずは余計なものを取っ払ってですね。ダイヤみたいに硬くはないでしょうから」
余計なものってなんだろう?俺ならこのままで十分キレイだと思うけどなぁ?T国の考えてる事はわからない。
とりあえず取っ払おう。
「取っ払ったらこんな感じ」
「これはこれでキレイだと思うんだけどな~」
「ぼくもそう思うけど、T国の国王は不満なんでしょ?」
「多分」
T国を代表してセレン大使に見てもらった。
「俺達3人はこれはこれでキレイだと思うんですけど、T国の国王は満足してくれないんですよね?」
「そうなんだよね。あと、仕えてる官僚が「この程度なら国内の宝石加工職人でもできる」とかいいそうですね」
なるほど。
「ああ、俺達にしかできないことをやれという指令ですか?」
「まぁ、そういうことですね。しかし…ここに来ると、ミュートが私の肩に乗ってくれるので幸福過剰胃痛が……」
183.
それで、俺達はその石を星空とすることにした。
『すごいねぇ!星のキラキラいろんな色あるよ!』
「黒いところは全部影。人間の醜さですが、この石の硬さが王室の威厳となるのです」
「へぇ~」
「結構簡単に加工できちゃうけど、“王室の威厳は脆い”になるんじゃないか?」
「そこは誤魔化すんです!」
『うわぁ、セレンて意外と根性汚い!』
「仕事柄仕方ないのですよ?」
「敢えて台座にはめ込みましょう。玉座に座っているみたいに」
「いいですなぁ。やはり純金でしょうか?」
「金ってなんか、成金趣味って感じだよね~」
「そんな感じするのわかるなぁ」
「針金アートがいいんじゃない?『王室は庶民に守られていますよ~』アピール~」
「それ、誰がするの?」
「カルロ兄ちゃんやってくれないかなぁ?手先器用だからさぁ」
「呼んだか?」
「呼んだ呼んだ!あのね、宝石加工のラストに宝石を玉座に座らせるみたいにしようと思ったんだけど、カルロ兄ちゃん針金アートやってくれないかなぁ?手先器用だから、T国もびっくりのができると思うんだよね」
「まぁ?できなくもないけど?」
「カルロ兄ちゃんがやってくれるの?どんなのか楽しみだなぁ」
「カルロ殿にそのような才能が?」
「ぼくも見たことないよ?でもおだてるとやるって母さん…じゃなくて副商会長が言ってた」
と二コラはセレン大使に小声で話した。
針金で保護されるのでこの宝石を球にする必要がなくなった。
夜空なので、四角にしたかったんだよね。さっきから加工していると、どうも剥がれる性質があるようで、保護が必要だったからちょうどいい。
完成した石をもってT国国王陛下のところへ行った。
「こちらが依頼されたものです。まるで石つまり国王陛下が玉座に座っているかのように針金アートを施してあります」
「国王を支えるならば、純金ではないのか?」
「国王を支えているのは民でございます。民ならば針金が相応しいかと。そして石ですが、暗闇の中に浮かぶ星空を表現したもの。つまり国王陛下の慈悲と威厳を表現しております。いかがでしょうか?」
「ふむ、なるほど。見事だ。この石を星空としたのか?」
「それ故に相応しき形は四角。その中に多くの星をちりばめたと職人は申しておりました」
「セレン大使はうまくできるかなぁ?」
「セレン大使ならうまくやるだろう?」
『カイ~、端石でキラキラ~』
「あ~はいはい」
俺はまたしても10個近く作った。
『わーい!キラキラでキラキラの端石からキラキラ作ってくれた~!』
「全部展示コーナーに?」
『『『『『『『『『『持ち歩くの』』』』』』』』』』
キラキラが飛んで歩いたらビックリするだろう。
「持ち歩くのはカルロ商会内だけにしような?」
『『『『『『『『『『はーい』』』』』』』』』』
184.
うーん、持ち歩くんだったら不便だから、ショルダーバッグバックでも作ってやるか。妖精さんサイズで。
そうして俺は妖精さんサイズのショルダーバッグを作った。
『わーい!カルロ、天才』
「やっぱりか?」
『石入れて持ち歩く~!キラキラ~!』
思った以上に好評。
ところで、俺は先日作った針金アートがかなり面白かった。あれはなかなかいいと思う。俺は早速何色かの針金を用意して針金アートを始めた。
うーん何を作ろう?ここ(作業場)の皆が大好きなプリンを作るか……。俺はこだわりにこだわりぬいて針金プリンを完成させた。材料費をけちるために小さめだ。言ってみれば妖精さんサイズ。
「わー、カルロ兄ちゃんこれ作ったの?すごい!」
「全部針金なの~?なんで色が違うの?」
「色が違う針金つかったからかな?」
照れてるけど、まんざらでもなさそう。
「カルロさんの技術力すごいですね。宝石加工よりこっちの方が神経使うんじゃないですか?」
「どうだろ?向き不向きってあるだろ?俺は宝石加工の方が神経使うよ。カイは針金アートの方が神経使うのかもな」
『針金プリン?』
『カルロ、作ったの?』
『食べれないの?』
『でも、プリン~!ちょっとキラキラ~!』
『食べれるプリンは~?』
「あ、いけね。作り忘れた」
『『『『『プリン~!』』』』』
『カルロ、ぼくはベッドが欲しい!』
『ぼくも~!』
『私も~!』
そういうわけで、妖精さんのベッドを10個くらい作った。あと布団も作った。
『カルロ、器用~!』
『ありがと~!』
「カルロ兄ちゃん、プリンは作ってる?」
「流石に針金アートとプリン作製をするのはちょっと無理あったよ……」
「だよね。今回は布団も作ってあげたんでしょ?」
「だってよぉ、針金のベッドで寝ても体が痛いだけだろう?」
『カルロ、優しい!』
『それはそれとして、プリン~!』
「ここはいつも平和ですねぇ」
セレン大使が作業場にやって来た。ミュートが所定の位置と言いしばかりに大使の肩に乗る。
「これは……カルロ殿が作ったのですか?」
「恥ずかしながら」
カルロ兄ちゃんは今更何を照れてるんだろう?
「妖精さんのためのショルダーバッグに布団を裁縫。ベッドの針金アート。素晴らしい!手先が器用ですね」
「お褒め頂きありがとうございます。えーっとこちらのプリンなんかも私が作りました」
「なんと!このサイズでこの見た目の質感!T国の展示コーナーに置きたい感じですね。官僚なんかが「我が国の職人でもこのくらいできる!」とか言いそうですけど、そう簡単にこの域にはいかないですよ」
『プリン~!』
「食べるやつは今日作って、冷やしておくから待っててください!」
『待つ~!』
「妖精さんの方からリクエストあったら作るから許して?」
『遊園地!遊園地が欲しい‼』
あれば妖精さん達をそっちに釘付けに出来るな。って打算もある。
「仕事の合間にちょこちょこ作るよ」
『わーい!ちょこちょこキラキラ遊園地~!』
185.
正直なところ、俺はあんまり遊園地経験ないんだよな……。
レモやカイに聞くのは酷だよな。あいつら貧民街出身だし。
「二コラ~。遊園地の乗り物って何がある?」
「えっとねぇ?ジェットコースターでしょ?まだ身長制限で乗れてないんだけど…」
そんなのあるのか?
「メリーゴーランドは女の子に人気だよね~。コーヒーカップでしょー。それから、お化け屋敷とか?」
お化け屋敷は作れないな。妖精さん達自身がお化けみたいだし。
「で、〆は観覧車かな。母さんといっつも乗るんだ!遠くの景色まで見えてキレイだよ!」
「レモが高いところ嫌いって言ったけど妖精さん達は大丈夫かなぁ?」
「妖精さんサイズの遊園地だったらそんなに高くならないし、レモ兄ちゃんが乗るわけじゃないから大丈夫だよ!」
「おう、俺は作ることに専念しよう。安全なところでコーヒーカップからかなぁ?」
甘かった……。まさかあんなに妖精さん達に邪魔をされるとは……。
大きさは妖精さんが2・3体のれるくらいだから2・3センチか?ふっ、妖精さん用にプリンを作る俺にとってはチョロいサイズだ。
『カルロ、遊園地作ってるの~?』
『わーい!』
「コーヒーカップだから、自分達が座るとことかは自分が好きな硬さに調節してくれ」
『プルプル~!』
「やりすぎだ!全部完成してからにしてくれよぉぉ!」
「針金で作ったはずなのに、プルプルになっちゃってますねぇ。どうするんです?」
「全部完成するまで楽しみに待っててくれよ!その代わり、妖精さん達がビックリ驚くようなスゴイ遊園地作るから、な?」
『キラキラがいい~!』
『ビックリ楽しみ~!』
『わかった、邪魔しない!』
「あ、ちょこちょこコレを作っていくからな。ほら、俺はプリン作らないといけないし!」
『カルロ、プリン職人~』
違うんだけど、今はツッコミ入れないでおこう。
「カルロさん、どんな遊園地にする予定なんですか?」
「それはカイといえども言えないな~」
「いえ、それは動力どうなっているのかと思って……」
「あ……」
俺としたことが失念していた。手動……妖精さん達の事だきっともっと速く回せとかの要求がきそう。最終的には高速回転観覧車……丈夫に作ろう。
そうだ!ゼンマイで何とかなんないだろうか?
「カルロさん、あの…妖精さんの魔力で回るとかにすればいいのでは?」
「カイ!お前は天才か⁈そういうように滑らかに動くように作ろう!……そして頑丈に」
それから俺の遊園地作りとプリン作りが続いた。もう頭の中がプリンだった。
186.
なんということでしょう?
目の前に広がるミニチュアの遊園地!とても針金で作ったものとは思えません。あれはジェットコースターでしょうか?細部まで拘りが見えます。レールにしても幅は均等にかつ滑らかに。コースターが通っても何ら変化がないことでしょう。
あちらに見えるのはコーヒーカップでしょうか?妖精さんが2・3体一緒に同じカップに乗れるようになっているようですね。カップの中央には取手が。その取手を回せばコーヒーカップを自分で回すことが可能。細部まで拘っている職人の心が感じられます。
遊園地と言えばやはり、メリーゴーランドでしょうか?この遊園地自体のモチーフがプリンとなっているようでメリーゴーランドの屋根がプリンのようです。メリーゴーランドにはプリンの馬車。プリンの椅子。プリンの馬などが回っています。
遊園地にはトランポリンも設置されているようで、妖精さんが楽しく弾むことができるようです。
遊園地の〆はやはり観覧車でしょう。プリンの容器のようなカゴがまわるようです。このカゴにも妖精さんが2・3体同時に乗ることが可能のようです。
この遊園地の動力はゼンマイとなっているようです。
『『『『『プ~リ~ン!プ~リ~ン!』』』』』
妖精さん達が大興奮で遊園地の方へと行ってしまいました。
「カルロ兄ちゃん、すごいねぇ!」
「時間かかったからなぁ、同時進行でプリン作ってたし」
「美味しかった~」
「カルロさん、睡眠時間とか大丈夫ですか?」
『ねぇ、もっとプリンちっくにぷるぷるにしようよ?』
『いいね!』
こうして俺の超大作はぷるぷるしている。
「ジェットコースターのレールはそのままにしないと動かせなくなるぞーって聞いてるのか?」
「ぼくわかんな~い」
「大興奮だから」
「ぷるぷるしたレールにぷるぷるした車体ならいけるんじゃ……」
「カイまで…」
『わーい!』
「速く回りたかったら魔力でどうにかしろよ!」
『『『『『『『『わかったー!』』』』』』』』
こうして超高速回転観覧車ができた。プルプルしてるかわからない……。
『ちょっと目回った~!』
そうだろうと思う。
「トランポリンあるからそれで遊んでろよ」
『『『『『『『『『わーい!』』』』』』』』』』
ばねがあるはずのトランポリン……ぷるぷるした表面になった。
「カルロ兄ちゃん、このぷるぷるしたの触り心地いいよ」
「そういう問題じゃなくて、俺の数か月が壊された無念……
「「「あ~」」」
「ここに来ると幸福過剰胃痛になりますねぇ。そしていつも平和ですねぇ。…ややっあれはっ!」
「土台は俺が針金で作った遊園地なんですけど……妖精さん達が改造しちゃって、あのような形に……」
「しかし、素晴らしいですなぁ。是非とも我が国の展示コーナーに!」
『『『『『『『『ダメ!』』』』』』』』』』
「ははは、妖精さん達に叱られてしまいましたね。妖精さん達が大切にしているものは持っていきませんよ」
187.
『セレン、いい人~』
結局、この妖精遊園地は何故か俺の休憩場に置かれた。俺は休めない……。
しばらくはレモ・カイ・二コラの3人が何にも邪魔されずに仕事ができるだろう。
……セレンの肩にミュートが乗ってるけど、ミュートは基本的に邪魔しないし。
「さ、今日のノルマはこれよ!」
ノルマとか言われると下がるなぁ。
「この3人感覚でやってるから、ノルマとか合わないって!やる時はどばーっとやるじゃん?」
「そ、そうね」
ルチア―ナもその点は納得したようだ。
「確かに感覚でやってる節はあるわね。続きはこれよ。でいいかな?」
「それなら、こいつらもいいだろう。今はなぁ、アレ。俺が作ったんだが、アレの見守りでちょっと疲れてんだよ」
「なるほどね、あれの目的は?」
「この3人から妖精さん達の興味を逸らすこと!」
「今のところは大丈夫だけど……宝石のキラキラは大丈夫かしら?」
「あっちにも所々に端石を設置。細かい宝石の粉なんかも振りかけてある」
「……芸が細かいわね」
「といっても飽きっぽいからなぁ。もって1カ月ってところか?俺の労力を返してくれって感じだけどな」
「で、どんな石なの?」
妖精さん達と同じように好奇心あるよな…二コラ。
「かなり濁ってるのよ~。こんなのどうするのよ?って感じ」
「それはさぁ、濁ってるところを主体にして濁ってないところを活かすみたいにすればいいんじゃない~?」
「そうだよね」
「俺もそう思う」
この3人すごいな、あっという間に片付いた。
「で、どんな石なの?」
「青色の石のはずなんだけど、濁っちゃって……」
「曇り空から光が差し込む感じにできる~?」
「レモさんが言う感じでやってみますか?」
「その方向でいこうよ~!」
そういうわけで、カイがうまいことレモのいうような感じになるように宝石を切り出した。
「ルチア―ナさん。これでどうですか?」
「最高よ!濁りを活かすどころか使うなんて他の人は考えなかったもの!」
「他のはぁ?」
「けっこう無茶ぶりばっかりよ」
作業場の人間の心は一つになった。『これはT国が絡んでる』。
『あー!カイがキラキラからキラキラ作ってるー!』
お前らは遊園地で遊んでろ!一日もたないのか?
『うーん、プリン遊園地楽しいけど、キラキラも捨てがたい』
『悩むよね~』
遊園地を取ってくれ、頼むから!俺の数か月……。
「遊園地もキラキラしてるだろう?」
『結構見飽きた~!』
早いな、おい。
「プリンの固さを変えてみたりとか試したのか?」
『あー!それやってない‼』
『やろう!やろう!』
ホッと一息。
「遊園地は妖精さん達のためにカルロ殿が一生懸命作ってくれたんですよ?もっと楽しまないと、カルロ殿が可哀そうですよ?」
『カルロ、目から鼻水出ちゃうんだ……』
『そっかぁ。もっと遊ぼう!』
「……セレン大使、有難いのですが微妙です」
「大事の前の小事のようなものですよ!はははっ」
俺にとっては笑いごとじゃないんだけど。
188.
プリン遊園地……。今日の妖精さん用のプリンは特製ミニチュア遊園地にするかぁ。
食べれる妖精さん用プリンも用意しないとせっかく作ったミニチュアが、食べられてしまう……。恐ろしい。って何考えてるんだ!俺はプリン職人じゃないぞ!断じて‼
なんということでしょう?
この再現度。全てがプリンだというのが驚きです。製作者によると、ゼラチンの量でプリンの固さを調節したり、結構なものだというのです!
プリンのジェットコースターにプリンの観覧車!プリンのコーヒーカップにプリンのメリーゴーランド!あの妖精さん用の小さな遊園地をさらに小さく、プリンだけで製作をしたということなので驚きです。食べることも可能のようですが……。勿体ない……。
はぁ、俺は俺の技術の無駄遣いをしているんだろうか?でもまぁ、これで妖精さん達が喜んでくれるんなら……。って俺は宝石加工職人なんだよ‼
翌日、俺はこのプリン遊園地と妖精さん用のプリンと普通のプリンを持って作業場へと行った。
「うわー、カルロ兄ちゃんすごーい!」
「ま、まぁな」
褒められると素直に嬉しい。
『何がすごいの?』
『え?これ、プリンなの~?』
『食べれるの~?』
「一応食べれるけど、勿体ないよな…って食べてる?」
『美味しい!』
『勿体ないよぉ』
『展示コーナー持っていこうよ!』
「腐るぞ?」
『それはヤダから保護魔法~!』
プリンの時間が止まった。
『わ~い!展示コーナーに持っていける~!』
「でも、プリンなのにぷるぷるしてないよ?」
ああ、時間止めたからプルプルしないんだな。
『触り心地はプリンなんだけどね、プリンはやっぱぷるぷるしててほしい』
『『『『『『わかる~!』』』』』』』
わかんねーよ。
「おやおや、ここは本当に平和ですね。今度はミニチュアでプリンを?カルロ殿は本当に手先が器用ですな!」
「これでも宝石加工職人だからな」
『違うよ、カルロはプリン職人だよ~!』
「妖精さんに言われてますよ?どうします?」
「そりゃあ、俺にはレモやカイみたいな才能はないけどよ。それでも宝石加工職人なんだよ‼」
『プリン職人~!』
「対立していますな」
「俺も昔はキラキラ作ってたって言ったら信じるか?」
『キラキラプリン?』
俺は脱力してしまった。そんなに俺=プリンなんだろうか?
「展示コーナーに俺が昔つくったキラキラがある」
『『『『『『『『うそだぁ』』』』』』』』』
そこまで?
「わかりました。いいですか?カルロ殿はプリンを上手に作ることができる宝石加工職人さんです」
『セレンが言うなら……』
『カルロの得意料理がプリンなの?』
「うーん、他にもいろいろ作れるけどなぁ」
俺は見た!妖精さん達の目が輝くのを。
189.
『プリンの椅子~!』
『プリンの机~!』
『プリンのベッド~!』
……ベッドはこの間針金で作ったばかりなのに……布団付きで。
『プリンのお風呂~!』
⁇
『プリンのソファ』
未来が見える。こいつら絶対跳ねて遊ぶ。
「全部プリンじゃねーかよ!」
『だってカルロが他にもいろいろ作れるって言ったから……』
『ねぇ?』
『『『『『ねー!』』』』』
「そうじゃなくてだなぁ。俺が作れるのは、えーっとまぁ、サラダは普通だろ?ドレッシングは手作りだけどな。ピザにパエリア。あと、パスタ系は普通だな。ラザニアだろ?ミネストローネってとこか?思いつくだけでこんな感じだけど、多分他にもあるんだろうな」
『カルロ!それを全部プリンで再現してみてよ~!』
はぁ?
「で、食べるのか?」
『『『『『『『『『うん!』』』』』』』』』』
「タスケテ、大使……」
「妖精さん達が言っていることは『プリンを他の料理で再現して』ってお願いですよ?」
『プリンはダメ!』
『そうだよ、プリンは絶対なんだから!』
いつからそんなにプリンが強くなったんだ?
「他の料理も同じですよ。プリンが絶対でも再現はダメですよ!」
『『『『『『『『はーい』』』』』』』』
大使は妖精さん達の保護者みたいだな。
『ねー、ぼくさぁ人間が熱湯風呂っていうのやってたの見たんだ。だから、熱湯プリン……』
火傷するだろ?ダメだ!
『わーい!面白そー』
『やりたーい!』
『『『『『プ~リ~ン!プ~リ~ン!』』』』』
ダメだ……。プリンコール……。
「それ、プリンを食べたいのか?プリンにまみれたいのか?」
『『『『『『『両方―!』』』』』』』
はぁ、えーっとバスタブの耐熱温度の計算にプリンの温度の計算……。
「いやはや、ここは本当に平和ですなぁ」
大使のところってT国か……どれほどデンジャラスなんだよ……。
こいつらの掃除するのも大変なんだよな。汚れたままどっかに飛んでいこうとするし……。
そもそものこいつらのプリン好きはレモの影響だよな。
レモってプリン以外に好きなものないのか?
甘いミルクとか好きそうだけど…ミルク風呂になるだけだな……。
カステラとかか?食べたことあるのか?まずはそこからだよな。
「レモに聞いてから決めよう」
『『『『『『『『はーい』』』』』』』』』
俺も保護者みたいだな
翌日、俺はレモにプリン以外で好きな食べ物を聞いた。
「え~?プリン以外~?うーんカイが淹れてくれた甘いホットミルク!」
却下。ミルク風呂になるから。
「なんだ、こう……ガッツリ主食系で」
「俺はデザートの方が好きだからなぁ。ティラミスとか?」
ほう。
「ぼくはアレ苦手~。甘いんだけど、苦いところがあったりするよね?苦いのヤダ」
「あー、ティラミスね。あの時レモさんには甘い部分を切り分けてたんですよ」
うわー、そうきたか。カイが切り分けたからティラミスが好き。しかも甘いところをわざわざくれた。
「アップルパイとかどうだ?」
「それ甘い?」
そこ重要なのか?
「ぼくは好きだよ。でも母さんにいっつも散らかして!って怒られる。パイ生地だもん。ぽろぽろこぼれちゃうよ!」
「わかる!わかるぞ二コラ!あれを美しく食べる方法はこっちが知りたいくらいだ。そんなルチア―ナはキレイに食べれるのか?」
「うーん、なんでだろう?こぼさないで食べてる……。なんでだろう⁇」
何故だ?あの人には謎が多い。
「美味しいけど、難しいの?それじゃあ、俺には無理だなぁ」
「レモ、酸っぱいリンゴを砂糖と一緒に煮込んで甘くして、サクサクのパイの中に入れてオーブンで焼くってデザートなんだけど……」
「サクサクとリンゴを別々で食べれないの?」
パイ生地に自分の適量のリンゴをつけるのか……。
「それならさぁ、りんごジャムとパイ生地用意すればよくね?」
「そんでもって、パイ生地の大きさを一口サイズにすればこぼれないよ!」
「おお、二コラ。天才だな!」
「……あんた達何考えてんの?パイ生地に大量にジャムつけたら口に入らなくて、結局一口じゃ済まないでしょうに……」
「副商会長!」
「かあさ…副商会長!」




