11話 女神(自称)からの依頼
「…んん……どこだ、ここ……」
炎龍を倒した際、体力の限界と魔力切れで倒れた俺が目覚めた場所は、目が痛くなる程真っ白な場所だった。
「あっ、おっはよ~!」
女性の声が聞こえたので、俺は声がした方に振り返ってみた。そこには髪色が綺麗な金髪かつ長髪の女性が立っていた。
「誰だ、お前は…!」
武器がないことを確認した俺は、魔法をいつでも使えるように魔方陣を構築しようと試みるが、上手く構築できない。
魔法無効がこの空間全体に付与されてるのか?
魔法が発動できない理由を考えていると、女性は俺との間を詰めて来た。
「そんなに警戒しなくてもいいじゃん…私怪しい者じゃないよ?」
露出が多い服を着て、自分は怪しい者ではないと自負する女性。
どう見ても怪しい者なんだけど…
心の中でそう思いんながら、俺は女性に質問した。
「で、お前は誰だ?」
俺の質問に女性は何故か勝ち誇った顔で、
「フフフッ…よくぞ聞いてくれました!私こそが!この世界を作り出した創造神で、唯一の美少女神!ラミレナ!!さぁ、崇めよ!!」
壁のような胸を張って自慢げに名乗った。
ラミレナって、あのラミレナ…?
そう思いながら、昔本で見たラミレナの姿と目の前に居る者の姿を比べてみた。
本に描いてあったラミレナの姿は、神々しい雰囲気で服はギリシャ神話の女神と同じようなドレス。そして何より強調された大きめの胸があったのだが、目の前に居る者は、残念さを感じる雰囲気で服は露出が多い。そして絶壁の胸。本に描かれていた姿と全く違っていた。
そのため俺は戯言と判断し、帰り道を探すことにした。
「ちょっ!待ってよー!!今回は貴方に依頼があるから、こうして顕現したのよ!!」
帰るために後ろを振り返って歩き始めると、女神(自称)は半泣きになりながら、俺の服を引っ張って来た。
それでいいのか、女神(自称)…
半泣きで止めてくる女神(自称)の姿を見て呆れつつ、一応依頼の内容を聞くことにした。
「で、依頼って?」
俺が話を聞いてくれると分かった女神(自称)は、服から手を放し軽い咳払いをした。
「コホン、創造神である私が貴方に依頼すること…それは……」
謎の間に、俺は緊張感を感じて生唾を呑んだ。
「アンパン買ってきて!」
「さ~ってと、出口は何処かな~?」
心底どうでもいい依頼を頼まれ、俺は帰り道を探すために歩き出した。
「待って、ただの冗談だから…本当に待って、お願い…!!」
女神(自称)は、再び半泣きになりながら、俺の服を引っ張って引き留めようとしてきた。
「……次ふざけたら、今度こそ帰るからな?」
女神(自称)を憐れんで、優しい俺はもう一度チャンスを女神(自称)に与えた。
チャンスを貰った女神(自称)は、服から手を放して俺のことを見た。
「んんっ…じゃあ改めて、私創造神ラミレナが、貴方に頼みたいこと…それは……この星を救って欲しいのよ」
女神(自称)は真剣な顔で俺を見てくる。
…え?なにそのヒーロー系漫画みたいな展開…
唐突な依頼に俺が戸惑っている中、女神(自称)は話を進める。
「詳しいことは言えないけど…これは転生者達の中でも最強クラスの力を持っている貴方にしか頼めない依頼なの…今はもっと強くなって頂戴…私から言えることは以上よ…」
女神(自称)の話が終わると、俺の視界が変に歪み始めた。
視界が歪み始めたのと同時に来た激しい頭痛を耐えながら、俺は女神(自称)を見た。
「待て!まだ聞きたいことが!!」
頭痛に耐えながら女神(自称)に問いかけるが、視界の歪みが更に酷くなっていく。
「それじゃあ、引き続き皆で私を楽しませてね♪」
意味深なことを言っている女神(自称)を引き留めるために手を伸ばしたが、気が付くと歪んでいた視界が元に戻っていて、俺は寝転がった状態で見慣れない天井に向かって手を伸ばしている状態だった。
手を降ろして顔だけ動かして辺りを確認すると、俺が居る場所はあの目が痛くなる程真っ白な場所ではなく、豪華な装飾がされている部屋にあるベットの上だった。
恐らく、倒れた後ここに運ばれてきたのだろう。
「…夢……?いや、その割にはリアルだったような…」
上半身だけ起こし、女神(自称)を掴もうとした手を見ながら俺は呟いた。
ふと、窓の外を見てみると、丁度朝日が昇って来た所で、少しうす暗かった部屋の中を照らしてくれた。




