王都到着と波乱の前兆
読者の皆様に読みやすいように区切ってから再び、投稿しました。
オオトカゲが牽く馬車は街道を進んで行く中、
感涙で流した涙を拭った後、ジルバートは親しみのある笑みを浮かべた。
「さてと、皆さ~んお待たせしたわね! 我がオルレアン王国の王都サンクロイツが見えてきたわ」
「「「「おおお~!?」」」」
ジルバートの一言で白夜達は今まで出来事を忘れて、急ぎ御者台前に身を乗り出した。そして、見えた景色に興奮する。
太陽に照らされた石畳の街道に外側は調整させた木々の並び街道を綺麗に飾り、一本道をの先に高さ十メートル以上ある白い石で組まれた城壁が存在していた。
王都へ向かう自分達の位置から城壁の向こう――城の一部が見えた。
某有名なRPGのテーマソングが流れてきそうな王都を見て、感動する秋吉は目をキラキラと輝かせた。
「おおぉぉぉ! まさにファンタジーだ。あの竜王を倒すゲームに似た城が見える」
「はあ!? オタ吉あんたバカ? なにゲームに例えるのよ! 例えるならフランスのカルカソンヌくらい例えさいよ、もう少し感動的なことを……」
隣でその例えにイラついた桃子の指摘され、秋吉はキレて言い返す。いつも二人の口喧嘩を始まった。
「煩いぞギャル子! ボクが何に例えようと勝手だろ! お前こそどーせテレビで見たくらいで偉そうに知った被るなよ!」
「はあぁぁ!? な、なに言ってのオタ吉! 将来、そこに旅行に行こうかな的な予定だからこそ例えてるのよ!」
口喧嘩で熱くなる二人は御者台に身を乗り出したことを忘れていたのか、バランスを崩し外に落ちる――
「おい!? お前ら、口喧嘩するなら体勢を考えろ!」
「「ぐぇ!?」」
が、すんでのところで直樹が二人の襟首を掴み引き戻す。
そんな三人を眺め白夜は荷台を見渡し、この場に居ない二人を探した。
木の箱と布を重ねて作られた簡易的なクッションしかない。隣の雪妃に、
「委員長、ジャンとダリアは居ないけど、どこに行ったの?」
「ダリア達は先にお城に向かったわ。なんでも向こうで準備しないといけないことが色々あるそうよ」
「へえ~、そうなんだ。ありがとう委員長」
ダリア達の行方が分かり安心した白夜は、再び輪郭がはっきりとしてきた城壁に目を向ける。すると、巨大な城門が見えてきた。
その城門の左右の端に仁王像のように直立不動した二体の鋼鉄の巨人がいた。全長六メートルくらいある何処かのフレーム系量産機を見ている気分だ。
皆が門番のようなその機械の巨人に気付き、驚きながら注目する。
「「「「ロボット!?」」」」
「あらロボット? ああ、アレね。あれはドミニオンズ級の魔導機兵ね」
と、視線に気付きいたジルバートが答えてくれる。
「ドミニオンズ級? エンジェル・ギア? なにかしらそれ?」
意味の解らない単語に首を傾げる自分達の中から雪妃が代表して尋ねる。
ジルバートは機械の巨人を指を指す。
「目の前に在る魔導機兵のことよ。〝エンジェル・ギア〟、遺跡で発掘された魔導技術で作られた魔導式機械人形。一様あれでも旧文明の遺産の一つに数えられるわ」
古代技術すごっ! と白夜達が騒ぐ中、ジルバートは続きを話す。
「ドミニオンズ級というのは魔導機兵の大きさの単位なの。サイズによって魔導機兵は小型級パワーズ、中型級ドミニオンズ、大型級スローンズ。この三つのカテゴリーに分かれるの。魔導機兵には他にも色々なタイプが在るわよ。あら? やっと着いたわ!」
馬車は城門に辿り着き、一旦停止。御者の騎士が寄ってきた門番と入場手続きを済ませている間、ジルバートに質問する。
「他にどんな種類の魔導機兵は存在するんですか?」
「そうねハクヤちゃん、種類としては戦闘用と作業用があるわ」
「その魔導機兵って、人が乗って動かすんですか?」
「確かに、魔導機兵には人が搭乗するタイプの機体も在るわ。だけど、基本は【操作】系スキルによる外からの遠隔操作で動かすのよ」
ジルバートは手に親指と人差し指で丸を作り白夜達に見せると、
「まあ、もっとも魔導機兵は整備維持にコストがかかるから~多く所有できるかは国の財政によるだけどね~。あ・と・は――」
続きを口にしようとした時、手続きを終えた馬車が動き出す。そのため、ジルバートは一旦説明を中断した。
城門を越えた先に、中世北欧のような街並みが広がっていた。
煉瓦を敷き詰め整備された街道に煙筒がある住宅街。広場に並ぶ露店、馬や魔物が馬車を引いて荷物を運び卸す人や武器を提げ武装した人達が道路を歩く。
そんな景色を白夜達は馬車から見て楽しんだ。
そこに馬車の中に香ばしい匂いが漂う。
その匂いを嗅いだ直樹が垂らしたヨダレを袖で拭うと、
「おい、なんだよ! この旨そうな匂い!? 腹が減るだろうが」
「直樹あっち見ろよ! ケバブぽいの肉の塊を焼いてるぞ!」
秋吉が指を指す方に、ドデカい肉を焼いている露店があった。
他にも地面に布を引き商品をお客に売る行商人、棚に並ぶ電気の代わりに小さな結晶を動力して動く機械が並べる商店。そして様々な服、布やシルク他に良く解らない材質の服を着た人達が行き交う姿。
緩やかに走る馬車の中で、そんな人々や街の様子を見物する白夜達。
ジルバートは微笑みながら、その自分達を見守っていた。
そして、目的地であるお城が段々と大きく見えるくらい近くまで来た所で、ジルバートは先程の話――魔導機兵の続きを口にする。
「フフフ♪ さて続きをするわ。最後に魔導機兵の中には、ケルビムシリーズと呼ばれる特別な機体が存在したそうよ」
「ケルビムシリーズ?」
「そう、その特別な魔導機兵は様々なタイプが在って、他の魔導機兵に比べ、圧倒的な性能と専用の魔導技を持っていたらしいわ。……ただ今現在、現存しているかは不明なのよ」
「もうこの世には存在しないってこと」
白夜の問いに、ジルバートは東の方角に顔を向けつぶやく。
「そうね。残っている記録によると二千年前、終幕大戦の主戦場であるバルク大陸に殆どのケルビムシリーズが参加したそうよ。結果はみんなも知ってるでしょう?」
知ってる、と頷く白夜達。
「実際、他の遺跡でも発見されたとは聞いたことないのよ。ただね………不思議なことに二千年の歴史上、それっぽい機体が何度も登場しては消えているのよね。だから存在不明としか言え…………」
と、口にしかけたジルバートは「あ!」と何か思い出した顔をする。
「確かぁ~隣国のプロテスト教国が一体所有してるって風の噂で聞いたわ」
やがて、馬車が二つ目の城壁――正門前で一時停止。そして正門を通り抜け庭園から、中世時代に登場しそうな白い石で築かれた――ルネサンス建築の城が目に映った。
「わぁぁぁ! ユキちゃん、ユキちゃん! お城! 欧州にある本物のお城だよ!!」
「落ち着きなさい蓮花。そもそもここ、欧州じゃないわよ」
その白い城を見て歓声をあげる蓮花。雪妃は母親ように微笑みながらそんな蓮花を落ち着かせる。
しばらくして、城の正面玄関が見えてきた時だった。突然、ジルバートが喜びの声をあげた。
「まあ!? あれは!」
彫刻を掘られた分厚い大扉の前に、手を振りダリアとジャンが出迎えにきていた。
馬車は二人の前に停車すると同時に、御者台のジルバートが飛び出し二人に抱きつこうと、
「ダリアちゃん! ジャンくん! ワタシを迎えに来てくれたの、嬉しいわ!」
ドドドドドッと闘牛が人を襲うような勢いのあるタックルで迫る。
それを二人は、サーと左右に別れ避けると、その間をジルバートが通り抜け――大扉に激突する。
ドカーンと轟音が辺りに鳴り響き扉を勢いよく開かれた。
ダリア達は何事もなかったように白夜達に向き合い、
「皆さん! お待ちしておりました。ささどうぞ、こちらに国王陛下がお持ちしております!」
「すまんな皆。不十分を掛けるが謁見が終われば、ささやかだが歓迎の宴を用意させた楽しんでくれ!」
再び、満面の笑みで出迎えるダリアとジャン。その後ろハンカチを噛み締め涙を流すジルバートは二人の背中を熱い視線を送る。
二人の態度に苦笑いを浮かべ、皆はぎこちなく馬車から順番に降りていく。
「しくしくあんまりよ、ダリアちゃん! ジャンくん! ワタシをこんなにも弄んで!」
「……任務をこなす事を〝弄んで!〟とか言うな……」
「だからってポイ捨てなんてあんまりよ!?」
「……ポイ捨てではなく突っ込んできたので避けただけです」
「うわぁぁぁぁぁぁぁん! そうやって二人はいつもワタシの純情を弄んで楽しんでるのね!?」
「「誤解を招く言い回しはやめろ!」」
ダリアとジャンはシンクロしたかの様に左右対称に回し蹴りでツッコんだ。
ジルバートの顔を挟むように食らう。ガンっと固い金属音が鳴り響いた。
が、二人に蹴られたジルバートの顔は打ち身の跡さえなく無傷だった。逆に、
「「っ~~~~~~!?」」
蹴りを入れたダリアとジャンが足にひびが入ったように痛みに震え蹲っていた。
そんな二人の様子に白夜達は、どうすれば良いのか解らず、その場でウロウロとする。
「これだから《守護者》の【鉄壁】はッ! なんでこんなにも無駄に硬いんだッ!!」
「防御役系特化クラスですからねっ~~!」
ダリアは涙目でジルバートを睨みつた。
「あ、み、皆さんちょっと待って下さい!? すぐ回復魔法を使いますので! 水よ・我らを癒せ ――『アクアヒーリング』」
ジャンが回復魔法を発動させる。すると、二人の痛めた足の周囲に輝く霧が生まれて包み消え去った。ダリアは立ち上がり足の調子を確かめる。
そして彼女は笑みを浮かべて、ジャンを振り向く。
「うむ! 流石は《戦僧侶》だな! 私の《魔導剣士》ではこうも見事に怪我を回復させるのは無理だかな」
「何を言ってるんですか姫様? 姫様のクラスは特異級の私やジルバートなんかよりも天職階位が上なんですから贅沢言わないで下さい」
「ごほん! そろそろ国王の所に案内してくれない?」
「「……っ!?」」
いい加減しびれを切らせた雪妃の咳払いで、再び、二人は場を仕切り直した。
ダリアは、泣き続けるジルバートを首根っこを掴み。
「ジャン! 先に謁見の間にユキ達を頼む。ジル! 何時まで泣いてる。ほら、立って置いていくぞ!」
「分かりました! では皆さん、国王陛下の元に案内しますので付いて来て下さい!」
城に入ったジャンは謁見の間という所に白夜達を連れて廊下を進む。
「あ~ん! ダリアちゃん、もっと優しくしてよ~!」
「うるさい!」
ガンと金属が叩く音が背後から響く。白夜達はそれを無視して、城内を案内するジャンの後を付いて行く。
色の違うタイルの上に赤い絨毯が敷かれ、壁には高そうな絵画や壺など美術品がバランス良く飾られ、それを天井の小型シャンデリアが照らす。そんな通路を自分達は進んで行く。
時折、黒い布地ドレスにロングスカートとエプロン着た侍女達とすれ違いながら。
直立した二人の兵士が守る立派な門ような大扉の前に辿り着いた。
ジャンは兵士に視線を向け、相手が頷くと正面に向き息を整える。
「オルレアン騎士団長補佐ジャン・リュブール、勇者様達を連れて只今帰還しました!」
大扉の前で大声で報告すると扉が両開き、ジャンが振り返る。
緊張していた白夜達が安心させる笑みを浮かべ、
「では、皆さん。どうぞ中へ! 礼儀作法は考慮していますので気楽に入ってください」
白夜達は頷き、ジャンを先頭にホテルホールような部屋に踏み込んだ。
内部は華美な装飾を施され、どこか重苦しい雰囲気を感じさせる空間だった。
その部屋の両脇に豪華な衣服や様々な装飾品を身につける貴族のような人達が並び、入ってきた白夜達をマジマジと観察してくる。
そんな視線を浴びながら、白夜達は扉から真っ直ぐに敷かれたレッドカーペットを踏みながら歩いていく。そして、玉座の前に辿り着くと、ジャンは国王の前に跪く。
玉座には、くすんだハチミツ色の長髪に王冠を被り、ガウンを羽織る。濁った青目の長いヒゲの老人。その隣にダリアと同じハチミツ色の短髪と青目。ブクブク太った少年が蓮花の身体を舐めるよう凝視していた。
そんな彼の視線に気付き、蓮花は顔を青ざめ震える。その不愉快な視線を気付いた雪妃と白夜は視線で合図をする。
「(天城君、合わせて)」
「(了解、委員長)」
前にいた白夜は怯える彼女を背中に隠す。そして蓮花に向けられる彼の下衆な視線を、不機嫌そうな雪妃はさりげなく動いて遮る。
彼は自分達の行動の意味を察したのか、醜く顔を歪め、忌々しそうに口を開く。
「貴さ――」
「よくぞ参った異世界の者達よ。余がオルレアン王国国王、シャルム・オルレアン五世だ」
だが、それよりも早く国王が彼の言葉を遮った。
「そして隣にいるのが……」
自己紹介を終えた国王の視線を隣に向けた。でぶでぶとした少年は自分達を見下ろしながらニヤニヤと嗤う。
「お前達! 俺様がこの国の王太子シャルバ・オルレアンだ! 我がオルレアン王国の次代の発展のために存分に働いてもらうぞ!」
シャルバから、そんな傲慢な自己紹介され、雪妃、桃子、白夜、秋吉は嫌悪感が分かるくらい顔を歪める。また和馬と直樹の二人に至っては、今にも飛び出そうとする様子だった。
そして蓮花は、未だに彼から嫌な視線を感じるのか、白夜の背中に隠れている。
「はあ~~………」
その自己紹介に、国王は落胆混じりの深い溜息を吐いた。
「……もうよいシャルバよ。貴様は洗礼の儀式が終わるまで黙っていろ! ピエール大司教殿、儀式の準備を」
「ッ――!? 父上! 「黙れ!」――!? くぅ…………」
口を挟もうとするも国王に一喝され、顔を赤くしたシャルバは歯を食い縛り恥辱に耐えているようだ。
「ほほほっ、陛下。余り殿下を叱ってはなりませんよ。今亡きシャルマ殿下に劣っているとしても、上位のクラスを得ることが出来ればその限りではありませんよ」
玉座から右側の白い服の集団中から一人、白い司教服にストラを巻いてカロッタを被った柔和な顔の老人が姿を現す。
「………確かにピエール大司教殿の言うとおりかも知れん。シャルマですら特異級クラスだった。妹のダリアは英雄級クラス……可能性はあるか」
言葉を聴き目を閉じ国王は思案する。ピエール大司教は笑みを浮かべ、うんうんと頷く。
「ええ、ですのでまだ可能性があります」
「……………そうか」
生返事した後。国王は自分達に視線を向け、一人一人目で品定めをしながら口を開く。
「大体の事情はダリアから聞いているだろう勇者達よ。憎き憤怒の魔王を倒すための力になってもらう。それ以外、余の口から話す事はない」
では、お主達の名を聞せよ、と国王は高圧的な態度で問い掛けてきた。
そんな国王の態度に、ピクっとジャンは跪いた格好で反応する。
「「「………………………」」」
無言の白夜達。しばらくして苦々しく雪妃から順に様々な自己紹介をし始める。
「………宇佐美・雪妃です」
「チッ、福島・直樹だ」
国王を観察する者、舌打ちで答えた者。
「ボ、ボクは加藤・秋吉……です」
「はぁ、石田・桃子」
怯えながらする者、髪を弄びながらする者。
「天城・白夜です」
「小島・蓮花です」
「ほぉ~、レンカと言うのか!」
「っ!? う~」
背中に庇いながらする者、背中から隠れながら名乗ったあと、嫌らしく名前を呼ばれ涙目になる者。
「上杉・和馬だ。雪妃や蓮花に手を出せば、この《正義》に掛けてお前達を許さない! (パーン)――いたぁ!? ゆ、雪妃なにを?」
「だ・ま・り・な・さ・い・馬鹿、今すぐ武器を降ろしてっ! 私達を殺す気!?」
鞘から橙色の輝きが漏れる聖王具をカッコ良く突き付ける者、横から頭を叩き説教する者。
「………………」
国王は動じることもなく、和馬の右手の甲に浮かぶ剣の紋章を眺めた。
周りの貴族達もその手の紋章を目撃し、騒ぎ出す。また、貴族令嬢が彼に淡い声援や熱い視線を送る者もいた。
ちなみにこの時、和馬が武器(《正義》)を国王に突き付けた時点で、白夜達の周囲を武装した近衛兵が包囲していたのだ。
緊迫した雰囲気になろうとする直前、
「ほっほっほ、なんとまあ、頼りがいのある若者達なのでしょう」
「………無知で無謀な子供なだけだ」
ピエールの穏やかな声によって助けられた。
国王が片手を上げると、騒いでいた貴族が静かになる。
「儀式の準備は出来たのか、ピエール大司教殿?」
静寂なった周りを確認しながら国王は、ピエールに視線を向ける。
「万事、問題なく。すぐにでも儀式を行えます」
「では、始めよ」
素っ気なく命じた後、国王は遠い目をして天井を眺める。
ピエールは国王の様子を眺め胸に十字を切り、今は亡きシャルマ王子に黙祷を捧げた後。白夜達に向き合う。
そして融和な笑みでピエールは懐からカードの束を取り出すと、
「では、勇者の皆様。これより洗礼の儀式を始めるます!」
然るべき説明もせず、理不尽にも自分達の都合で儀式を進めようとする大人達。
そこに、いい加減に我慢の限界を迎えた雪妃が、
「待ってッ! その洗礼の儀式ってなんですか! 私達に何をしようとしているのか答えてッ!!」
ストップをかけて、説明を求めた。
ピエールは振り返り、迷える子羊を見つけたとでも言いたげな眼差しで口を開く。
「せ――」
「洗礼の儀式は、女神イヴから女神の恩恵を授かる儀式のことです、ユキ殿」
が、ピエールより先に立ち上がったジャンが答えた。
話を遮られたピエールは融和な笑みを浮かべ、彼を見つめる。
「御言葉を遮りまして申し訳ありません、大司教様」
ジャンは頭を下げると。
「しかし、儀式の説明をするなら勇者様達と交流がある私が適任かと思いまして。
……ですので暫く間、勇者様達に説明をするお時間を下さい」
ピエールはそんなジャンを……しばらく眺めた後、興奮する雪妃の様子を覗き見た。
「…………なるほど、確かに。ではジャン殿、説明をお願いします」
と、頷きピエールは彼の願い聞き入れた。「解りました」と安堵したジャンは白夜達の元に歩いてくる。




