9/23
歪な子
私とお父様とアナが街に着いた時、とある貴族の子たちがアナに聞こえる音量で話していた。
「何よ、偉そうに、あんないい馬車に乗っちゃって…」
「元は農民との間にできた子なのに…」
正直、苛立つ自分がいることに不思議な感覚を覚えながらも、この子達に一言言ってやりたいと思った。
アナは立派な猊下なのよって。
しかし、アナがそれをとめた。
悪口を言っていた子たちに近づき、手を握った。
「怪我はないですか?」
「だ、大丈夫です」
そりゃ戸惑うよ。
「皆さん、陛下には昨晩の火事のこと伝えました。
リーレ家以外の支援も次期に来ます。
もう、大丈夫ですよ」
その言葉に街の人たちは全員跪き、涙を浮かべた。
やっぱりアナは猊下なのだ。




