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立場の違い
アナが視察から遅れて戻ってきた。
命を狙われ隠れながら帰ってきたのだ。
「猊下!お怪我は大丈夫ですか?」
貴族たちが一斉に跪く。
もちろん、私も妹も跪いた。
「私のことはいい。
なんですか?
大の大人が揃いも揃って!
シオウは今チュランにいます。
すぐに見つけてください!」
厳しい口調のアナに私まで緊張する。
十貴族のお父様でも逆らえない地位の差。
「はっ!」
大人たちはアナに一礼して、各自持ち場に戻っていった。
頭を上げようとした妹の頭をおさえる。
「ウィラ、大丈夫?」
アナはウィラ様の心配をした。
「部屋で少しでも休んで。
赤ちゃんのためにも…」
ラザックお願いね、とアナはウィラ様の執事に任せた。
その瞬間だった。
アナが座り込んだ。
「アナ様!」
後ろから支えるリュウ。
「誰か医務官呼んで下さい」
私はそう叫びながら、アナに近づいた。
アナは右腕から出血していた。
手を当て魔力を使う。
「ありがとう、エダ」
「こんなことしかできず、申し訳ございません」
「こんなことじゃないわ…」
そう言いながらアナの意識は遠くなった。




