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私の妹は私より身分が上なんです。  作者: アオサマ


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19/23

アナ、キレる。

「リーレ卿!リーレ卿!」

この騒ぎが起きたのはお昼が過ぎた頃の話だった。

アナは昼食を拒否し、部屋に籠もっていて、やっと出てきたと思ったら、この騒ぎだった。

お父様が慌ててアナの前に跪く。

私と妹はそれを遠くから見ていることしかできなかった。

「なんですか、この提案書は?

国民が一番大変なのですよ!

その国民に徴兵を迫るなんて…」

「申し訳ございません。

しかし、兵士の数が足りていないのが現実でして…」

跪きながら強く目を瞑るお父様にアナが紙の束を渡した。

「今の兵士の数でできる方法を考えました。

国民に徴兵を迫るのは最終手段です!」

「はっ!」

「これをウォール卿にも見せてください。

それから陛下に報告を」

「…」

黙ってしまったお父様。

「リーレ卿?」

「…申し訳ございません。

殿下に口止めされていたのですが、陛下は現在意識不明の重体です。

まだ、気があるため猊下の魔力でもわからないと思い、黙っているよう命令されておりました」

跪く姿勢から土下座に変えた父が深々と頭を下げた。

「王宮に行きます」

「それはいけません!

王宮は今、危険です!」

後ろを向き歩き出そうとしたアナの手を父が掴んだ。

アナがまた父に向き直った。

「失礼致しました」

父はすぐに跪く姿勢に戻った。

「今、猊下まで失うことになれば、国は確実に最期を迎えます。

どうか、ご理解下さい」

「どうせ最期を迎えるのならば、全ての手を尽くすべきです。

それに、今のシオウとウィラを支えられるのは私だけです」

「…馬車と兵士を用意させます…」


アナが立ち去ったあと、私と妹は父に駆け寄った。

「猊下まで失うわけにはいかない。

だが、猊下の言われたことは正しいんだ…」

涙を浮かべるお父様を見るのはこれが初めてだった。


私はアナの部屋に走った。

扉の前まで来て、急に緊張した。

猊下としてのアナとは話すのは初めてだったからだ。

でも、私は勇気を出した。

「猊下、どうか父たちの思いも汲んでやってもらえないでしょうか?

お願い致します」

扉が開き、跪いている私をアナは強く抱きしめた。

「ごめんなさい、エダ

今は私が王宮へ行かなければならないの…」

それからしばらく私達は泣いた。






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