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暴露屋∼社会的に殺す情報屋∼  作者: 蔵品大樹
第二部 藤武戦争
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File49 松内修真

 俺は九鬼泰照。暴露をしていくごく普通の情報屋だ。

 今回の依頼者は、中年の女性。名を峯田暁子(みねたあきこ)と言った。

 「依頼内容を」

 「私の息子を殺したゲスヤクザを暴露してください!」

 そう言う峯田の顔には怒りと悲しみを含ませていた。




 7年前の事であった。

 峯田暁子の夫、峯田知成(みねたともなり)は所謂刑事であった。

 どんな極悪人も必ず捕らえ、警察署での地位は高かった。

 そんな父を尊敬している峯田悠平(みねたゆうへい)は警察官を志した。

 そして、その息子も警察官となった。

 悠平は派出所始まりだったものの、いずれ父のような警察官になると奮起していた。

 しかし、そんな二人に悲劇が訪れることとなる。

 それは、悠平のいる交番で起きた。

 悠平は帰ろうと、交番を出ようとした。しかし、悠平の前に、狐のお面をかけた男が現れた。

 「な、何ですか」

 悠平が男の手元を見る。すると、男の手には刀が握られていた。

 「なっ、先輩!刀を持った男が!」

 悠平は先輩を呼ぼうとする。だが、男はそんな悠平に向けて刀を振り上げた。

 「これは報いだ」

 そして、刀を降ろす。

 「がばぁっ!」

 その刃は悠平の背中を切り裂いた。

 「何だあっ!」

 悠平の先輩が急いでやってくるも、それは後の祭り。

 目の前には血を流した後輩と刀を持った男。

 「き、貴様ぁ!」

 先輩が銃を構えるも、男はお構い無しに先輩を切り裂いてしまった。

 「かばあっ!」

 そして、男はその場を去った。

 それからして、これは事件となった。

 警察の威信をかけ、殺人犯を探した。

 しかし、警察は犯人を捕まえることは出来なかった。

 何故なら犯行当時、犯人はお面を被っており、現場には犯人のものと思われる指紋なども見つからなかったからである。

 知成は息子を失ったショックと、犯人を見つけられないストレスで、自殺した。

 残されたのは悠平の母親、峯田暁子であった。

 彼女は警察に代わり、違法な方法で犯人を探した。

 だが、犯人は分からない。しかし、彼女は諦めなかった。

 それから事件が起き、七年の月日が経った。

 彼女は遂に、犯人が分かった。

 犯人の名は松内修真(まつうちしゅうま)。武蔵野会の元構成員で、現在チーム絵札もといチーム暴札の傘下、『ブームズ』のリーダーであった。

 峯田は情報を集める上で知った暴露屋にこの事を伝える為に訪れたと言う。




 「どうかお願いします!あの悪魔をどうか暴露してください!」

 峯田の目には悲しみと怒り、そして恨みが混じっていた。

 「分かりました。では、奴を落とし、貴方恨みを晴らしましょう」

 俺は松内の事を調べ上げた。

 松内修真。37歳。小田島組の元構成員。七年前、舎弟の堀谷(ほりたに)が傷害の罪で逮捕された事をきっかけに、警察を恨み、警察官中心の殺人を犯した。

 それと同時に武蔵野会を抜け、千葉県にてブームズを立ち上げ、チーム絵札の傘下となった。

 そして、桐田の死後、早乙女の指示により東京に戻ってきたのだ。

 ちなみに、俺がこの間暴露した畑村侑一とは同期らしい。

 俺はまず、マスコミ各所にこの事を伝えた。

 その結果、奴らはこの事をテレビで報道。その情報は裏社会を騒がせた。

 だが、松内は逮捕されなかった。何故なら奴は身代わりを使い、逮捕を免れたのだ。

 かつて舎弟の逮捕に怒りを覚えていた男が、今では逮捕されないために部下を使うとは、松内はますます救えない奴だ。

 俺はブームズが根城にしている丑目町の南部に向かった。

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