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暴露屋∼社会的に殺す情報屋∼  作者: 蔵品大樹
第二部 藤武戦争
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87/139

File46.5比嘉編 藤松事変

 俺は比嘉哲巳。藤松会の中堅組員だ。

 この日は桂田会長が苑頭町の隣町、浦川田(うらかわた)町をシマにする八木沢(やぎさわ)組との会合のために、本部を出ていた。

 護衛等の為に会長に付いていった者は、若頭の福地さん、幹部の水沼さん、桑江の兄貴だ。

 そして本部にいるのは俺と伊波、今枝の兄貴達高瀬組の構成員や一部の幹部のみ。

 舎弟の田澤(たざわ)山内(やまうち)は本部の入り口で不審者がいないか監視していた。

 その時であった。

 「ぐばぁ!」

 「ぐべぇっ!」

 二人の断末魔が聞こえた。

 「何だ!?」

 「何の騒ぎだ?」

 俺と伊波が断末魔のあった方へ向かう。そこには、16人ものの男達が刀や拳銃等の得物を持って、本部に入ってきたではないか。

 「何だお前ら!」

 「俺は武蔵野会のものじゃあ!」

 後方にいた男がドスを持って奥に向かおうとする。

 「後は任せますよ、川邊さん!」

 「なっ、テメェ待てやぁ!」

 伊波が男の後を追う。

 そこに残ったのは、15人の男と俺。俺は先頭の男に問いかける。

 「テメェ、入り口にいた奴を殺ったのか?」

 「あぁ?殺ったよ!」

 「そうかい」

 俺はいつの間にかバットを取り出していた。

 「誰でもいい。死にたければな」

 「じゃあ俺が殺ってやらぁ!」

 一人が刀を持って襲いかかる。

 「はぁっ!」

 「切らせるか!」

 俺は凶刃をバットで防ぐ。

 「ケケケ…」

 「おらよぉっ!」

 俺は足で奴の腹を蹴る。

 「くぼおっ!」

 「ちっ、力だけは強いな」

 すると、他の奴らが蜘蛛の子を散らすように本部に向かっていった。

 「なっ、待てや!」

 「俺が相手じゃあ!」

 刀の男は腹を抑えながらも切りかかろうとする。

 「しつけぇ!」

 「ぐぶふえっ!」

 俺はバットで奴の鳩尾を潰す。

 「いでぇ…」

 「終わりだ」

 俺は拳銃を取り出し、ソイツを撃ち殺した。

 「他の奴らはどこに…」

 俺は本部の建物に向かう。

 中に入ると、血生臭い匂いが。

 「まさか…」

 俺は奥に入る。そして、衝撃的なものを見た。

 「ぐばぁ…」

 「クソッタレ…」

 そこには死にかけの兄貴や舎弟達がいた。

 「村田(むらた)の兄貴!神谷(かみや)の兄貴!」

 俺は村田の兄貴に近付く。

 「くそ…俺はいい…(もり)と、牧田(まきた)はまだ息がある。俺はもう…」

 「村田の兄貴ぃ!」

 「かはっ…」

 その瞬間、幹部候補であった村田の兄貴と神谷の兄貴が死んだ。

 「森!牧田!」

 俺は舎弟の二人に近付く。確かにまだ大丈夫そうだ。

 「ちっ…」

 「お前ら、あまり無理するなよ。俺が襲撃者を片付けるからな」

 「すいません。比嘉の兄貴…」

 「比嘉の兄貴、さっきの襲撃者は松木田さんの部屋に…」

 「そうか。わかった」

 俺はすぐにそこを去った。

 松木田さんは若頭補佐だ。あの人が死んでしまえば、幹部が一人減ってしまう。

 俺はすぐに松木田さんのいる部屋の扉を開けた。

 「おいごらぁ!殺させるかぁ!」

 そこには、刀を持った襲撃者と怯える松木田さんが。そして、その襲撃者には見覚えがあった。

 川邊英貴。九鬼さんに暴露された男だ。

 「ちっ、見つかっちまったか。じゃあ殺すしかねぇか」

 川邊が刀を振り上げる。

 「しゃらぁっ!」

 「ぐっ!」

 俺はその攻撃をバットで防ぐ。

 「やれェ!」

 川邊がそう叫ぶと。おれの肩に痛みが走る。

 「ぐっ!」

 「ケケケ。川邊さんはやっぱし天才だぁ!」

 伏兵だ。後ろに二人いる。俺は川邊の鳩尾に蹴りを入れる。

 「おらぁっ!」

 「ぐっ!」

 俺は後ろの伏兵に拳銃を向ける。

 「汚ぇなぁ!」

 「ぐばぁっ!」

 「ぐへっ!」

 そして、二人を撃ち殺した。

 「ちっ、殺りやがって!」

 川邊が袈裟斬りをしようとする。

 「させるかぁ!」

 俺は片手でバットで袈裟斬りを防ぐ。

 「何ぃっ!」

 「ここでしまいじゃチンピラぁ!」

 俺は残っていた手を使い、拳銃を奴の眉間に向ける。

 「死んどけやぁ!」

 「ぎゃばぁぁ…」

 銃弾が眉間に突き刺さり、奴は倒れた。

 「はぁ…はぁ…大丈夫ですか、松木田さん!」

 「くそがぁ…」

 よくよく見ると、松木田さんの足の腱には切られた跡があった。

 「肩を貸します」

 「すまない」

 俺は松木田さんと外に出て、電話で助けを呼んだ。

 「九鬼さん!本部の方に、救急車を!」

 「どうした、比嘉!」

 「本部が襲撃されまして、そこで死者が」

 「わかった、すぐ呼ぶ!」

 その時。

 「死ねやぁ!」

 「なにっ!」

 後ろからドスを持った襲撃者がいた。

 (生き残りか!)

 「おらぁぁぁ!」

 だが、襲撃者の胸から刀が生えてきた。

 「なっ」

 ソイツは刀を抜かれると、そのまま倒れてしまった。

 その後ろには、今枝の兄貴がいた。

 「兄貴ぃ!」

 「大丈夫ですかい!?松木田さん、比嘉!」

 「いや、俺は腱を…」

 「九鬼さんが救急車を呼びました!」

 その後、救急車は松木田さんを運んだ。

 しかし、構成員は村田の兄貴や神谷の兄貴、田澤、山内を含め、10人が襲撃者によって死んだ。

 「ぐっ…武蔵野会め…絶対に許さない!」

 俺は武蔵野会討伐の為に心の炎を燃やした。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 事務所の襲撃だと一気にたくさんの死者がでてしまう(;´・ω・) 藤松会としては松木田さんが助かりはしたけれど、被害が大きい……><;
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