File46 植田光則
俺は九鬼泰照。暴露屋を営む普通の情報屋だ。
今回は、特殊な始まりであった。
それは、関西の情報屋、所謂同業者の宇野政己からの電話であった。
関東の情報屋を俺とするならば、関西の情報屋は宇野である。
俺は電話に出る。
「どうした?宇野?」
「九鬼か?お前にある人から代理で依頼させてしたいんだわ」
「依頼?」
「あぁ。ソイツはワイの友人でな、残念ながら、この間死んでもうた」
「死んだ…詳しく聞かせてくれ」
「そうだな、それは数ヶ月前に遡る」
数ヶ月前、大阪。宇野の友人、岡田靖文は闇金の社長であった。金をトイチで集めており、債務者から見れば、悪魔のような男だ。
しかし、『岡田金融』に来るのは自分の欲に忠実なクズのみ。貸す側も借りる側もどっこいどっこいであった。
そんなある日、岡田金融にある男が現れた。
「いらっしゃ…お前は…」
「ケケケ、復讐しに来たんですわ」
その男はかつて岡田から金を借りた男、植田光則であった。
「なんや、マグロ漁船行って生きてたんか」
「ちっ、ワレのせいで数年間も無駄にしたんじゃ!死にさらせぇ!」
植田は懐からナイフを出し、岡田を刺した。
「ぐぼあぁ…」
「ケケケ、トンズラさせてもらうわ」
植田はその場から逃げた。
死の淵にいた岡田はある男に電話をかけた。
「う、宇野…今から岡田金融これるか?」
「え、どうしたんですか?」
「とりあえず来てくれや…このままでは…」
「お、岡田さん!」
宇野はすぐに岡田金融へ向かった。
「岡田さ…なっ…嘘や…」
岡田は既に事切れていた。しかし、岡田はダイイングメッセージを残していた。
『ウエダミツノリ』
「犯人は…ウエダミツノリ…」
その後、宇野は犯人を特定。すぐに植田が殺ったとわかった。
しかし、植田の所在は不明で、場所を聞くために俺に電話をかけたと言う。
「どうか…岡田さんの仇をとってくれ…よろしく頼んだ」
「あぁ。奴を落としてみせよう」
俺は植田の事を調べ上げた。
植田光則。45歳。数十年前に岡田金融に金を借りたが、借金を返すことが出来ず、それから数年間マグロ漁船にいた。それからしてマグロ漁船から出ると、恨みで岡田を殺害。現在は千葉県で体を休めているのだとか。
俺はこの情報を宇野に出した。
その結果、岡田金融のバックに付いていた鎌田奈阪会が怒りを露にしたという。
その後、植田は鎌田奈阪会の者に………これ以上言うまでもないだろう。
強いて言えば、植田は魚の餌となった。




