File45.5 協力者の末路
俺は九鬼泰照。カチコミに行く男だ。
俺は今から吉木天昌会にカチコミをかけようとした。その時、俺はある男に声をかけられる。
「九鬼。俺も行かせてくれや」
声をかけたのは、茶髪のウルフカットの男、藤松会直系高瀬組組員の今枝毅司であった。
今枝さんは過去に俺と戦った遊佐と同じく、剣術を極めており、大抵の刃物なら使える男である為、裏社会では『光物の今枝』と恐れられている。
「今枝さん…」
「俺は仲間と舎弟をボコされてんだ。黙ってそのままでいるわけがない。俺にもやらせてくれ」
今枝さんは、桑江さんの同僚であり、比嘉と伊波の兄貴なのだ。
「了解しました。では、行きましょう」
俺は今枝さんを車に乗せ、老汐区に向かった。
老汐区の南部に着き、俺達は車を出た。吉木天昌会の本部は、まさに屋敷。威圧感が押し寄せていた。
しかし、俺達は何も考えずに中に入る。
すると、門番二人が俺達を止める。
「何やお前ゴラ?どこのもんじゃい?」
「さぁな。答えは閻魔様に聞いてみな」
今枝さんが腰の鞘に手をかける。そして、そこから一本の刀を取り出す。
「けっ、おもちゃのポン刀か。帰りな、ここはガキンチョの遊び場じゃ…」
「五月蝿い」
何と、今枝さんは一瞬のうちに門番の一人の腹を切り裂いた。
「かはぁ…」
「なっ…テメェ!」
もう片方が拳銃を構える。
「邪魔だ。どけ」
俺はソイツの喉を貫手で葬る。
「こふっ」
「念の為に」
俺はソイツから拳銃を奪い、心臓を撃ち抜く。
「じゃあ、行きますか」
俺達は本部に入る。
「テメェら!侵入者だ!組員集めろ!」
その声により、本部の中には数十人ものの組員が集まった。
「殺り甲斐があるな」
「えぇ。同じく」
「死ねやぁ!」
一人の組員が、ドスを持ち特攻。
「遅い。見えるぞ」
「ぐぶふぅっ」
しかし、ソイツは銃弾で死亡した。
「この野郎!」
「殺れぇ!」
今度は三人の組員が発砲。
「うおっと!」
俺達は入口近くの柱に隠れる。
「隠れずに来いやぁ!」
「チキンかてめぇらァ!」
そして銃声が鳴り止むと、今枝さんが柱から出て突撃。
「足におさらばしろ」
今枝さんは、一気に3人の足、計六本を横一文字で斬った。
「ぐわぁ!」
「ぬへっ!」
「すげへっ!」
そして、何人かの組員が今枝さんを取り囲む。
「ちぃ…」
「来い。誰からでもいいぞ」
「このクソガキャァァ!」
ある一人が刀を持ち今枝さんを切ろうとする。すると、今枝さんは別の組員の襟を掴む。
「すまないが壁になってくれ」
「なっ…ぐほうあっ!」
今枝さんは、また別の組員を盾にしたのだ。
「貴様ぁ!」
今枝さんの後ろにいた組員が斬りかかる。だが、俺はそいつに拳銃の標準を合わせた。
「やらせねぇよ」
「くぶっ!」
その組員は、脊椎を撃たれてそのまま倒れた。
そこからは簡単であった。
「ふん」
「ぐぶびっ!」
「撃たれとけよ」
「じゃべっ!」
それからして、そこにいた組員は全員死んだ。すると、奥から何者かがやって来た。
「おい貴様ら、何をしている」
その中年男の髪は全て白髪で、槍を持っていた。
「その柱の後ろにもいるだろう。出てこい」
俺は仕方なく、柱から出る。
「そんで、誰だよ?」
「私はこの吉木天昌会に身を捧げる若頭、及川志朗。又の名を『槍の及川』という。お前たちは私のかわいい舎弟達を殺してくれた。万死に値する」
「槍の及川ねぇ…聞いた事がある」
すると、今枝さんが語りだす。
「奴の槍はまさに悪魔。どんな者も槍は体を貫く。しかもリーチが広いから、束になってもコイツには勝てないんだ」
「そうですか。でも、コイツのいる組織はカタギを食い物にしている。許すわけにはいかない」
「オイ、貴様。吉木天昌会をバカにしたのか?」
「ん?」
どうやら奴の逆鱗に触れたらしく、及川から闘気が見える。
「許さぬぞ…貴様らぁ!」
及川が槍を横に持ち、今枝さんに突き刺そうとする。
「なっ!」
今枝さんはすぐに反応し横に避けるも、及川は槍を横に薙いだ。
「死ぬがいい!若造!」
何と槍の柄は今枝さんの横っ腹を捉えたのだ。
「ぐはぁ!」
「どうだ。これが私の槍、羅刹。一流の槍職人にしか作れない、究極の槍よ」
今枝さんは刀を持ちながら、横っ腹を抑える。
「そっちの者も来い。この槍の錆にしてくれる」
「やるしかないか」
俺は拳銃を捨て、懐に隠してあったドスを取り出す。
「オラァァァ」
そして、ドスを持ち突撃。
「フン。そんなものが私に通じるか」
何と及川は槍を回し、石突を俺の鳩尾に当てようとする。
「なっ…」
何とかジャンプして避けようとするも、それは俺の脛に当たる。その瞬間、足に激痛が走る。
「ぐっ……」
「フッ、脛の骨が折れたか。まぁ、鳩尾と比べたらマシか」
「俺を忘れるなよ!」
「何っ!」
今枝さんが及川に突っ込んだ。俺に集中していた奴は、虚を突かれる。
「オラァ!」
「させるか!」
今枝さんが袈裟斬りを決めようとするも、及川はそれを槍でガード。しかし、今枝さんの攻撃はこれだけではなかった。
「左腕がまだ残ってんぞ!」
何と、今枝さんの後腰の鞘からダガーナイフを取り出し、及川の脇腹にそれを刺した。
「ぐぶぅっ…」
及川が苦しむ顔になる。
「九鬼ぃ!今だ!」
「はい!」
俺はドスを持ち、今度こそ及川に突っ込んだ。
「くたばっとけぇぇぇ!」
「ぐぁぁぁぁ!」
及川の腰にドスが深く刺さり、奴は倒れる。
「く…くそぉ…こんな若造に…負けるなど…」
及川は後腰から拳銃を取り出し、発砲した。
「貴様らも地獄に行けぇぇぇ!」
「おっ!」
「なっ!」
全弾撃ち切り、及川はそのまま床にうつ伏せた。
「ちっ…汚い奴だ」
そして、俺達は組長室に入る。そこには今にも逃げ出さんばかりの紫スーツの男、吉木がいた。すると、今枝さんが刀を振り上げる。
「一旦腱切ろうか」
「くぶぅ!」
逃げることができなくなった吉木に俺は圧をかける。
「テメェ。ブラック企業を結託して、カタギを食い物にしたそうだなぁ」
「な、何の事を…」
「取り敢えず死のうか」
俺はドスを振り上げ、吉木に刺そうとする。すると、後ろから声が聞こえる。
「なぁにやってんの?君たち」
そこには角刈りの男、常岡竜政がいた。




