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暴露屋∼社会的に殺す情報屋∼  作者: 蔵品大樹
第二部 藤武戦争
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File44 畑村侑一

 俺は九鬼泰照。暴露を行う暴露マシーンだ。

 今回の依頼者は、若い男。名を森重遼平(もりしげりょうへい)と言った。

 「依頼内容を」

 「無差別に人を撃ち殺した外道に、裁きを……」

 森重は、怒りが火山の噴火の様に湧き出そうな感じで語り始めた。




 森重は、苑頭町南部の一軒家に妻と住んでいた。

 妻の亜理子(ありこ)は優しく穏やかな性格で、まさに聖母マリアのような女性だった。

 そんな女性に一目惚れした森重は、何度ものデートを重ね、結婚した。

 二人は幸せで、まさに人生は最高潮に達していた。

 だが、二人の幸せは、あるクズの行動で引き裂かれることとなる。

 ある日二人は苑頭町東南部にあるレストランに向かっていた。

 二人の向かう道は人通りが多く、今日が聖夜という事もあり、色んな人が闊歩していた。

 その時だった。

 「お前ら取り敢えずくたばれやぁ!」

 大きな声で何者かが叫んだ瞬間。その道で銃声が鳴った。

 「ぎゃぁぁ!」

 「うわぁぁ!」

 急に倒れる人達。その原因は、すぐに分かることとなる。

 「ケケケ!これが見たかったんだよ!人間達がのたうち回るこの姿!」

 そう、チンピラが銃を乱射し、人々を撃ち殺していたのだ。

 「やめろぉぉぉ!」

 「ギャァァァァ!」

 人々の悲鳴に断末魔。二人はそこから離れようとした。しかし、悪魔はこのカップルを見ていた。

 「何逃げてんだぁ?くたばれぇ!」

 チンピラが発砲。その銃弾は、妻の頭を貫いた。

 「がっ」

 「あっ、亜理子ォォォ!」

 「ケケケケ!面白い!」

 すると、チンピラは発砲を止めた。それと同時にパトカーのサイレンが聞こえてきた。

 「チッ、サツか。逃げねぇと」

 逃げる悪魔の特徴を、森重は見ていた。

 特徴は、坊主に白のタンクトップに青のジーンズ、黒の革靴。そして肩から見える蛇のタトゥー。

 警察がパトカーを出た頃には、森重は怒りが込み上げてきた。

 (何故だ……何故俺の嫁が殺されなければならない!)

 警察の任意聴取で犯人の特徴を話した。

 警察署を出て、森重は家に帰った。

 家には自分一人。ベッドに潜り、森重は泣いた。

 それからして、犯人は捕まった。しかし、捕まったのは、別の男であった。

 何故なら、首元にタトゥーが無かったからだ。

 これにより森重の警察の信用は地に落ち、自ら犯人を探した。

 そして、色んな伝手を使って犯人を見つけた。

 犯人の名は畑村侑一(はたむらゆういち)。元武蔵野会直系大須賀組組員で、異名は『狂い坊主の畑村』。敵味方問わず拳銃をぶっ放し、色んな者を殺した男。

 森重は調べる際に知った暴露屋にこの事を伝えに訪れたという。




 「どうか…奴を…あの悪魔を暴露してくれぇぇぇ!」

 「分かりました。では、奴を落としましょう」

 俺は畑村の事について調べ上げた。

 畑村侑一。36歳。元武蔵野会直系大須賀組組員。異名は『狂い坊主の畑村』。数年前にカタギに暴力を働いた事で破門になり、今では丘居町のチンピラをまとめ上げ、愚連隊『ストレングス』のリーダーをしているという。

 俺はまず、警察に畑村の情報を売った。

 とはいえ、例の事件では犯人は捕まっており、部下のチンピラが代わりになっていた為、警察は動くことはなかった。

 だが、畑村の行った行為はシマ荒らしである。

 俺は比嘉、伊波を連れ、丘居町に向かった。どうやらストレングスは南部の廃ビルを根城にしているという。

 そしてその廃ビルに着き、俺達はそこに入り込む。

 「オラァ!馬鹿野郎ども!死刑宣告だぁ!」

 「なんだぁ!?」

 「あいつ、九鬼だ!比嘉と伊波もいるぞ!」

 チンピラ共はすぐに得物を出そうとするも、俺はドスを持って一人のチンピラに近づく。

 「んなぁっ!」

 「とりあえず切られとけぇ!」

 そのチンピラの腹を横に一閃。

 「ぐぶぇっ!」

 「この野郎!死ねやぁ!」

 後ろからの木刀を持ったチンピラが襲ってくるも、俺は左手に拳銃を構え、後ろに発砲。

 「見えてんぞ。殺気」

 「ぐぽぉぉ!」

 それは見事に命中した。

 「オラァ!野球未経験だけどホームラン飛ばせるぞぉ!」

 「じゃがぁぁぁ!」

 「今日は晴れそうだからにわか雨でくたばれぇっ!」

 「ぎびすぇっ!」

 構成員を全員殺りきり、俺達は畑村のいるであろう部屋に入る。

 「失礼しまぁ〜す」

 そこには予想通り坊主男、畑村侑一がいた。

 「何だぁ?テメェら武蔵野会の奴らか?」

 「いぃや、俺達は武蔵野会と敵対している奴らよ」

 「そうかぁ…じゃあ敵の敵は味方。テメェらに有益な情報を渡してやるよ」

 「ダメだね。お前は苑頭町でシマ荒らしをした。即座に殺す」

 「ケッ!死にやがれぇぇぇ!」

 畑村はすぐに二丁の拳銃を取り出し、即座に発砲。

 「ぐおっ!」

 俺達はすぐに避けるも、奴が狙いを定めたのは比嘉。

 「まずはその邪魔なバットからどかしてやるよぉ!」

 畑村は比嘉の手をめがけて発砲。

 「ウラララァ!」

 「何っ!」

 比嘉の手に弾がかすり、バットを離してしまう。

 「チィィ…」

 「次はテメェだぁ九鬼泰照ぅ!」

 「名は知っているようだな」

 俺は比嘉の落としたバットを持ち、畑村がすぐに発砲。

 「うっしゃぁぁぁ!」

 「させるか!」

 俺は弾を避け、リロードしている畑村に近付く。

 「なっ、早えっ!」

 「取り敢えず顔をやる」

 俺は奴の横顔をバットで吹き飛ばす。

 「ごぶえっ!」

 奴の耳からは血が流れ、歯も何本か折れていた。

 「く…くひゃぁ…」

 「これが報いだ」

 俺はドスに切り替え、とどめを刺そうとする。その時だった。

 「お前が九鬼か。畑村を屠ってくれてありがとう」

 「ん?」

 入ってきたのは、ロングボウを持ち、オールバックで金の長髪男、板倉慶太郎であった。

 「い…板倉ぁ…」

 「畑村。どうやらウチを破門されたあとにバカやったらしいですね」

 「うるせぇ!早く助けろ!九鬼を殺せ!」

 「全く、アンタの兄貴面は正直いって嫌だったんですよ」

 すると、板倉がロングボウを構える。

 「じゃあ、九鬼を殺りますよ」

 「は、早く…」

 「アンタを殺ってからね」

 板倉は無情にも畑村の心臓めがけて発射。

 「くぶっ…」

 畑村は死んだ。すると、板倉はリロードしながらこちらに近付く。

 「さて、九鬼泰照。お前を殺す」

 板倉が俺に向けてロングボウを構える。しかし、奴は俺の覚悟を分かっていないようだ。

 「じゃあ」

 発射。しかし、俺は矢を避けて奴の懐を殴ろうとする。

 「一旦沈め」

 「うおおっと…危ない」

 何と板倉はバックステップを決め、そのままそこを後にした。

 「ちっ、逃げたか。比嘉、大丈夫か」

 「えぇ。かすっただけで、まだ大丈夫です」

 「取り敢えず、九鬼さんは先にお帰り下さい」

 「おう」

 俺は廃ビルを後にした。

 空を見上げ、そこには道を照らす月が輝いていた。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 第一部から要注意と聞いていた小田島組の赤村さんも、大須賀組の板倉さんもどっちも出てきたので、武蔵野会との対決の前に、この二つの組を潰さないといけないだろうな(;´・ω・)
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