File43 川嶋達哉
俺は九鬼泰照。社会の癌を取り除く、医者のような情報屋だ。
今回の依頼者は、警察官の若い男で、名を南山祥一と言った。
「依頼内容を」
「尊敬する先輩を殺した……あの悪魔に制裁を……」
南山は、怒りの炎で包まれてた。
南山には、尊敬する先輩刑事がいた。名は荻野和人。今まで何人ものの凶悪犯罪者を捕まえてきた男であり、部下からの人望があった。
荻野は努力家であり、犯人を捕まえるんだったら何日も寝ない日もある程であった。
南山は、荻野みたいな刑事になりたいと考えていた。そして、いつしか憧れの人は荻野となっていた。
その為、自分の出来る事を存分に活かし、色んな犯罪者を逮捕した。
これにより、あの先輩と同じ土俵に立てる。しかし、南山は悲劇を味わう事となる。
それは、あの先輩の死だった。
どうやら、帰りの道でのときに包丁を持った男が荻野を刺したのだという。
そして、その殺人事件の捜査が始まった。無論、それには南山も入っていた。
しかし、犯人は見つからず、時間だけが過ぎていった。それにより、警察も犯人探しを諦めていった。だが、唯一犯人探しを諦めなかった男がいた。
それは、南山だった。
犯人探しの為には、寝ない日もあり、上司からは『あまりやらない方がいい』と忠告されるほど。それによって別の部署に左遷されたが、南山は諦めなかった。
「くそっ…何故見つからない………」
そんなことを考えながら、約2年が過ぎ、南山が諦めようとしたとき、犯人は見つかった。
犯人の名は川嶋達哉。22年前に荻野に逮捕された愚連隊の一員であった。
川嶋は釈放後、個人的な恨みで荻野を殺したのだ。
無論、南山は怒りを覚えた。しかし、この情報は違法な方法で手に入れたもの。警察に出しても無駄だった。
その時、南山は暴露屋を知ったのだとか。
「どうか……あの悪人を……落としてください………」
「分かりました。では、奴に地獄を見せましょう」
俺は川嶋の事について調べ上げた。
川嶋達哉。40歳。元々愚連隊『アザミ』の一員だったが、22年前、おやじ狩りを行っている時に荻野に現行犯逮捕される。そして釈放後、富栄町のチンピラ数人を集め、改めて愚連隊『ロベリア』を立ち上げた。そして、自分を逮捕した荻野を自ら殺害。その後は武蔵野会の傘下に入り、虎の威を借る狐と化している。
俺はまず、SNSにこの情報を投稿。するとそれは瞬く間に拡散されるも、警察は動かなかった。
それならば、俺達が粛清するのみ。
俺は比嘉、伊波を連れて富栄町南部に向かった。
俺はロベリアが根城にしている廃ビルに入る。
「オラァ!クズども!取り敢えずくたばっとけぇ!」
「何だ!?」
「九鬼だ!奴らを殺せぇ!」
5人の構成員はナイフを取り出すも、俺達の前では無力。
「ハッ!」
「ギャヌブッ!」
俺はドスで奴の腹を抉る。
「ホラァ!お前の頭は硬球みたいに固ぇなぁ!」
「ぎべんっ!」
「鉛を主食にしとけぇっ!」
「げじっ!」
俺達は構成員を全員殺ると、川嶋がいそうな部屋に入った。
「失礼しまぁ〜す!」
「ちぃっ!九鬼かぁ?」
そこには、川嶋と茶髪のサイドフェードで、ミリタリーシャツを着た男がいた。
「たくっ、赤村さん!どうします!?」
「ケケケッ、わかるだろぉ?殺すしかないだろぉ?」
ソイツは、『ポイズンマスター赤村』こと、赤村隆司であった。
「へい、分かりました」
すると赤村は川嶋にナイフを渡した。
「じゃあ、死んどけよぉ!」
川嶋が特攻。しかし、俺はナイフを靴で落とす。
「何ぃっ!」
「舐めんじゃねぇぜ。この俺がそんな刃物で切られると思ったら大間違いだ」
「クソガキぃ……」
川嶋は次に拳銃を取り出す。その拳銃は、まさに警察が使っているのと同じだった。恐らく裏ルートで貰った物だろう。
「くたばれぇ!」
「フン!」
川嶋が怒りに任せて発砲するも、それは一発も当たらなかった。
「ちぃぃぃ!」
「じゃあ次は俺の番だな」
俺はドスを掴み、奴の首元に刃を近付ける。
「なっ!いつの間…」
「シェリアッ!」
「ぐぼっ!」
俺は奴の首を切り裂いた。
すると、隣の赤村が嗤う。
「ケケケッケ。面白い」
「次はお前だ」
赤村は懐から何かを取り出した。
「用意周到。これを刻んとけ」
何と赤村はそれを床に投げつける。すると、煙が部屋内に充満する。
「なっ!」
「煙だ!」
「くっ!」
そして、煙が晴れる頃には赤村はいなくなっていた。
「ちっ、狂犬でも頭は切れるんだな」
武蔵野会……赤村級の奴らがわんさかいるのだろうか。




