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暴露屋∼社会的に殺す情報屋∼  作者: 蔵品大樹
第一部 藤絵戦争
63/139

File33 暴走したNo.2

 俺は九鬼泰照。組織に仕えるナンバー2と戦う情報屋だ。

 遡ること数日前。最近、不可解な事件が苑頭町で起きている。

 それは、藤松会の構成員の死体が色んな所で見つかる事である。

 ある時は路地裏、ある時はビルの屋上、ある時は組の事務所の前…と、誰かが藤松会に喧嘩を売っているのだ。

 被害者は計5名。しかも、死体には共通点があった。それは、体の骨の一部が粉砕されている事と、死体の上には、必ず『クローバーの葉っぱ』が乗せられている事であった。

 それに藤松会直系の組、緒方組が憤怒していた。

 組長の緒方康作はこう語る。

 「うちの組織のもんが何者かによって死んでいる。それは絶対に許せないことだ。殺した奴は徹底的に排除する」

 そうして、緒方組は、組員殺しの犯人探しに奮起していた。

 そのことに俺が関わるようになったのは、昨日の事であった。

 ある時、緒方組長が俺を呼んだ。

 「なぁ、九鬼。この事件の犯人を誰だ?いくらでも出す」

 しかし、この事件の犯人はまだ分からず、緒方組長にこう言った。

 「いや、まだ犯人はわからない。犯人が分かったら、すぐに情報を送るよ」

 このとき、俺は知らなかった。この事件の犯人が、あの男だなんて………




 次の日、俺が事件の犯人について調べている時であった。急に俺のスマホの音が鳴り響く。

 「はい。九鬼です」

 「九鬼ぃ!今すぐにうちの事務所に来てくれ!死にそうだ!」

 相手は緒方組長だった。

 「何があっ」

 俺がすべてを言い切る前に緒方組長は電話を切った。

 (これはマズイ!)

 俺は退院したばかりの比嘉、伊波を連れていき、緒方組事務所に着いた。

 俺は扉を開ける。そこには、二人の死体。

 「なっ…」

 「まさか…お前たちは待っていろ!」

 俺は二人をおいて急いで組長室に入る。そこには、衝撃的な場面が見えた。

 「ヒィィ!」

 奥には怯え、座り込んでいる緒方組長。その前には、チーム絵札ナンバー2、黒畑純紀であった。

 「あぁ、やっと来たのか。遅えよ、九鬼」

 何と黒畑は緒方組長の右足をハンマーで粉砕した。

 「ガバァァ!」

 「なぁ!」

 「さぁ、九鬼。よくも幹部達を殺ってくれたよ。今、ここで死にな」

 そう言って、黒畑はハンマーをこちらに振り上げる。

 「フゥン!」

 「うおぉ!」

 俺は何とか後ろに避ける。

 「だが、獲物がハンマーなら、分かりやすい!」

 俺は拳銃を取り出す。しかし、黒畑は狡猾であった。

 「出させねぇ!」

 何と黒畑は俺の出した拳銃をハンマーで吹き飛ばした。

 「何ぃ!」

 壊れた拳銃が組長室の床に散らばる。それを見た瞬間、俺は覚悟を決めた。

 「仕方ない。接近戦だ」

 俺はポケットからメリケンサックを取り出す。

 「メリケンサックか…面白い!なら、地獄で喧嘩でもしてろやぁぁぁ!」

 黒畑がまたハンマーを振りかぶる。

 「ケッ、一度見た攻撃は二度と通じるか!」

 俺はすぐに懐に入り、ボディーブローを決めた。しかし、黒畑にはあまり効かなかった。

 「なっ、コイツ…」

 「不思議だよなぁ。お前のボディーブローが効かないなんて。うらぁ!」

 黒畑がハンマーを降ろし、ハンマーの持ち手部分が俺の頭を強く打ち付ける。

 「くはっ!」

 一瞬視界が真っ白になる。

 「オラヨぉ!」

 黒畑が腹を蹴る。

 「うげっ!」

 それに俺は軽く吹き飛ばされた。

 「かはぁ…」

 「冥土の土産だ。見ろ」

 黒畑が服を脱ぐ。そこには、サラシが巻かれていた。

 「何枚も、それにギチギチに巻いといてよかったぜぇ。さぁ、来いよ。もう一回!」

 「チィ…」

 俺は根性で立ち上がる。

 「負けるかよ…この九鬼泰照が…お前のような半グレに!」

 俺はスーツを脱ぐ。

 「さぁ、来い!幹部達を殺したその拳で、俺を殺してみろ!」

 俺は最速で奴の懐に潜り込む。

 「うらぁぁ!」

 全力アッパー。しかし、奴は動じない。

 「お前はぁぁぁ…」

 黒畑が俺の首を片手で掴む。

 「ぐふぅ…」

 「くたばれぇぇぇ!」

 俺は最後の足掻きで、奴の目に指を突っ込んだ。

 「かばぁぁぁ!」

 目をやられた痛みで、黒畑は俺を放し、目を抑える。

 「やりやがったなぁァァァ!このカスがぁぁ!」

 黒畑が無闇矢鱈にハンマーを振る。それには緒方組長も怯えていた。

 「ひっ!ひぃぃ!」

 「ここかぁぁぁ!」

 何と奴は緒方組長にハンマーを振り下ろそうとした。

 「させねぇぇ!」

 俺は高速のスライディングにより、緒方組長の死は免れた。

 「はぁ…はぁ…」

 「緒方組長、早く逃げて!」

 その言葉により、緒方組長はこの場を去った。

 「九鬼ぃぃぃ!」

 目から血を流す黒畑の顔はまさに牛鬼の様であった。

 「貴様はァァァ!今ぁ!ここでぇ!」

 黒畑がハンマーを持ち特攻。

 「殺ってやるぅぅぅぅ!」

 「うおおおおぉ!」

 黒畑がハンマーを振りかぶる。

 「くぁぁぁ!」

 俺は全身全霊で、奴の顔に右のストレートを決めた。

 「くぶふぇぁぁぁ!」

 苦しい叫びを上げると、黒畑は倒れた。

 「はぁ…はぁ…はぁ…くそっ…」

 俺は倒れた黒畑を見た。その時、黒畑はボソボソと語り始めた。

 「クローバーの花言葉ってのは…『約束』、『幸運』、『私を思って』………そして、『復讐』だ………俺は仲間や部下を殺された恨みを藤松会の奴らで晴らし、復讐した……クローバーの葉っぱを乗せたのは、いわゆるお遊びって奴だ……俺は死ぬ。でも………お前がいつか地獄に来るまで、地獄の鬼から罰をいくらでも受けてやるさ……」

 すると、奴はポケットから短刀を取り出し、喉に刺した。

 「くふっ」

 奴は、リーダー(桐田)に仕える、『クローバー』だったのかのしれない………。

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