File33.5桐田編 残された0
俺は桐田怜介。残された半グレ組織のリーダーだ。
それを聞いたのは、先程の事であった。
「桐田さん!桐田さん!」
「不味いことが!」
「どうした?」
ボディーガードの三好と四条が話しかけてきた。
「黒畑さんと連絡が付かないのです!」
「何?黒畑が?」
「しかも、黒畑さんの下に付いていた奴らからも連絡が来ず…」
「そうか。水戸部に付いていた奴らは後何人ほどだ?」
「えっと、ざっと10人ほど…」
「奴らを黍出支部に集めろ」
「は、はい!」
それから数分後、水戸部の下に付いていた奴らが集まった。
「聞け」
「はい…」
「黒畑が死んだ」
「えっ!?」
「まだ分からないがな。情報屋で調べさせる。それはともかく、何故お前らがここに集められたのか分かるか?」
「それは…」
俺は壁に掛けた刀を抜き、一番前の奴に突きつけた。
「うわっ!」
「お前らが弱いからだ。こんな事で悲鳴を上げて。俺は悲しいぞ」
「す、すいません!」
「まぁいい。今のは建前だ。お前たちに最終作戦を聞いてもらいたい」
「最終作戦?」
「あぁ。その作戦は………俺が直々に苑頭町に向かい、九鬼泰照を殺害する」
「あ、あの九鬼をですか!?」
「そうだ。俺は、奴を徹底的に殺す」
「は、はぁ…」
「その為には、お前たちにも手伝ってもらう」
「りょ、了解いたしました!」
俺はその時、とある事を思い出した。
燃える豪邸。その中には、自分の手で殺めた両親。それは、初の殺しだった。
武術は親父や色んな人たちから学んでいた為、それだけは良かったと思う。
俺は仲間を作り、仲間を失った。
大神田から知らされた山王は本当にヒットマンの手で殺されたのか。
下尾は誰に止めをさされたのか。
早乙女は何をしているのか。
手駒でしかなかった奴らが、頭の中で走馬灯のように流れる。しかし、俺は決めた。
「俺は…裏社会の王となる」
俺は、九鬼の殺害と、藤松会の崩壊を夢見て、覚悟を決めた。
何故なら俺は、『ジョーカー』であり、『0』であるから。
次回、藤絵戦争、終焉__




