File23 西青木准平
俺は九鬼泰照。暴露をする、しがない情報屋だ。
今回の依頼者は、中年のタクシードライバー、夏井英利。
「依頼内容を」
「自分に暴行を働き、何も償わなかったクズホストを暴露してください!」
夏井は、苦しみを感じながら話し始めた。
御年49の夏井は、ベテランタクシードライバーであった。
東京のタクシー会社で働き、一人で人生を過ごし、息子は家を出て、妻に先立たれた夏井は東京で一人でひっそりと、タクシーの運転をしていた。
しかし、そんな夏井に悲劇が訪れる。
それは、去年の冬であった。
師も走る12月。午前2時に夏井はいつも通り業務をこなしていた。
仕事を終え、休憩後、タクシーに乗ろうとした。すると、後ろから肩を叩かれた。
後ろを振り向くと、そこには、酔っ払った青髪の男がいた。
「すいませ〜ん、乗せてもらえますかねぇ〜」
「はい。分かりました」
夏井は男を車に乗せ、どこまで走るかを聞いた。
「どこまででしょうか?」
「富栄町の朝橋通りまで〜」
「はい」
そして、タクシーを走らせた。
数分後、タクシーは男の指定した場所に着いた。
「着きましたよ」
「おう」
すると、男は金を支払わずにタクシーを出ようとしたのだ。
「あ、あの、お客様」
「あぁん?」
「お金を支払ってもらいたいんですが」
「うるせぇな!俺様はスーパーホストのジュン様だぞ!」
その時、ジュン様と名乗った男が夏井を殴ったのだ。
「テメェ出やがれ!」
男がタクシーの扉を蹴り破り、夏井を外に出すと、マウントパンチを放ったのだ。
「ぐっ…」
「ケッ、俺様はなぁ、ホストクラブ『サーティーン』の西青木准平こと、ジュン様だぞ!」
西青木は自分のことを話してしまった。しかし、奴はそのことに気付かず、そのまま殴り終えば自分の家に帰っていった。
「くっ……西青木といったか……」
夏井は警察に電話を掛け、西青木のことを話した。
その後、西青木は流れる様に逮捕された。しかし、奴は何故かすぐに釈放されたのだ。
無論、夏井はそれに激怒。新聞やテレビでも報道されず、夏井は西青木の言っていたホストクラブに問いかけた。
すると、そのオーナーが言った。
「いやぁ…西青木はウチのエースです。逮捕されたらうちが困りますんで」
夏井は、怒りを通り越して、悲しみが現れた。
そして、数ヶ月間、西青木を堕とすためにヤクザを頼り、夏井はヤクザから聞いた暴露屋に訪れた。
「お願いします。奴を堕としてください!」
「わかりました。では、奴を地獄の底に行かせましょう」
俺は西青木のことを調べ上げた。
西青木准平。26歳。ホストクラブ『サーティーン』で働く自称スーパーホスト。源氏名は『ジュン』。今回の事以外にも暴行事件や傷害事件を起こしており、その度に奴は釈放されている。
その理由には、武蔵野会が関わっていた。
そもそも、サーティーン自体が武蔵野会傘下のホストクラブの一つであり、武蔵野会からして、そこのクラブのホストが逮捕されてしまっては、そこの稼ぎが少なくなってしまうからだ。
しかし、それは関係ない。
俺は西青木の情報をマスコミに売り、それを報道してもらった。
その結果、西青木は知名度を失い、ホスト界から干され、今では借金を背負うニートなのだとか。




