File22.5桐田編 会合
この話は、File22.5 バイドク、絶滅と同じ時期に起こった話です。
俺は桐田怜介。半グレ組織、チーム絵札をまとめ上げる男だ。
そんな俺だが、この間、武蔵野会と手を組んだ。
それは、藤松会を潰すため。俺は金で武蔵野会をまるごと懐柔。武蔵野会はものの見事に藤松会を裏切った。
しかし、今チーム絵札は劣勢だ。
四天王の四分の三は死亡や失踪。俺の手駒はラストジョーカーの四人と親桐田派の大神田、そして、百を超える戦闘員。
しかし、俺は苦渋を飲まなかった。
今、俺のバックには武蔵野会がついている。
藤松会を潰し、俺は裏社会のトップとなるのだ。
そんなある日、俺は武蔵野会会長の本堂から電話があった。
「重要な話があるので、午後8時に義憐町まで来てほしい。場所は南部にある料亭『むらせ』だ」
本堂はそれだけ言うと電話を切った。義憐町というのは、武蔵野会がシマとしている繁華街のことだ。
「重要な話か……」
その夜。俺は護衛として部下の鳩岡と大安を連れ、義憐町まで向かった。鳩岡と大安ははっきり言って狂人だ。
鳩岡は2丁拳銃使いであり、『ガンマン鳩岡』と呼ばれている。大安は刀を用いって殺戮をし、『侍の大安』と呼ばれている。
残りの二人である、黒畑と水戸部も狂人だ。しかし、今は半グレ集団『バイドク』の壊滅のために丑目町にいる。
そして、俺は本堂の指定した料亭に着いた。
玄関には構成員二人が待ち構えていた。
「桐田さん、ですね?」
その中の一人が話しかける。
「そうだ。中に通してくれ」
俺は扉を開け、本堂が待っているVIP専用の部屋に入った。
そこには組員一人、机の前には男が3人。真ん中には会長の本堂、右隣には本堂の右腕、若頭の野添慎治、左隣には武蔵野会の最終兵器、若頭補佐の常岡。
俺は本堂の前に座り、言った。
「それで、用は何です?」
「藤松会への侵攻の事だ。直球だが、桐田。チーム絵札が特攻隊になってくれないか」
「特攻隊…」
「あぁ。お前の部下は猛者と聞いている。その四人だけで、藤松会を潰せるのではないかと考えてね」
「そうですか……わかりました。俺たちに任せてください」
俺は懐からタバコを出し、火をつけようとした。その時。
「グワァァァァ!」
玄関の方から断末魔が聞こえた。
「なんだ!?」
部屋にいた構成員が拳銃を抜き、部屋を出る。
しかし。
「ダァァァァァ!」
その構成員も死亡した。
「俺が見てきます」
そう言って先陣を切ったのは、大安であった。
「そうか。一応付いていくとしよう」
大安は刀を抜き、俺は拳銃を取り出す。
部屋を出ると、構成員が一人倒れていた。
そして、その先には、怪しげな男が二人待ち構えていた。
「貴様ら、反桐田派の人間か?」
「そうだ。桑沢さんにチーム絵札の幹部を殺せば金を貰えるんだ!」
「そうか。じゃあ、俺を殺してみろ」
大安は刀を持ちながら襲撃犯の一人に近づく。
「俺を舐めんじゃねぇ!」
そう言って、一人が発砲した。しかし。
「遅い」
大安は、それを避けた。その弾は俺にも当たることはなかった。
そして、大安は刀を振り上げた。
「な…」
そして、男は一刀両断された。
「ひいぃ!」
もう片方が逃げようとする。
「バカめ。俺を狙って生きれると思ったか?」
俺は逃げようとした奴に三発発砲し、それをすべて的中させた。
「まったく」
「なんの騒ぎで?」
VIPルームから本堂の声が聞こえる。
「反桐田派の人間です。すいません。こんな奴らを入れてしまって」
「いえいえ、いいんです。ここに入ってきた奴らが悪いんですよ」
そうして、俺達は義憐町を後にした。
本堂は、桐田達が去るとタバコを出した。
「火」
「はい」
野添がタバコに火をつけ、本堂はそれを吸った。
「フゥ~」
「それにしても、なんでチーム絵札を特攻担当にしたんです?」
疑問を持った常岡が聞いた。すると、本堂はタバコを口に加えながら話しだした。
「それはな、一気に狩るためだよ」
「狩るため…」
「そうだ。藤松会とチーム絵札が相打ちになり、弱くなった所で俺たちがその隙を攻める。そこで、その2つの組織を潰して裏社会のトップとなる」
「そんな作戦が」
「あぁ、先代と先々代は仁義を守る藤松会と手を結んでいた。でもなぁ、任侠なんて俺はそんなちっぽけなモノは要らねぇんだ。トップになるためには、どんな代償を得ても、攻めるんだよ」
そう、チーム絵札と武蔵野会は、上辺では信頼していても、元から信頼などしていなかった。




