File22.5 バイドク、絶滅
夜、丑目町のとある廃ビル。そこは、丑目町を根城とする半グレ組織、『バイドク』の事務所だった。
そのビルの目の前に、男二人が立っていた。
片方は、ラストジョーカー幹部、『ハンマー使いの黒畑』こと、黒畑純紀。
もう片方は、同じくラストジョーカー幹部、『スペードマスター水戸部』こと、水戸部凌二。
二人は、丑目町への侵略のため、そして、藤松会崩壊の足がかりとして、ラストジョーカーから派遣されたのだ。
「さて、やりますか」
「そうだなぁ、クヒヒヒヒ」
黒畑が扉をスレッジハンマーで壊す。
「うらぁ!てめぇ等今日が命日じゃあ!」
「なんだ!」
「侵入者だ!今すぐ殺せぇ!」
バイドクの構成員が拳銃やナイフを抜こうとした。しかし、黒畑はハンマーを持っているにも関わらず、俊敏な動きを見せた。
「粉砕!」
「だっ!」
「うへっ!」
黒畑が一発で二人を倒し、そこからも無双は続く。
「クソがぁ!死にやがれぇ!」
構成員の一人が拳銃を構え、黒畑に向けて撃とうとする。しかし、その引き金は引かれることはなかった。
「何やってんだ?こんにゃろぉ!」
「うがぁ!」
後ろから水戸部に刺され、そのまま倒れた。
「なんだぁ?なんの騒ぎだ?」
すると、向こうからリーダーの梅戸と副リーダーの竹宮が現れた。
「お前らがリーダーか。チーム絵札成長の足がかりとして死んでくれ」
「うるせぇ!竹宮、殺れ!」
「了解しました」
竹宮が拳銃を抜く。
「じゃあ、俺はこいつとやるわ」
すると、水戸部が竹宮の前にいった瞬間。水戸部はナイフを取り出し、一瞬にして竹宮の腹部に刺し、抉った。正に早業だった。
「とぎっ!」
竹宮は倒れ、梅戸は怯えた。
「なっ…あの竹宮が…」
黒畑が懐から針を出し、話し掛ける。
「一つ提案だ。うちのチームに入らないか?」
「なっ…そんなこと…」
「死にたいのか?」
「い、いえ…それは」
「すぐに答えろ!」
黒畑が梅戸の指に針を一本刺した。
「イテェェェェェェ!」
「もう一度言う。うちのチームに入らないか」
「わ、わかりました!入ります!」
「そうか。じゃあ桐田さんに言いますか」
黒畑が桐田に電話をかけた。
(そうだ…コイツは無防備…ここで殺せば…)
梅戸が静かに拳銃を抜こうとした。しかし、それは水戸部にしっかり見られていた。
「なぁにやってんの?」
「ひぃ…」
水戸部はナイフで梅戸の太ももを刺した。
「だがぁぁ!」
「そうですか。わかりました」
それと同時に黒畑が電話を切る。
「良かったなぁ。アンタ、丑目支部の副リーダーだってさ。良かったなぁ」
「は…はい……」
梅戸は従わないと殺される。そう感じながら壊れたおもちゃのように首を縦に振った。いや、それしか方法がなかった。
その後、死体処理を水戸部に任せ、富栄町にあるチーム絵札の事務所に戻った。
「ただいま戻りました」
「よく戻った。黒畑」
そこには、少しばかり血の匂いがする桐田が待ち構えていた。
「桐田さん。今日の武蔵野会との会合、どうでした?」
「まぁ、本堂が藤松会を潰すために、チーム絵札が前線に出てほしいと言っていてな。その特攻隊長にお前を任せたい」
「隊長を俺に?」
「あぁ、部下の中でお前が一番信用できる。頼むぞ。黒畑」
「はい。俺に任せてください。藤松会、潰しますわ」
「よろしく頼んだ」
藤絵戦争は、どちらが勝つのか?それは、神のみぞ知る。




