File22 半グレ集団『バイドク』
俺は九鬼泰照。死ぬ程暴露という文字を見てきた情報屋だ。
今回の依頼者は、アラサーの男で、名を野垣憲人と名乗った。
「依頼内容を」
「うちの店を荒らし、殺害予告を出した者達を暴露してください」
野垣は、苦しそうに語りだした。
苑頭町の下部にある町、丑目町にとある焼肉屋があった。店名は『やきにくノガキ』。野垣が、脱サラをして開いた店である。
野垣の実家が肉屋であり、肉の事に詳しかった為に出来た芸当である。
丑目町の人たちには評判がよく、皆から愛されていた。
しかし、そのやきにくノガキには、厄介な客が訪れていた。
それが、丑目町の根城とする半グレ組織、『バイドク』であった。バイドクのリーダーである梅戸武広は、『狡猾の梅戸』と呼ばれており、どんな事も厭わない性格なのだ。丑目町をまるごと根城にできた理由としては、梅戸の狡猾さにより、そこを根城としていた別の半グレ組織を壊滅させて一気に丑目町を支配に置けたのだ。
厄介なのはここからである。野垣は、バイドクに十万円程の『守代』を支払わなければいけないのだ。
バイドクの言い分としては、『もし、何かしらに襲われたときに助けてやる』というもの。
無論、野垣はこれを断った。そんな対応をされたバイドクは、後に凶行に走ることになる。
そんなある日、開店直前の事。
ドアをノックする音が聞こえたので、野垣はドアの元に向かい、鍵を開けた。
そこには、梅戸と副リーダーの竹宮征彦がいた。
梅戸の手にはハンマー、竹宮の手には拳銃が握られていた。
「野垣さんさぁ、いったん奥行って」
竹宮が拳銃を突きつけ、野垣を脅す。
野垣はそれにビビり、キッチンに入った。壁やテーブルが壊れる音が何度もした。裏口から逃げようと思ったが、もしかしたら構成員が待ち構えているかもしれない。野垣は怯えるだけで、何も出来なかった。
人の気配が消え、野垣は警察を呼び、被害届を出した。
しかし、捜査は急に打ち切りに。何者かの介入で打ち切りになったのだとか。
その次の日。家には大量の貼り紙。そこには『殺す!』『死ね!』等と脅迫されていたのだ。
警察にも頼れない。野垣は伝手を使い、ここに来たのだ。
「どうかお願いします。奴らをどうか落としてください」
「分かりました。では、奴らを地獄に落としましょう」
俺は、バイドクの事を調べ上げた。
リーダーである梅戸は、先程も言った通り、狡猾な男で、卑怯な手しか使わないのだ。
副リーダーである竹宮は、梅戸に惚れバイドクに入った男だ。そして、自身の手腕で、副リーダーまで上り詰めた。
俺はバイドクの悪行を世間に広めた。
しかし、上層部の二人は逮捕されず、何もなく終わってしまった。
これは推測だが、恐らく梅戸が警察に金を払い、この事を闇に葬ったのだろう。
しかし、次の日。何とバイドクが潰れたという情報が届いた。
そして、それを潰したのが、ラストジョーカーの幹部であったことが明かされた。




