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暴露屋∼社会的に殺す情報屋∼  作者: 蔵品大樹
第一部 藤絵戦争
32/139

File20 伊崎舞海と猪平組

 俺は九鬼泰照。勧善懲悪な生き方をする情報屋だ。

 今宵も、暴露屋に依頼者が訪れる。

 今回の依頼者はかなりやつれていた男性で、名を木戸雄佑(きどゆうすけ)と言った。

 「依頼内容を」

 「自分を虐めたのにも関わらず、何も制裁が下らなかったボンボン女とその彼氏を落として下さい!」

 木戸は怒りを憑依させているかのような表情をしていた。




 木戸は、学生時代にとあるグループに虐められていた。

 そのグループというのが、『金持ち組』。金持ち組とは、親が金持ちな人間のみが入れるグループの事で、所謂カースト上位の人間を指す。

 木戸は、親が金持ちということはなく、彼は金持ち組に嫌がらせをさせられていた。

 特に、リーダー格の伊崎舞海(いざきまいみ)は、伊崎グループの会長の娘で、普通な男である木戸を虐めに虐めまくっていた。

 木戸が教師に言っても、伊崎の父親は校長と知り合いであり、虐めは揉み消されていた。

 その後、木戸は奴らを見返すべく、有名な大学を努力して入り、その後、とある企業に入った。

 しかし、木戸は知らなかった。その企業は、伊崎グループの傘下という事に。

 入社初日。伊崎グループでは、新入社員は社長と会う決まりとなっている。

 その時に、木戸は会ってしまった。

 そう、伊崎舞海だ。どうやら、この企業は伊崎が社長をしていて、いずれ伊崎グループの会長になるのだ。

 伊崎は木戸がここに居るのを知り、こき使おうと考えていた。

 他の社員には通常通りの業務なのだが、木戸だけは他の人の3倍以上の仕事を任されていた。それは、木戸に対する差別であった。

 木戸は部長にこの事を相談するも、部長は、『社長はお前の事を気に入っているから仕事を沢山任せるんだ』と、話していた。

 流石の木戸でも、これはパワハラだと分かった。

 そして、木戸は労働基準監督署に相談するも、何故か労基は伊崎グループを調べなかった。

 無論、それは伊崎が仕組んだものであった。

 木戸は辞めようと考えていた。しかし、伊崎を見返すべく、木戸はなんとか這い上がった。

 そして、事件は起きる。それは前日の事であった。その日は休日。木戸も2日間の休日を休んでいた。

 木戸は気分転換に苑頭町にある大きなショッピングモールに出掛けていた。

 すると、そこでとある人物に出会うことになる。

 伊崎だった。しかも、恐らく彼氏であろう若くチャラそうな男を連れて。

 「あぁ、木戸くん。アンタ、こんなところに来てたのね」

 伊崎は木戸を馬鹿にするような口調で話し掛ける。しかし、木戸はそれをいつものようにスルーしていた。すると、伊崎は何も言っていないのに隣の男を紹介した。

 「この人、父さんがお世話になっている『武蔵野企画』の社長さんの、猪平善一(いのひらよしかず)さん」

 伊崎が言うには、伊崎グループの仲間に、武蔵野企画という会社があり、その猪平というのが、二代目の社長なのだとか。

 「よう。話には聞いていたが、アンタが間抜けの木戸か?確かに間抜けそうだな!」

 すると、猪平が木戸の胸ぐらを掴む。

 「俺さ、この顔見てると殴りたくなるんだよねぇ。オラ!」

 猪平が木戸を殴った。

 「うっ!」

 「ここだと人がいるな。地下駐車場に行くか」

 そして、3人は地下駐車場に行き、猪平は木戸を殴り続けた。

 木戸は2分間の間、地獄を味わった。

 地獄が終わり、二人が去ると、木戸は歯を食いしばっていた。

 (あいつらは…警察に行っても無駄だ。奴らは許さねぇ…)

 そして、ここに来たのだとか。




 「お願いします。奴らは許されるべき存在ではありません!どうか、奴らを落としてください!」

 「分かりました。では、奴らを落として地獄を見せましょう」

 俺は二人の事を調べ上げた。

 伊崎舞海。24歳。伊崎グループ傘下、『株式会社トルネード』の社長。傲慢な性格をしており、猪平のリンチを見ても、嬉しがっていた。

 そして、その猪平の事だが。驚愕の事実が判明した。

 それは、猪平は武蔵野会直系猪平組の組長で、どうやら伊崎グループが武蔵野会と関わりがあることが判明した。

 要するに、猪平は藤松会のシマで暴行を働いた事になる。

 猪平善一。25歳。アラサーにも関わらず、武蔵野会幹部兼猪平組組長で、武蔵野会の経営する武蔵野企画の社長もしている。昨日、木戸を殴り続けた。

 まず、伊崎グループの闇の情報をマスコミに流し、伊崎の父は娘を擁護していた責任で辞任。娘の方も、社長を辞任する事になった。

 一方の猪平はというと、別荘に隠れていた。

 比嘉と伊波が猪平組の構成員を、俺が猪平をやることになった。

 俺は郊外の別荘に突入した。

 「オラァ!猪平ァ!往生せいや!」

 しかし、別荘に入ると、厳つそうな男が倒れていた。

 「コイツは、猪平の護衛か?」

 すると、目の前にとある男が現れる。

 「誰だい?アンタ」

 「俺は桐田を嫌う集団、反桐田派の桑沢という」

 反桐田派の存在は、話には聞いていた。しかし、何故このような男がここにいるのか?

 「なぁ、もしかして猪平殺った?」

 「そうだ。間抜けヅラで死んださ」

 「そうか」

 俺はドスを抜く。すると、桑沢は少し後ろに飛び、いきなり棒手裏剣を投げた。

 「なっ」

 俺は右に飛ぶが、その方向にはもう一本の棒手裏剣があった。

 「くっ…」

 それが足に刺さる。

 「アンタ、確か情報屋の九鬼だったな。お前がいる限り、藤松会は無くならない。お前を消去させてもらう」

 すると、桑沢はメリケンサックを手にはめると、早いストレートパンチを繰り出した。

 「させるか!」

 俺は腕で顔をガードし、少し腕にダメージを受けたが、顔は守れた。

 「ほう。俺の本気を守るとは。しかし、俺は大量の人間を狩らなければならない。一旦はさらばだ。次に会ったときは………殺す」

 桑沢はそのまま俺の横を通り過ぎた。

 (くっ…足に刺さった棒が痛ぇ…今すぐ戻らねぇと)

 俺はバンに乗り、そのまま苑頭町に戻った。

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