File19.5 闇討ちの応酬
とある昼、無限絵札の親桐田派の構成員、長谷部がとある定食屋を出た時であった。急に後ろから殴られ、長谷部は後ろを振り向いた。
「なんだぁ!」
そこには、無精髭を生やした反桐田派のリーダー、桑沢大悟が突っ立っていた。
「オメェ、桑沢だな」
「それが何だ?」
「路地裏来いよ、ぶっ殺してやる」
桑沢は素直に長谷部の言うことを聞き、路地裏に入った。
すると、長谷部は急に電話を掛ける。
「大神田さん、桑沢の野郎を見つけました!今すぐ黍出町の…」
いつの間にか、長谷部は桑沢にサバイバルナイフで腹を裂かれていた。
「な…これ…」
長谷部がスマホを落とす。
「どうした、長谷部、長谷部、長谷部!」
大神田の慌てる声が路上裏で鳴り響く。
サバイバルナイフを懐に戻し、桑沢は何事も無かったかのように、その場を去った。
その日の夜、武蔵野会の傘下、榊田組の構成員、田崎が家に帰る途中であった。
その時、桑沢が田崎の後ろを取り、ナイフで喉元を掻っ切ろうとしていた。
「ひぃ!」
「一分以内で答えろ。ウチの辻田と阿川を殺ったのは誰だ?」
「な、何だよ!お前、反桐田派か!?」
「オイオイ、さっさと答えろよ。もう調べはついてある。榊田組の構成員が二人殺したのは知ってるさ」
「そ、そんなの知らねぇ!止めろよ!仲間を呼ぶぞ!」
「へぇ…自分が脅されてんのにそんなこと言うのかぁ…気分が変わった。あと十秒以内に言え」
「わ、わかりました!言います!十文字!十文字裕大って奴が殺りました!さっき十文字本人から聞きました!」
「ほう…そうか、よく言えたね」
「で、でしょう!だから開放を」
「するわけねぇだろ馬鹿野郎。もっと自分の立場考えろ」
その瞬間、桑沢は田崎の首を掻っ切った。
「十文字か…よし…アイツは楽に死なさねぇ」




